地味なニュースだが、最近ちょっと注目されたのは、RIMが業績不振でレイオフを行ない、株価が暴落したという事件だ。日本ではほとんど知られていないが、RIMのBlackberryはアメリカではビジネスマンの必需品で、オバマ大統領もヘビーユーザーだ。かつては「スマートフォン」といえば、Blackberryのことだった。ところがここ1年でアップル(iOS)に抜かれ、さらにグーグル(Android)に抜かれて4位に転落し、シェアが急落している(ITmediaより)。
順位 | OSベンダー | シェア(%) | 成長率(前年比%) |
---|---|---|---|
1 | グーグル | 32.9 | 615.1 |
2 | ノキア | 30.6 | 30.0 |
3 | アップル | 16.0 | 85.9 |
4 | RIM | 14.4 | 36.0 |
5 | マイクロソフト | 3.1 | -20.3 |
その他 | 2.9 | 64.8 | |
計 | 100.0 | 88.6 |
これを見て80年代のコンピュータ産業を思い出す人は、この業界の古手だ。現在のスマートフォンの性能は当時のPCをはるかに上回るので、同じことが起こるのは当然だ。RIMは、さしずめCP/Mというところだろうか。8ビット時代はほぼ唯一のOSで、16ビットでもデファクト標準だったが、IBM-PCにMS-DOS(実はCP/Mのコピー)が搭載されたため、急速に勢いを失った。
前年比6倍を超える急成長を続けているAndroidは、80年代のMS-DOS(およびWindows)である。歴史が教訓になるとすれば、Androidが圧倒的なシェアを得てRIMを駆逐してしまうだろう。iOSは、まだシェアは前年並みとふんばっているが、ジリ貧だ。iCloudなどのインフラも、1社だけでは規模の経済が生きないのでグーグルには勝てない。最終的にはMacOSのようなニッチになるのではないか。
印象的なのは、ノキアの凋落である。スマートフォン全体が88%成長している中で30%しか伸びていないというのは、もう負け組だ。かつては世界のシェアの半分近くを占める圧倒的なナンバーワンだったが、スマートフォンへの対応を誤って業績が悪化し、Symbianを捨ててWindows Phoneを採用するという決定も市場からブーイングを受けた。MSはひとり負けだ。
ハードウェアでみると、AndroidのトップメーカーはHTCとサムスンで、この2社でシェアの半分を占める。日本メーカーの姿は、世界市場ではどこにも見えない。80年代にも、アジアのメーカーが世界標準のIBM-PC互換機を低価格で生産してアメリカ市場に食い込み、生産基地の座を奪ったのに対して、日本メーカーはMS-DOSを日本的に作り込み、PC-9800対その他のコップの中の闘いに時間を空費して全滅した。今回も、日本のAndroid端末はPC-9800を思い起こさせる。歴史は繰り返すのだろうか・・・
前年比6倍を超える急成長を続けているAndroidは、80年代のMS-DOS(およびWindows)である。歴史が教訓になるとすれば、Androidが圧倒的なシェアを得てRIMを駆逐してしまうだろう。iOSは、まだシェアは前年並みとふんばっているが、ジリ貧だ。iCloudなどのインフラも、1社だけでは規模の経済が生きないのでグーグルには勝てない。最終的にはMacOSのようなニッチになるのではないか。
印象的なのは、ノキアの凋落である。スマートフォン全体が88%成長している中で30%しか伸びていないというのは、もう負け組だ。かつては世界のシェアの半分近くを占める圧倒的なナンバーワンだったが、スマートフォンへの対応を誤って業績が悪化し、Symbianを捨ててWindows Phoneを採用するという決定も市場からブーイングを受けた。MSはひとり負けだ。
ハードウェアでみると、AndroidのトップメーカーはHTCとサムスンで、この2社でシェアの半分を占める。日本メーカーの姿は、世界市場ではどこにも見えない。80年代にも、アジアのメーカーが世界標準のIBM-PC互換機を低価格で生産してアメリカ市場に食い込み、生産基地の座を奪ったのに対して、日本メーカーはMS-DOSを日本的に作り込み、PC-9800対その他のコップの中の闘いに時間を空費して全滅した。今回も、日本のAndroid端末はPC-9800を思い起こさせる。歴史は繰り返すのだろうか・・・
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。