谷公士人事院総裁を更迭せよ

自民党の菅義偉氏が、「麻生太郎首相の主催する会合に来ないような[人事院]総裁には辞めてもらわないといけない」とのべたそうだ。当然である。谷総裁が国家公務員制度改革推進本部の会議への出席を拒否して流会にしたのは、オール霞ヶ関の意を受けた改革ボイコットだ。ここで甘い顔をすると、自民党は官僚になめられ、公務員制度改革は挫折するだろう。

人事院は、ほんらい中立的な立場から公務員の賃金を決める機関だ。そのために独立行政委員会とされ、人事官も民間から採用される。ところが、いつのまにか官僚に換骨奪胎され、谷氏のような天下り官僚が「渡り」で人事官にもぐりこみ、人事院総裁になった。今や人事院は、官僚による官僚のためのお手盛り賃上げ機関である。この機会に谷氏を更迭し、政治主導で霞ヶ関を改革する意志を示すべきだ。これは任命権者である麻生首相が、リーダーシップを発揮するチャンスである。

追記：菅氏はフジテレビの番組で、「本来なら罷免すべきだが、（法律上）できないので辞任を要求する」とのべたそうだ。

Comments

[1. くず]

人事院総裁
いや、だから、人事院総裁は「国会同意人事」ですよ。
だから、更迭はしたいけれども「民主党」次第では空席になってしまう。
それが避けたいから、「順延」しているだけでしょう。
予算が通ったら公務員改革は再起動すると思います。

[2. チュー新井]

昔陸軍　今霞ヶ関？
今の政治状況は、霞ヶ関からは戦前の軍部大臣現役武官制の状況に近いように見えます。麻生内閣を倒閣するのは、民主党ではなく霞ヶ関なのかもしれません。

[3. スポンタ中村]

麻生氏の評価。
おっしゃるとおり、麻生氏がリーダーシップをとるべきだと思います。
対する小沢氏は、郵政民有化を白紙に戻すことを公約にしたらしい。ということは、小泉郵政選挙の結果を否定すること。ここにおいて、小沢氏は、「民営化」の必然に抗することを表明。これでは多数の信任を得られないと考えます。彼の言うような、春先の選挙はありえない状況が、より明確になっているのではないでしょうか。

[4. ななし]

ウィキペディアの経歴見てみたら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B0%B7%E5%85%AC%E5%A3%AB
この人スゴイとしか言いようがないですねえ・・・
天上がりの構造が、元最高裁判事の横尾氏と同じですね。ひでえもんだ。

[5. Taro]

更迭？
自分から辞めない場合、弾劾裁判が必要になるのでは？　あるいは国家公務員法の改正が必要に？

[6. ジョニー]

敵失！
いよいよ霞ヶ関も、形振り構わず国家公務員制度改革潰しに出てきましたね。　それとも、正反対に国民をなめきってしまっているのか？
池田先生がご指摘の通り、麻生総理にとっては、まさに千載一遇のチャンスだ。これを正しく「敵失」と捉え、国民を愚弄する霞ヶ関に断固たる態度を取ることで、国民が戦うべき相手がダレなのかを明示することができる。
これを敵失とし、得点を取りに行けないようでは、さらなる国民の失望を招くだけだ。

[7. DD]

こんな意見もありました
人事院総裁が拒否するのは当然
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-4a78.html
議論が深まるのは良いことなのでしょうけど・・

[8. 池田信夫]

Re: こんな意見もありました
＜公務員に労働協約締結権が認められれば、人事院などという組織が独立の機関として存在する根拠は消滅します。多分公務員にスト権などということにはなり得ませんから・・・＞
こういう思い込みが間違ってるんですよ。
＜国家公務員の労働基本権拡大を二〇一二年までに実施する＞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/143469.html
したがって天下り教授の論理を認めるとしても、「独立の機関として存在する根拠は消滅」するわけです。そもそも改革推進本部の会議は、こういう問題を協議する場なのだから、話し合いを拒否するのは言語道断です。これだけでも首相が辞任を求める理由になるでしょう。別に法的な権限を振り回す必要はない。

[9. Taro]

まったく木を見て森を見ない
総論を各論で否定しようとするのは、総論が妥当なら無理なはなしです。各論での問題点は解決すれば良いだけだから。小さい政府にして減税にできるようにする方向にどんどん改革してほしいものです。

[10. akasaka_moon]

このような人物を人事院総裁に任命した自公内閣の責任は重大であると思います。

[11. なあお]

谷公士は、まさに国賊としか言いようがないね。
＞人事院総裁が拒否するのは当然
なにが当然なのか。
単に、自己の正当性に、こじつけているしか見えない。
日本国のために、省があるのではなく、
省のために日本国があるかのようである。ムラですか。
増税となって、わが身に降りかかってきてまで、
国民は、そこまでして、官僚を、養いたいんですかね？
とにかく、自分は偉いというプライド”だけ”残って、使えない、実力のない人は退場してほしい。
日本の国力を低下させるだけだから。

[12. rabbit125cc]

確かに！
麻生さんが後世に残せる唯一の業績になるかもしれませんね。しかし、官僚が腐敗しているのはもう一つの問題があります。日本人の３大義務の一つである教育が有料で行われている現実が、格差に拍車をかける事は、既にアメリカで立証されているにもかかわらず放置した事が日本の今のあらゆる問題に発展しているように思います。
義務であるはずの教育でお金を貰うのはそもそも矛盾しませんか？無料で勉強できる国が無いと言うのなら、「それは無理だ」ってのが通るけど事実ある。
現在の中学教育の現場では、塾を基本に考え宿題を出さない。塾の勉強が大変だからだそうだ＾＾；
学生運動が起こった頃はまだまだ教育産業が今ほど巨大な権力を持たず、学校以外での有料の教育は稀であった。当然、各階層の子供達が交じり合い様々な考え方があった。
私の様な無学な者は、自分で努力しなかった結果ですが、現代の子供達は違います。教科書を読んでみてください。何故参考書より解りにくいのか？何故慶応の学生の20％以上が分数の足し算が出来なかったのか？基本を教えずテクニックに走り、心の中身は置いておいて、受験を勝ち抜く力の強さだけで採用をしてきた官僚制度をもし維持するなら、教育システム全体を見直し、有料の教育に頼らない公の教育を確立する事が早道の様な気がします。
大人が子供に教育する事。それがこの国のルールのはず・・・。

[13. 池田信夫]

谷氏の言い分
谷氏の主張は
（１）公務員の労働基本権が制約されている現状では使用者が給与を決めることになる
（２）政府の機関に移すと公務員の中立・公正性を定めた憲法１５条に反する
とのことですが、奇怪な論理ですね。内閣人事局に移管されるのは、人事院の機能のうち
（１）省庁別に給与水準別の職員数を定めた級別定数の管理
（２）職員の任用、研修、試験に関する企画立案
で、労働基本権とは関係ない。それに労働基本権の付与が必要だというなら、「人事局への統合と同時に労働基本権を与えるべきだ」と主張するならわかるが、いっさい改革を認めないというのは筋が通らない。そもそも天下り官僚の谷氏が総裁をつとめる人事院が、「中立・公正」な立場で公務員の待遇を決めることができるのか。谷氏の存在そのものが憲法違反だ。

[14. tanakac]

テレビのあつかい
しかし見事なくらいテレビは谷氏のこと取り上げませんね。こんな「渡り」の典型とも言えるお人を？田母神氏の時とはエラい違いです。中央の役人になるんだったら総務省に限りますね。
ただこの人一度死んでも民主党が政権とったらまたゾンビようによみがえるかもしれません。

[15. tac]

谷氏の天下り先で一緒にお仕事をさせていただいたことがあります。
職場でご一緒したころは、初老ながらイギリス風の細身のスーツを着こなし、あまり余計なことを語らない、真面目そうな方だなあという印象でした。
ところが、役員就任９ヶ月目で突然の辞任発表。
説明も無かったので、お病気なのか･･･と思っていたら、数日後に人事官に就任されたと報道があり、一堂唖然。
後日、当時人気絶頂の小泉さんの招聘で断れなかった事情があったと風の便りに聞きましたが、上場会社の役員を任期満了することなく、しかも株主総会も待たずに勝手に辞めるなんて度胸があるなあと（笑）。

[16. infantrytank]

そんなことが
　霞ヶ関にいますが、普段公務員制度改革のことが職場で話題になることは、はっきり言ってありません。省庁によるのかもしれませんが。それにしても、こんなことになっているなんて・・・。政令のことといいえらいことになっている気が。
　
　個人的な感覚としては、公務員に、労働三権の付与なんて現実的とは思えないです。私も、所属する省庁に関連する組合（官公労）に所属してはいますが、月に、決められた組合費を払っているだけで、組合員として活動らしいことはしてないです（それでも、去年のメーデーの際には弁当が出ると言うことで参加はしましたが（笑））。
　このまま労働三権が付与されれば、ある種の活動家みたいな、時代をわきまえない人間が公務員のあるべき姿を、なおさらゆがめてしまうのでは、と懸念しております。とくに地方の分会と呼ばれる小さな単位になればなるほど、団体交渉権を悪用して、声のでかいやつに振り回される傾向にあるようで心配です。

[17. フレモン]

シベリアンコントロール
選ばれし国会議員（文民)のコントロールが利かないのは、シベリアンコントロールが利いていない状態だと思う。一般的に軍隊に適用される概念の一つかもしれないけれど、フレモンの概念では、法律と言う約束を扱う三権の内、国民による選挙で選ばれるのは国会議員なので、立法府が文民だと思っています。タモガミ氏は思想信条は自由だったけれど、ちゃんと命令は聞いていたと思う。今回のそれは明らかに違うので、処分しても良いのだと思います。文民の名において、コントロールは利かせなければ成らない事ではないでしょうか。たとえ本人に何条違反だと言っても違うと言うかもしれませんが、犯罪者はいつでも違うと言うものです。一般的な取り扱いで良いのではないでしょうか。

[18. 閑話ノート]

要するに政府・自民党は谷総裁に舐められているということでしょう。甘利行革相にしたって甘い。
池田先生ご指摘のように、曖昧な決着をつけると公務員制度改革は進まないでしょう。

[19. たまねこ]

麻生内閣の自作自演
おかしいと思いませんか。各省の抵抗にあい天下りを十分に規制できなかったような弱小官庁の人事院に、オール霞が関をまとめるような力があるのでしょうか？今回の一件は麻生内閣を改革派として演出する自作自演のシナリオなのです。
人事院は、公務員政策に問題があれば、それがたとえ内閣の政策であったとしても反対せざるをえません。これが中立機関としての使命なのです。今回の場合は、憲法違反の可能性がある以上、当然の行動です。
麻生内閣は、国民の公務員不信を煽り、反対を承知の上で無理な要求を突きつけ、抵抗勢力に立ち向かう改革派、リーダーシップのある内閣を、選挙目当てに演出しようとしているのです。
ところが、これにはさらに裏があって、実は、麻生内閣も総務省人事恩給局からの出向組に牛耳られている行革推進本部事務局の官僚の書いたシナリオに乗せられているに過ぎないということです。今回の改革でもっとも利益を得るのは総務省から独立し内閣人事局に衣替えして人事院の機能を奪い、組織、権限が拡大する行革事務局こと総務省人事恩給局です。人事恩給局は旧総務庁の中核であったが、旧自治省、郵政省とともに総務省に統合され、主流を外されていたのです。
そもそも、国家公務員制度改革基本法の趣旨は、政治主導、縦割り行政打破のための幹部公務員の一元化であり、労働基本権の代償措置として一般の公務員を担当する人事院にまで手広げる必要はありません。これは単なる行革事務局・人恩局の組織拡大に過ぎません。
どうしても人事院の権限が必要というのであれば、公務員の労働基本権の制約を撤廃し、現在の「人恩局（使用者側）－人事院（労働者の代弁）」の体制を廃止してから行うのが筋なのです。公務員に労働基本権を認めていないのは世界的に見ても日本ぐらいなのですから。でも、これをやってしまうと人事院だけでなく人恩局も解体されてしまうおそれがあるからやりたくないのです。
このような官僚言いなりの麻生内閣では、「渡り」を容認しようとするなど本質的な改革は全くできません。ましてや、100年に一度の公務員制度改革などとてもできないでしょう。リーダッシップもなく国民の支持率が低く正当性のない内閣が、官僚機構という国家の基本を下手にいじくると、政治家の口利きや縁故採用が横行したり、政治家と官僚の癒着が深まるなどとんでもない方向に進み、国家の衰退につながります。
ところで、官僚はしたたかです。政治家を騙せるぐらいですから、新聞記者など簡単に騙せるのです。今回のように珍しく官僚機構の自浄能力として弱小人事院が機能を発揮したとしてもそれを悪者に仕立てるよう記事をかかせてしまうのです。真実を追究するより、おもしろおかしい記事を書こうとする記者にもあきれますが。我々も新聞情報を鵜呑みにしないように気をつけないと行けません。
〈おもしろい記事がありましたので参考までに〉
http://diamond.jp/series/machida/10062/

[20. 暇な人]

人事院を解体して、作り直し。
中小零細企業まで含めた平均賃金で算出し、ボーナスは国家の財政収支で判断してもらいたいものです。
警察、軍、教師と高級官僚には今レベルか、
場合によってはそれ以上あげてもいいと思いますが、
事務員やバスの運ちゃんにそれだけやることはないですよね。
ゴミ回収もいまだに行政がやっているところがある。あれ民間のゴミ清掃会社さんがやれば、
人員を三分の一にして(役所は三人がかり)
一人当たりの人件費は半分にできます。
多少車が増えるでしょうが、それでも何分の一かですみます。