ツイッターで外交官試験の「大学中退」の話を書いたら大きな反響があったので、少し補足しておこう。昔の外交官は大学3年で合格したら中退しても入省できたので、外務省のエリートには中退が多い(今は外交官試験が廃止されたので普通の公務員と同じ)。

同じように企業もどんどん青田買いをして、3年生で内定を出したら中退で入社させれば、大学を悩ませている就活の繰り上げ問題も解決する。就職が決まった学生には、4年までの授業料を払えば卒業の資格を与えればいいのだ。授業が必要な場合は、企業が残りの期間の奨学金を出して通学させればいい。

企業が大卒を入社の条件にしているのは、4年制大学に合格する学力のシグナリング機能が目的なので、むしろ「大学入学」を条件にすることが合理的だ。入試さえ通れば、文科系は1年生で就職してもかまわない。早稲田のように推薦入試やAO入試などで偏差値を水増ししている大学は「偏差値×一般入試比率」で偏差値を評価すればよい。

さらにいえば、中学校から「飛び級」にして、年齢不問で試験に合格したら進学させればいい。この点からいうと、ロースクールのような改革は逆で、むしろ昔の司法試験のように学歴不問で合格できるようにすべきだ。学歴も職業免許も、それをもっていることには意味があるが、もたない人の職業選択を規制する根拠はない。

医師も病院に勤務する場合は就職の段階でスクリーニングが行なわれるので免許は必要ないし、町医者は資格認定で十分だ。フリードマンが50年前に提案したように、すべての職業免許を廃止して資格認定にし、無免許営業を解禁すれば、人材の流動化は一挙に進み、サービスも価格も大幅に改善されるだろう。まぁ弁護士の多い民主党政権では不可能だけど。