先週からの株安について、債務危機とか格下げとか、メディアはいろんな解説をしているが、クルーグマンのいうように「アメリカが流動性の罠に入った」ことが基本的な原因だろう。感じとしては、日本の13年前と同じぐらいだ。
Some readers may recall that back in 2008, when I began writing about the dangers of a liquidity trap and all that implied, I got a lot of angry pushback from the usual suspects. The liquidity trap is nonsense, they said; printing money is always inflationary;
クルーグマン先生、「マネーさえ印刷すればインフレが起こる」という話を、こともあろうにあなたの論文を根拠にして主張していた日本人が昔いたんですよ。「FRBのように果敢に金をばらまけば、『デフレ不況』なんかすぐ脱却できる」と主張していた彼らは、今どうしているのだろうか。
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WSJの記事は、アメリカ経済のよくできたサマリーだ。それによれば、いま起きていることは、かつての日本と同じ(クルーグマンが指摘した)自然利子率がマイナスになって金利がゼロに張り付く状況だ。これを抜け出す方法は、3つしかない:
  1. ケインズ的な財政政策
  2. 為替の切り下げ
  3. 非伝統的な金融政策でインフレ予想を作り出す
クルーグマンは1を主張している。今回のドル暴落は、2を意図的にやったのだろうか。皮肉なことに、リフレ派の賞賛していたバーナンキは3に慎重だ。QEもQE2も不発だったからだ。日本の教訓が正しいとすれば、アメリカの(そして世界の)不況は、今後も長期にわたって続くだろう。