![ebihara1](https://livedoor.blogimg.jp/ikeda_nobuo/imgs/7/f/7fe8bb07.jpg)
たとえば「若者が就職できなくて非正社員が増えている」という話は間違いで、図のように非正社員の半分は主婦のパート、15%は定年退職後の老人、9%は学生アルバイトである。新卒採用が減っているというのも間違いで、大卒の求人数は増えている。求人倍率が低いのは、大学生が増えすぎたためである。
日本の雇用慣行が世界的にみて特殊であることは事実だが、それなりに合理的にできており、簡単に変わるとは思えない。労働者にとっても楽で、着実にキャリアを積むことができる。クリエイティブな仕事はできないが、大きく落ち込む心配もない。非常に優秀な人には日本企業はおすすめできないが、そういう人はもともと日本で就活なんかしないだろう。実際には、日本を脱出する若者は少ない。ぬるま湯で居心地がいいからだ。
割り切ってのんびり暮らそうと思えば、日本の会社ほど楽なところはないが、問題はそれがいつまで続くのか、そして日本経済は大丈夫なのかということだ。この点は海老原氏も「グローバルに見たら日本の会社はジリ貧だ」と言っていた。しかし1億人以上の豊かな国民がいるので、中国との競争を避けて超ドメスティックな産業に特化すれば、あと10年ぐらいは何とかなるだろう。そこから先はわからない。
クルーグマンも指摘するように、90年代以降のアメリカでは中間層の没落が急速に進行した。金融・ITなどの知識労働者の所得が上がる一方で、新興国と競合する製造業のブルーカラーが職を失ったからだ。この「負け組」にならないために教育が重要だというのは間違いで、重要なのは新興国と競合しない職業につくことである。
「勝ち組」はソフトウェアを中心とする知識産業だが、これはごく一部だ。大部分は輸入できないサービス業(流通や福祉など)だが、このような単純労働は新興国へのアウトソーシングとの裁定がはたらくので、つねに賃下げ圧力がかかる。解雇されたGMの労働者がウォルマートに転職して賃金が半分になることで成長率は上がったが、所得格差は拡大したのである。
「小泉改革で格差が拡大した」などというのはナンセンスで、日本は世界的にみるとこの20年で所得格差がほとんど拡大していないが、成長率も最低だ。これからは否応なく格差は拡大するだろうが、知識産業は日本では生き残れない。金融は金貸ししか残っていないし、ITゼネコンは壊滅状態だ。グローバル企業は高賃金で規制だらけの日本をきらって海外採用を増やしており、国内に残るのは負け組だろう。若者はそれほどカワイソウではないが、明るい未来が待っているわけでもない。
割り切ってのんびり暮らそうと思えば、日本の会社ほど楽なところはないが、問題はそれがいつまで続くのか、そして日本経済は大丈夫なのかということだ。この点は海老原氏も「グローバルに見たら日本の会社はジリ貧だ」と言っていた。しかし1億人以上の豊かな国民がいるので、中国との競争を避けて超ドメスティックな産業に特化すれば、あと10年ぐらいは何とかなるだろう。そこから先はわからない。
クルーグマンも指摘するように、90年代以降のアメリカでは中間層の没落が急速に進行した。金融・ITなどの知識労働者の所得が上がる一方で、新興国と競合する製造業のブルーカラーが職を失ったからだ。この「負け組」にならないために教育が重要だというのは間違いで、重要なのは新興国と競合しない職業につくことである。
「勝ち組」はソフトウェアを中心とする知識産業だが、これはごく一部だ。大部分は輸入できないサービス業(流通や福祉など)だが、このような単純労働は新興国へのアウトソーシングとの裁定がはたらくので、つねに賃下げ圧力がかかる。解雇されたGMの労働者がウォルマートに転職して賃金が半分になることで成長率は上がったが、所得格差は拡大したのである。
「小泉改革で格差が拡大した」などというのはナンセンスで、日本は世界的にみるとこの20年で所得格差がほとんど拡大していないが、成長率も最低だ。これからは否応なく格差は拡大するだろうが、知識産業は日本では生き残れない。金融は金貸ししか残っていないし、ITゼネコンは壊滅状態だ。グローバル企業は高賃金で規制だらけの日本をきらって海外採用を増やしており、国内に残るのは負け組だろう。若者はそれほどカワイソウではないが、明るい未来が待っているわけでもない。