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ジョン・テイラーの金融危機についての分析がWSJに出ている:
  • 今回の金融危機について、9/11のような特別委員会をつくって調査すべきだ。その場合、もっとも追及すべきなのは政府の失敗だ。今回の危機は、政府とFRBが作り出し、長期化させ、悪化させた。

  • FRBは2003年から2005年までFF金利を適正な水準より低くした。これが住宅バブルをもたらしたことは疑いない。ファニー・メイとフレディ・マックが住宅融資を拡大しすぎたこともバブルの重要な原因だ。

  • 問題が起こってからの対応もまずかった。2007年夏にサブプライム危機が表面化したあと、FRBはTAF(Term Auction Facility)など流動性を供給する制度を整備したが、これは問題を見誤っていた。根本的な問題はカウンターパーティ・リスクだったので、単なる流動性の供給では問題は解決しない。銀行のバランスシートの健全化が必要だった。2008年はじめに議会を通過した1000億ドルの減税も、まったくナンセンスな政策だった。

  • 一般には9月15日のリーマンブラザースの破産が危機の引き金だと思われているが、この日は金利スプレッドは広がったが、前年とそれほど変わらず、週末には戻した。スプレッドが大きく広がったのは翌週、上院のTARP(Troubled Asset Relief Program)についての審議にバーナンキとポールソンが呼ばれてからだ。彼らの混乱した証言で、市場は当局に一貫した方針がないことを知ったのだ。

  • 政府の介入は、明確な方針と予測可能な枠組にもとづいて行われなければならない。ろくに説明もしないで、アドホックに大量の金をばらまくのは、事態を悪化させるだけだ。
日本の90年代もそうだったが、金融危機で本質的な問題はliquidityではなくsolvencyである。銀行が実質的に債務超過になっているとき、流動性をいくら供給しても、一時しのぎにしかならない。結果論を承知でいえば、ベア=スターンズのあと他の投資銀行にも資本注入して、支払い能力を回復させるべきだった。