北朝鮮が突然、デノミをやって大混乱になっているようだ。このニュースを見てふと、日本でもやってみたらどうなるだろうと思った。不況になるとデノミの話が出てくるのは昔からで、福田首相や中曽根首相も提唱したが、私の提案は磯崎さんの提案の変形版だ。

マイナス金利というのはケインズも推奨した由緒ある政策だが、いかんせん「現金に課税する」というのは政治的な抵抗が非常に大きい。そこでデノミを理由にして貨幣を電子マネーだけにし、現金を廃止してはどうだろうか。たとえば2011年1月1日から新1円=旧100円とし、新円はICカードの電子マネーのみとして紙幣も硬貨も廃止するのだ。

通貨が電子化されれば、マイナス金利をつけるのは容易である。デフレによって自然利子率がマイナスになったら、数%の「手数料」を日銀が電子マネーから取れば金利はマイナスになり、資金需給が均衡する。さらに岩村充氏もいうように、電子マネーの交換レートを市場で電子的に決めれば、つねに金利を自然利子率と均等化させることができ、日銀のオペレーションが自動化できる。これによって通貨が追跡可能になれば、脱税も地下経済もなくなってGDPも上がると思うが、どうだろうか?(もちろんこれは冗談)