プライマリーバランス(PB)を黒字にするには、
消費税を2019年までに12%に引き上げる必要があるという「骨太の方針」の原案が論議を呼んでいるが、これでも大甘の見通しだというのがIMFの見立てだ。Economistによれば、図のように日本の政府債務は主要国で群を抜いて最悪で、保有金融資産を差し引いたネット債務でもイタリアと並ぶ。
2014年には債務はGDPの2.3倍以上にふくらむので、財政赤字を維持可能にするには、少なくともPBの赤字を半減させる必要があるというのがIMFの予測だ。この控えめな目標を実現するだけでも、GDP比14.3%の増税が必要になる。これを消費税(税率1%でGDP比0.5%)だけでまかなうとすると、約29%増税して消費税率を34%にしなければならない。
それは無理なので、当面の歳入拡大策としては、Economistもいうように租税特別措置を廃止して課税ベースを広げるとともに、定年制を廃止して老人に長く働いてもらうことぐらいしかない。日本の場合は、納税者番号などによる徴税業務の合理化も必要だが、巨額の赤字には焼け石に水だ。PB赤字が続くかぎり財政赤字の発散は続くので、長期的には次のいずれかの「外科手術」が不可避である:
追記:Inoue氏の指摘で数字を訂正した。失礼。

2014年には債務はGDPの2.3倍以上にふくらむので、財政赤字を維持可能にするには、少なくともPBの赤字を半減させる必要があるというのがIMFの予測だ。この控えめな目標を実現するだけでも、GDP比14.3%の増税が必要になる。これを消費税(税率1%でGDP比0.5%)だけでまかなうとすると、約29%増税して消費税率を34%にしなければならない。
それは無理なので、当面の歳入拡大策としては、Economistもいうように租税特別措置を廃止して課税ベースを広げるとともに、定年制を廃止して老人に長く働いてもらうことぐらいしかない。日本の場合は、納税者番号などによる徴税業務の合理化も必要だが、巨額の赤字には焼け石に水だ。PB赤字が続くかぎり財政赤字の発散は続くので、長期的には次のいずれかの「外科手術」が不可避である:
- PBの黒字化:消費税を60%以上に増税する
- 歳出の30%削減:年金給付の削減や特殊法人などの全廃
- 実質債務の削減:ハイパーインフレあるいは債務不履行の宣言
追記:Inoue氏の指摘で数字を訂正した。失礼。
>プライマリーバランスの赤字を半減させるだけでも、GDP比14.3%の増税が必要になる。これを消費税だけでまかなうと、約6%の増税になる。いいかえれば、消費税を5年後に17%に増税しないとプライマリーバランスは黒字にならない
消費税は1%あたり2兆円、言い換えるとGDP比率0.4%の税収がありますから、GDPあたり14.3%を増税する場合、約37%を増税することになります。つまり、現行税率と合わせて、税率は43%ということですね。黒字にしたければ、79%。
ここまで高税率になると、税収はラッファー曲線のピークを越えてしまうかもしれない。つまり、いくら増税しても、プライマリーバランスは黒字にできない。