公取委に追い詰められたB-CASマフィアは、デジコン委員会の中間答申で、B-CASを非営利法人に移管してB-CAS社をつぶす方向を打ち出した。ところが、それに反抗するようにB-CAS社は、秋から小型B-CASカードを導入すると発表した。この問題は新聞もテレビもほとんど報道しないため、何が起こっているのかわからない。ほとんど唯一まともな取材をしている東京新聞の先週の記事を紹介しておこう(全文は有料)。
疑問なのは、まずこの会社[B-CAS社]の独占性だ。すべての地デジ対応テレビに必要という公益性の高いカードなのに、発行しているのは一民間会社という不可思議さ。同社の財務内容は昨夏まで公告されておらず、会社法違反との指摘もあった。公共放送NHKから、役員が天下りしている点も気になる。いずれも当ブログで指摘したことだが、日刊紙に出たのはこれが最初だ。4400万人もの視聴者が、必要のないカードを無理やり買わされて個人情報を収集されている理不尽な現実を、正義の味方であるはずの全国紙が報道しないのはどういうわけか。また私に何度も問い合わせてきた民主党は、国会で質問する以上の行動は起こさないのか。この程度の問題でマスコミに対して腰が引けるようでは、政権をとっても何もできないだろう。
今年3月の参院総務委員会。B-CAS社の独占状態について質問があり、公正取引委員会は「発行が一社だけということは問題ではないが、新規参入を阻害する行為があれば独占禁止法上の問題が生じる」と答弁した。
カード発行の条件となる録画抑制の規格は、放送局や電機メーカーでつくる社団法人「電波産業会(ARIB)」が定める。こちらの常勤理事も元官僚たちだ。つまり、積もれば巨額になる集金構造がB-CAS社と公益法人の間で築かれている。この構造を支える法的根拠について総務省に尋ねると、「放送局と家電メーカーとの話し合いで決定。法的根拠はない」という。
こうした疑問の多いB-CASカードは必要なのか。驚くべきことにB-CAS社は「著作権保護が目的ならカードである必要はない」。さらに総務相の諮問機関「情報通信審議会」内の委員会では「非営利で透明性の高い法人であるべきだ」と指摘した。
とうとうというか、ほぼ時間の問題と思っていましたが、地上デジタル放送は本格運用前から衰退してきたようです
ですが、自分の考えでは地上デジタル放送は見苦しいまでも形を変えながら細々と残っていくように思います。今テレビ以外でも多様なメディアが存在しているのですから、テレビの重要性はそれほど高くありません。特になくても困らない状態になっています。それでもテレビを見たい人はいるのでそういう少数の人を満足させるメディアとして残っていくのではないでしょうか。
用意周到にテレビを準備して、地上デジタル放送を受信できる状態にある人はB-CASでガチガチに固められた放送を今後とも見ると思いますが、自分はメディアは多様な情報を流すことが重要だと感じています。地上デジタル放送に今後とも多様な情報は望めません