CNNの報道によれば、WHO(世界保健機関)は携帯電話を発癌物質に指定した。携帯ユーザーが脳や聴神経の腫瘍にかかるリスクがあることが判明したためだ。携帯電話から出る電波に発癌性があるという研究結果はこれまでにも出ていたが、国際機関が公式に認めたのは初めてである。

これは原理的には十分ありうることだ。放射線(ガンマ線)にも紫外線にも発癌性があることが知られており、電子レンジで料理ができるのだから、電磁波が脳に影響を及ぼすのは当然である。CNNはこう報じている:
The European Environmental Agency has pushed for more studies, saying cell phones could be as big a public health risk as smoking, asbestos and leaded gasoline.
喫煙やアスベストと同等というのは大きなリスクだ。
Results from the largest international study on cell phones and cancer was released in 2010. It showed participants in the study who used a cell phone for 10 years or more had doubled the rate of brain glioma, a type of tumor.
Gliomaというのは「神経膠腫」と訳し、脳腫瘍の一種らしいが、携帯利用者の発症率が2倍以上になるというのは大きい。特に子供は頭蓋骨が薄いので注意が必要だ、と研究者は警告している。この記事には書かれていないが、基地局の発する電波はもっと強いので、かねてから健康被害が懸念されている。厚労省も、携帯電話の健康リスクを本格的に調査したほうがいいだろう。

アスベストや喫煙なみというのは、孫正義氏の騒いでいる100ミリシーベルト級の放射線よりはるかに大きなリスクである。しかも原発の放射線を浴びる確率はきわめて低いが、携帯の電波は日常的に浴びている。命を守ることが絶対の「正義」だと主張する孫氏は、携帯電話の販売を中止してはどうだろうか。