最近、BSに291~298チャンネルという謎のチャンネルが増えた。ここを見ようとすると、「この放送は地デジ難視聴対策衛星放送です。一般の方は、ご利用できません」という字幕が出て、「ご案内チャンネル」をクリックすると、次のような画面が出てくる:

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これは私が前に紹介した「ホワイトリスト」による放送である。地上波でカバーできない2%の地域のために衛星デジタル放送を始めたのだが、残りの98%の地域に放送が流れると地元のローカル民放の既得権をおかすため、ホワイトリスト(難視聴世帯)以外への放送にはスクランブルをかけて、見えなくしているのだ。

こんなフタをしないで普通に衛星放送すれば、放送のデジタル化は数十億円でとっくに完了していた。それを地上波でやったため、1兆円以上のコストと10年の時間がかかり、3000億円以上の国費を投じて、それでも来年7月には500万世帯以上のテレビが「ブラックアウト」する。それを避けるには、FCCと同じように地デジ・チューナーのクーポンを配るしかないが、それにはまた数百億円の国費投入が必要だ。せめて地上波だけではなく、光ファイバーなどインフラを問わない「ブロードバンド・バウチャー」にしてはどうだろうか。