先週、発表されたQS.com のランキングによると、東大はアジアで3位だそうだが、世界ランキングでは19位。日本の大学は100位以内に4つしか入っていない。

それでもこれは理科系が強いからで、経済学部ランキングでは東大は世界の118位で、200位以内に他の大学は入っていない。経済学者ランキングでは、1000人中に5人しか入っていない。最高は、伊藤隆敏氏の235位。最近は経済学でも、国際学会誌に載った論文以外は業績にカウントしないという話が出ているが、その基準を厳密に適用すると、日本の経済学部で教えている教師の95%以上は業績ゼロだろう。

これは日本の経済学者の能力が低いからというより、新古典派経済学が普遍的な科学ではなく、米国ローカルの「お話」だからだと思う。理論が開発途上の時期には、宇沢氏や稲田氏のように数学科出身の人がテクニックだけで論文を書けたが、今はアメリカの大学で流行している話題に乗らないと相手にしてもらえない。しかし経済学は臨床医学みたいなものだから、国際学会で美しい論文を発表するより、日本経済の問題を診断して政策を処方するほうがずっと大事だ。