
彼が推薦してくれたエネルギー問題のガイドブックが本書で、原著はまるごと著者のウェブサイトで読める。著者はケンブリッジ大学の教授で、科学者らしく徹底的に数字にもとづいて、多くのグラフでエネルギー問題を解説している。
彼の試算は再生可能エネルギーに好意的だが、環境問題が大きな障害だ。イギリスは欧州でもっとも風力に恵まれているが、風力発電は騒音問題でいやがられるので、立地できる面積が限られる。太陽光は採算が合わない。この結果、図のように水力やバイオマスなどを合わせても、再生可能エネルギーでまかなえる最大エネルギーは、イギリスの一人あたりエネルギー消費125kWh/日の15%程度だという。

日本の場合は地熱もあるが、これも環境問題を考えると拡大の余地は少ない。温室効果ガスを減らすという点でもコストの点でも、圧倒的に有利なのは原子力である。イギリスの場合、原子力なしで化石燃料をやめると、最大72%のエネルギーを輸入しなければならないという。日本の場合は電力の輸入というオプションがないため、原発を減らす分はほとんど火力でまかなうしかないだろう。

日本の場合は地熱もあるが、これも環境問題を考えると拡大の余地は少ない。温室効果ガスを減らすという点でもコストの点でも、圧倒的に有利なのは原子力である。イギリスの場合、原子力なしで化石燃料をやめると、最大72%のエネルギーを輸入しなければならないという。日本の場合は電力の輸入というオプションがないため、原発を減らす分はほとんど火力でまかなうしかないだろう。