きょう自民党の鶴保参院決算委員長は、仙谷官房長官に「国務大臣として品位を汚すことなく、真摯かつ適切な答弁に努めることを強く望みたい」と異例の注意をした。特に論議を呼んだのは、15日の予算委員会の答弁だ。
予算委に経済産業省の古賀茂明氏(昨年まで国家公務員制度改革推進本部事務局)が、みんなの党の参考人として出席し、官僚が公務員の身分のままで独立行政法人などに天下りする現役出向について「不透明な癒着は公務員の身分を維持して行っても全く同じことが起きる可能性があり、非常に問題だ」と証言した。これに対して仙谷長官は、求められてもいないのに、こう答弁した:
予算委に経済産業省の古賀茂明氏(昨年まで国家公務員制度改革推進本部事務局)が、みんなの党の参考人として出席し、官僚が公務員の身分のままで独立行政法人などに天下りする現役出向について「不透明な癒着は公務員の身分を維持して行っても全く同じことが起きる可能性があり、非常に問題だ」と証言した。これに対して仙谷長官は、求められてもいないのに、こう答弁した:
職務と関係ないことでこういう場に呼び出すやり方は、はなはだ彼の将来を傷つけると思います。優秀な人であるだけに、大変残念に思います。
この霞ヶ関文学を普通の日本語に翻訳すると、こういう意味だ:
このように日本の官僚機構の異常に硬直的な意思決定の原因は、その硬直的な雇用慣行にある。私が研究所をやめるとき、ある補佐は「今回の騒動でRIETIは死んだ。私などは『天上がり』で来年は元の会社に戻るので自由に発言できるが、キャリアはかわいそうだ。課長の意見を忖度して、その意に沿うペーパーを書かないと、次にどこに飛ばされるかわからない」といっていた。
高木文雄元大蔵次官(国鉄総裁)にインタビューしたとき、彼は「戦前の高等文官というのは弁護士みたいにいつまでも有効な資格だったので、大蔵省で上司と喧嘩して農商務省に入りなおす、というようなことができた」という。キャリア官僚もこういうポータブルな資格にして、民間にも行ける外部オプションを増やせば、思い切った政策提言が役所の中からも出てくるのではないか。
役人のくせに野党の参考人になって政府の法案にケチをつけるような奴の将来には、天下り先はないぞ。お前は、自分が出向先から「官房付」の窓際ポストに返されて、肩たたきを受けている理由がわかってないのか。このように国会の場で公然と恫喝が行なわれるのは珍しいが、こういう慣習は霞ヶ関では誰でも知っている「お役所の掟」である。私が経済産業研究所で懲戒処分を受けたのも、似たような状況だった。そのとき所内のミーティングで私を弁護した本省の同僚は次の異動でみんな左遷され、同期でトップの補佐が同和団体の窓口に異動させられた。
このように日本の官僚機構の異常に硬直的な意思決定の原因は、その硬直的な雇用慣行にある。私が研究所をやめるとき、ある補佐は「今回の騒動でRIETIは死んだ。私などは『天上がり』で来年は元の会社に戻るので自由に発言できるが、キャリアはかわいそうだ。課長の意見を忖度して、その意に沿うペーパーを書かないと、次にどこに飛ばされるかわからない」といっていた。
高木文雄元大蔵次官(国鉄総裁)にインタビューしたとき、彼は「戦前の高等文官というのは弁護士みたいにいつまでも有効な資格だったので、大蔵省で上司と喧嘩して農商務省に入りなおす、というようなことができた」という。キャリア官僚もこういうポータブルな資格にして、民間にも行ける外部オプションを増やせば、思い切った政策提言が役所の中からも出てくるのではないか。
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