グーグルのRick Whittが書いた公開書簡がFCCのサイトで発表された。

技術的に注目されるのは、テレビ局に「信頼性がない」と難癖をつけられた最新技術spectrum sensingを使わなくても、ホワイトスペースが使えると主張していることだ。これは要するに、「どの地域ではどの周波数が空いているか」という詳細なデータベースを参照して周波数を切り替えるという、テレビ局のオヤジにもわかる原始的な方法だ。

しかも、この書簡を700MHz帯の周波数オークションで「負けた」直後に出すところがおもしろい。まるで「Verizonはねらい通りCバンドを93億ドルという高値で買ってくれたから、われわれは無料のホワイトスペースを使うよ」と嘲笑しているかのようだ。次の結論部分などはなかなかの名文だから、原文で味わってください(特に総務省のみなさんには):
In short, FCC rules should specify only what is allowed, not how that result is to be achieved, or by whom. Much like the Internet itself, the agency’s specifications should as much as possible enable “innovation without permission".
こういう論争は、初めてではない。2002年にFCCのSpectrum Policy Task Force[PDF 575KB]で「コモンズ派」と「財産権派」の大論争が行なわれたのだが、結果的には「5GHz以上をコモンズ派に渡す」という妥協案にだまされてしまった。5GHz帯というのは、公衆無線にはとても使えない。

今度はUHF帯という「プラチナバンド」をねらって、テレビ局を正面突破する闘いを、世界最強の企業が開始したわけだ。エリック・シュミットの「インターネットが負けるほうに賭けるな」という言葉が正しいとすれば、今度こそグーグルが勝つかもしれない。それは財産権によって自由を守る近代社会から、情報や帯域を無限に供給して共有することによってイノベーションを生み出す、未来社会への最初のステップになるのだろうか。