わが家にも、ようやく光ファイバーがやってきた・・・のだが、取り付けられなかった。屋内配線が壁に埋め込まれているため、ファイバーを管路に通す工事ができなかったのだ。工事の人によると、「こういうケースは1日3軒ぐらいある」という。「VDSLにはできないの?」ときいたら、「6世帯以上じゃないとだめなんです」とのこと。

前から当ブログでも書いていることだが、NTTの「光ファイバー原理主義」は、いい加減に改めたらどうか。わが家のような家は多いし、そもそもFTTHの計画が2000万世帯なのだから、あとの3000万世帯の銅線は巻き取れない。地デジのように銅線のサービスを強制的に停止する法律でもつくらないかぎり、銅線と光は半永久的に併存するから、保守要員も両方ずっと必要だ。ADSLでも最大50Mbps出るから、100Mbpsの8分岐と実効的には変わらない。ビジネス的には、FTTHはほとんど無意味といわざるをえない。

常識的には、銅を光に変えるより、BTのように交換機を全部ルータに換えるほうがはるかに簡単で節約効果が大きい。それなのにNTTは、普通のルータではなく「NTT」のロゴのついた高価なNGNのエッジルータに変えようとしているから、IP化が進まない。しかも、このエッジルータの中身はほとんどシスコだ。そのNGNも、「1日に1件ぐらい問い合わせがあるだけ」という状態では、経営的には意味がない。

「結局、うちの場合は無線しかないんですか?」ときいたら、「そうですね。無線なら工事もいらないし、簡単です」と彼は明快に答えた。モバイルWiMAXにはいろいろ問題があるようだが、固定無線と割り切ればWiMAXは使えるので、NTTもFTTHにこだわらないで、WiMAXや802.20などを使った公衆無線に力を入れてはどうだろうか。

ただ、この種の無線は大きな帯域が必要だ。モバイルWiMAXも、20Mbpsというのは20MHzを占有した場合の理論的な最大値で、KDDIの実証実験では8Mbps程度しか出なかった。さらにユーザーが増えるとスループットが落ちるので、現状ではDSL程度だ。したがって光ファイバーと競争するアクセス系としては、少なくとも50MHzぐらいは必要だろう。これはとんでもない帯域のようだが、ホワイトスペースには全国平均で200MHz以上あいている。

NTTの戦略も、見直しが必要だ。FTTHやNGNのような「デラックス路線」をやめ、まず交換機を(普通の)ルータに換える作業を急ぎ、固定無線で銅線を巻き取る戦略を考えてはどうだろうか。このためには、もちろん周波数を大幅に開放し、オークションに近い方法で有線・無線の設備競争を実現する必要がある。それには規制改革も必要だ。NTTがアクセス系を含めたすべての管路を「インフラ会社」に分離すれば、残りのサービス会社は全面民営化し、非対称規制を廃止すべきだ。「情報通信法」が実現すれば、おのずとそうなるだろう。