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岸田首相が退陣を表明した。3年間、何をしたのかほとんど記憶に残らない、存在感の希薄な首相だった。日本の大企業によくある調整型のサラリーマン社長である。派閥均衡の力学で生まれたので、政治資金問題でも各派閥のバランスを取っているうちに何をしているのかわからなくなり、自滅した。

これが日本でグローバル企業の育たない原因である。資本主義のコアにあるのは、ウェーバーのいうようなプロテスタントの職業倫理ではなく、資本家の独裁による株式会社という軍団だった、とファーガソンはいう。この意味でウェーバーは、誤った理由で正しかったのだ。

宗教改革(Reformation)という上品な名前で呼ばれているのは、ローマ・カトリック教会が異端派を弾圧した戦争である。ほとんどの異端派は武力攻撃で壊滅したが、それに武力で対抗したカルヴァンの軍団だけが生き残った。

カルヴァンはフランスからカトリック教会の弾圧を逃れてスイスに亡命し、ジュネーブで教会の指導者になり、政治の実権を握った。そして彼の教義を批判する者を弾圧し、三位一体説を批判したセルヴェートを火刑に処すなどの神権政治を行なった。

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