
アウグスティヌスやトマス・アクィナスの時代の哲学はキリスト教神学の理論的体系化という傾向が強かったが、後期の中世哲学の主要なテーマは、普遍論争として知られる本質と個物の関係だった。これは神学論争ではなく、現代の論理実証主義とポストモダン的な懐疑主義の関係に似ている。前者の代表がドゥンス・スコトゥスであり、後者の代表がウィリアム・オッカムである。
近代科学がキリスト教に反抗して生まれたというのは誤解で、むしろ近代科学はキリスト教から生まれたといったほうがいい。宇宙に普遍的な法則が存在するという信念は、キリスト教以外の文明圏にはないもので、現代の科学でも証明されてはいない。今まで観測されたすべての宇宙は物理学で説明できるが、説明のつかない宇宙がどこかに存在する可能性は否定できない。
このような普遍=神への信仰が近代科学を生んだ。加速度運動を初めて数量的に観測したのは、ガリレオでもニュートンでもなく、オクスフォード大学のスコトゥスの弟子だった。彼らはすでに14世紀に、加速度と到達距離の関係を数学的に理解していた。最近のインテリジェント・デザインも主張するように、自然の規則性は神が宇宙を完璧に設計した証拠だったのである。
しかしスコトゥス学派は、自然の規則性を観測しても、その背後に個物を超えた<実在>が存在することを証明できなかった。神は自然を超えた存在なので、いくら自然を観測しても神には到達できない。それなら、そんな実在(神)は想像の産物ではないのか、と考えたのがオッカムである。この意味で彼はデカルト以降の近代哲学の始まりであり、ヒューム的な懐疑論の元祖でもある。
普遍論争は唯名論の勝利に終わったと思われているが、現代的にみて興味あるのは実在論のほうである。クーン以降の科学哲学(これはオッカムの直系だ)が明らかにしたように、科学と宗教に本質的な違いがないとすれば、人々が特定の宗教(あるいは理論)を信じるのはなぜなのか。それは単なる慣習ではなく、何かの必然性があるのではないか。パースは「アブダクション」と名づけた発見の論理の元祖をスコトゥスに求めたが、それは今も科学哲学のフロンティアなのである。
近代科学がキリスト教に反抗して生まれたというのは誤解で、むしろ近代科学はキリスト教から生まれたといったほうがいい。宇宙に普遍的な法則が存在するという信念は、キリスト教以外の文明圏にはないもので、現代の科学でも証明されてはいない。今まで観測されたすべての宇宙は物理学で説明できるが、説明のつかない宇宙がどこかに存在する可能性は否定できない。
このような普遍=神への信仰が近代科学を生んだ。加速度運動を初めて数量的に観測したのは、ガリレオでもニュートンでもなく、オクスフォード大学のスコトゥスの弟子だった。彼らはすでに14世紀に、加速度と到達距離の関係を数学的に理解していた。最近のインテリジェント・デザインも主張するように、自然の規則性は神が宇宙を完璧に設計した証拠だったのである。
しかしスコトゥス学派は、自然の規則性を観測しても、その背後に個物を超えた<実在>が存在することを証明できなかった。神は自然を超えた存在なので、いくら自然を観測しても神には到達できない。それなら、そんな実在(神)は想像の産物ではないのか、と考えたのがオッカムである。この意味で彼はデカルト以降の近代哲学の始まりであり、ヒューム的な懐疑論の元祖でもある。
普遍論争は唯名論の勝利に終わったと思われているが、現代的にみて興味あるのは実在論のほうである。クーン以降の科学哲学(これはオッカムの直系だ)が明らかにしたように、科学と宗教に本質的な違いがないとすれば、人々が特定の宗教(あるいは理論)を信じるのはなぜなのか。それは単なる慣習ではなく、何かの必然性があるのではないか。パースは「アブダクション」と名づけた発見の論理の元祖をスコトゥスに求めたが、それは今も科学哲学のフロンティアなのである。
鳩山総理なら「霊性」の問題と言うかもしれませんね(統合医療を実現する超党派議員連盟の副会長は鳩山総理)、予算にあらわれている。http://dailycult.blogspot.com/2010/03/41800.html
アメリカでは、医師免許撤廃ということが一時期ありました。しばらくして復活して、精神性(や霊性)を疑うアメリカ医師会(ギルド)が結成されました。ハーブ治療で人気だった民間療法家が逮捕されたのを契機に、代替医療ブームが過熱していきます。1992年、アメリカ国立衛生研究所の下に補完代替医療センターが設置されて現在、西洋医学と代替医療について整理されています。
ですが・・日本統合医療学会理事長の渥美和彦さんの市場原理主義批判は笑ってしまいます。講演で、「いままでは霞ヶ関が大型コンピューターで・・・」とか言い出したので、私は退席してしまいました。
私は認知科学や心理学、脳科学の時代もすぐ終わって、天皇周辺が動き出すのではないかと考えます。