道路特定財源がでたらめに使われていたことは周知の事実だが、同じく特定財源である電波利用料が、総務省職員の映画鑑賞やボウリングなどに(少なくとも4000万円)使われていた、と民主党が指摘した。これは携帯電話利用者が年間420円払っている事実上の「税金」であり、総額650億円にものぼる。

テレビ局は、電波利用料を1%以下しか負担していないのに、これを2001年に地デジのアナアナ変換に流用した。このときは通信事業者が強く反対したが、総務省が「10年後にはVHF帯の電波を止める」という電波法改正を行なって強行した。しかも、これは有効利用すればするほど料金が上がる逆インセンティブになっており、総務省が勝手に使える特定財源になっていることも大きな問題だ。

電波利用料は、「貴重な電波をタダで割り当てるのはおかしい。先進国では常識になっている周波数オークションを行なうべきだ」という経済学者グループなどの提言に対応して、オークションの代わりに「電波妨害対策」などの理由で集めることにしたものだ。それが携帯の普及で予想以上にふくらんだため、地デジに流用したり、役所のリクリエーションに使われるようになったわけだ。

これは「2011年問題」ともからんで重要だ。ASCII.jpにも書いたように、2011年の段階で5000万台以上残るテレビを地デジ対応にするためには、3000~4000億円の財源が必要だからである。しかし今度は、これを電波利用料から流用することは、通信業者が許さないだろう。本来は周波数オークションを行なうことが望ましいが、それができなくても、新規参入業者に「ホワイトスペース」を開放して補償金や電波利用料を徴収すれば、コストをまかなうことは可能だ。

この場合も電波収入は(欧米のオークション収入と同様)一般財源にすべきだ。道路財源でもわかったように、特定財源は役所が勝手に使う「埋蔵金」になりがちだからである。2011年問題は、電波政策を抜本的に転換するチャンスだ。民主党は、道路財源なみのエネルギーで、徹底的に追及してほしい。