不良債権処理策についての122人の経済学者の議会への公開書簡が、シカゴ大学のウェブサイトで発表された:
経済学者として、われわれは今回ポールソン財務長官が議会に提案した金融危機への対応策に懸念を示すものである。われわれは現在の危機がきわめて困難なものであることは理解しており、金融システムが機能するためには大胆な行動が必要であることにも合意する。しかし、この案には以下のような深刻な問題がある:
  1. 公正さ:この案は、納税者の負担で投資家に補助金を出すものである。投資家は利益を得るとともに、損失を負担しなければならない。企業の破綻がシステミック・リスクをもたらすとは限らない。政府は特定の企業を救済するのではなく、金融システムが正常に機能するようつとめるべきである。

  2. 曖昧さ:新しく設置される機関の目的も、それを監視するしくみも明確でない。納税者が不良債権を買うなら、買収の条件、理由、方法が事前に明示され、事後的にも検証できるようにすべきである。

  3. 長期的な効果:この案が実施されれば、その効果は一世代ぐらい続く。最近は問題を抱えているが、アメリカのダイナミックで革新的な資本市場は、この国に大きな繁栄をもたらした。短期的な問題に対応するために資本市場を規制によって弱体化することは、近視眼的である。
署名者には、以下のような著名な経済学者が含まれている:

  • Acemoglu, Daron (Massachussets Institute of Technology)
  • Harris, Milton (University of Chicago)
  • Hart, Oliver (Harvard University)
  • Heckman, James (University of Chicago - Nobel Laureate)
  • Kashyap, Anil (University of Chicago)
  • Levine, David K.(UC Berkeley)
  • Scharfstein, David (Harvard University)
  • Stokey, Nancy (University of Chicago)
  • Zingales, Luigi (University of Chicago)