去年の原発事故のころは「核爆発が起こる」とか「何万人も死者が出る」といった流言蜚語が飛び交ったが、反原発派の期待に反して(幸いなことに)福島で放射能による死者は出ない見通しだ。困った彼らは、先週の「朝まで生テレビ」でも「16万人が避難した」とか「広範な国土が汚染された」という話を持ち出すようになった。「金より命」という原則を変更して、金の問題で原発を攻撃しようというのだ。
しかし経済問題として考えると、原発事故は経済学の費用便益分析で分析でき、リスクは合理的に管理できる。その考え方は、姫路のプラント事故のような通常のリスク管理と同じで、原発だけに特別大きな安全率をかける根拠はない。今週のメルマガから引用しておこう:
しかし経済問題として考えると、原発事故は経済学の費用便益分析で分析でき、リスクは合理的に管理できる。その考え方は、姫路のプラント事故のような通常のリスク管理と同じで、原発だけに特別大きな安全率をかける根拠はない。今週のメルマガから引用しておこう:
次の図はICRPのモデルで、リスクはLNT仮説にもとづいて右上がりの直線Yと想定されていますが、それでもリスクを最小化することは正しくない。リスクの最小値はゼロですが、そこでは防護費用(帰宅による便益を含む)Xが最大になるからです。

規制の線量限度Sを高くすると、防護費用は下がるが健康リスクは大きくなるので、両者の和が最小になるような線量S0がリスクを最適化する線量限度です。これがICRPのALARA原則で、「予防原則でリスクを最小化すべきだ」というのは費用対効果を無視するものです(日本政府は予防原則を認めていない)。
リスクを最適化するという言葉には抵抗があるかもしれないが、リスクは放射線だけではありません。たとえば1兆円の予算があるとすると、それを(ほとんど無害な)放射線のリスクをゼロにする除染に使うより、現実に18000人以上が死んだ津波対策に使うほうが災害対策としては有効です。
福島については、S0は年間1~20mSvの範囲(現存被曝状況)にあるというのがICRPの見解で、政府もそれを踏襲していますが、自治体が1mSvに固執するため、帰宅も除染も進まない。政府はこれを定めたICRP111号勧告を法制化し、自治体に守らせるべきです。そうしないと、被災者はいつまでたっても帰宅できない。費用対効果を無視して「ゼロリスク」を求める反原発派が、被災地の復興を妨害しているのです。
規制の線量限度Sを高くすると、防護費用は下がるが健康リスクは大きくなるので、両者の和が最小になるような線量S0がリスクを最適化する線量限度です。これがICRPのALARA原則で、「予防原則でリスクを最小化すべきだ」というのは費用対効果を無視するものです(日本政府は予防原則を認めていない)。
リスクを最適化するという言葉には抵抗があるかもしれないが、リスクは放射線だけではありません。たとえば1兆円の予算があるとすると、それを(ほとんど無害な)放射線のリスクをゼロにする除染に使うより、現実に18000人以上が死んだ津波対策に使うほうが災害対策としては有効です。
福島については、S0は年間1~20mSvの範囲(現存被曝状況)にあるというのがICRPの見解で、政府もそれを踏襲していますが、自治体が1mSvに固執するため、帰宅も除染も進まない。政府はこれを定めたICRP111号勧告を法制化し、自治体に守らせるべきです。そうしないと、被災者はいつまでたっても帰宅できない。費用対効果を無視して「ゼロリスク」を求める反原発派が、被災地の復興を妨害しているのです。

