ブルーノート東京で、久しぶりにQuartet Westの演奏を聴いた。ヘイデンは今年72歳になるにしては、まだまだ元気だ。特に印象に残ったのは、「19歳のとき、オーネット・コールマンと初めて録音した曲」と紹介して演奏された"Lonely Woman"だ。半世紀を経て、かつての前衛曲が堂々たる古典として演奏されることに感動した。

彼は、かつてはLiberation Music Orchestraという前衛ビッグバンドを率いて、メッセージ性の強い音楽をやっていた。そのころの代表作はバンド名をつけたアルバムだろうが、私の個人的な好みはBallad of the Fallenだ。聞きやすいのは、パット・メセニーとのデュエット、Beyond the Missouri Skyだろう。Quartet Westは今年で25年やっているそうだが、最高傑作はこの"Haunted Heart"。映画仕立てで、ビリー・ホリデーの録音などを織り込んだ企画物だが、この手のものとしてもよくできている。