ニューズウィーク日本版で、「映画ザ・ベスト100」のリストを紹介している。アメリカの映画関係者が選んだものなので、ハリウッド映画に片寄っているが、連休にDVDを借りる参考になるかもしれない。このリストのうち80本以上見たが、私のベスト10はかなり違う:
  1. 博士の異常な愛情
  2. タクシー・ドライバー
  3. 戦艦ポチョムキン
  4. 大列車追跡
  5. パルプ・フィクション
  6. 勝手にしやがれ
  7. ストレンジャー・ザン・パラダイス
  8. ブルー・ベルベット
  9. 真夜中のカーボーイ
  10. カッコーの巣の上で
1は文句なしのトップで、「2001年宇宙の旅」より映画としておもしろい。あとは順不同だが、この種のリストでいつもトップになる「市民ケーン」は、何がいいのかちっともわからない。「ワンカット・ワンシーン」の技法は溝口のほうが早いし、作品の完成度も高い。映画史上の重要性なら、3には及ばない。4のキートンは、日本ではチャプリンに比べてまったく人気がないが、私はマルクス兄弟とともにほとんど全作品を見た。現役の監督で全作品を見たのは、5のタランティーノと7のジャームッシュだ。ついでに邦画も:
  1. 肉弾
  2. Wの悲劇
  3. ゆきゆきて、神軍
  4. 羅生門
  5. 仁義の墓場
1は中学生のとき見て、いまだに邦画ベスト1だ。戦争の哀しさを、一人の学徒兵の目で淡々と描いている。3はドキュメンタリーだが、戦友の戦争犯罪を戦後40年以上たってからカメラを持って追及する暴走ぶりがすごい。深作欣二のやくざ映画も、学生時代にほとんど全部見た。5は「仁義なき戦い」の翌年の作品だが、完成度はこっちのほうが高い。