GEPRで紹介したように、WHOの福島事故についての最終報告書が発表された。その内容について一部のメディアが誤った報道をしているので、正確な内容を紹介しておく。
まず要旨で「甲状腺がん:乳幼児として被曝した女性について70%以内の増加のリスク」と書いてあるのは、発癌率が70%になるという意味ではなく、「通常予測される甲状腺がんのリスクは0.75%であり、最も影響を受けた場所の乳幼児として被曝した女性の付加的な生涯の危険が0.5%ポイント増えて1.25%になる」という意味である。
しかもこれは「LNT仮説にもとづくきわめて保守的な推定」であり、具体的には次のような仮定を置いている。報告書本文から引用すると、
LNT仮説がこのような低線量では適用できないことは、多くのデータで証明されている。したがってWHOのありえない条件でも固形癌のリスクが(統計的に有意でない)4%しか増えないというデータは、現実には癌のリスクは増えないことを最終的に明らかにしたものだ。日本政府が反論しているように、「線量推計の仮定が実際とかけ離れている。この報告書は未来予想図ではない。この確率で絶対にがんになるとは思わないで欲しい」。
しかもこれは「LNT仮説にもとづくきわめて保守的な推定」であり、具体的には次のような仮定を置いている。報告書本文から引用すると、
it was assumed that relocation in the “deliberate evacuation area” took place at 4 months although the inhabitants of this area were subjected to relocation at different times earlier than this. It was also assumed that all the food monitored was on the market although the data set included the results of food samples that were collected for monitoring purposes and were not allowed on the market. (p.38)つまり(現実には事故直後に全員避難した)計画避難区域に4ヶ月住み続け、(現実には販売禁止された)被災地の農産物を食い続けたという事実に反する条件を置いているのだ。しかもこの条件は要旨には書かれておらず、本文の非常にわかりにくいところに書かれている。
LNT仮説がこのような低線量では適用できないことは、多くのデータで証明されている。したがってWHOのありえない条件でも固形癌のリスクが(統計的に有意でない)4%しか増えないというデータは、現実には癌のリスクは増えないことを最終的に明らかにしたものだ。日本政府が反論しているように、「線量推計の仮定が実際とかけ離れている。この報告書は未来予想図ではない。この確率で絶対にがんになるとは思わないで欲しい」。


