池尾和人氏を日銀審議委員とする人事案に、民主党が不同意の方針を正式に伝えた。政府は、これを受けて人事案を撤回する。いったん同意した民主党が方針をひるがえしたのは、統一会派を組んでいる国民新党が、郵政民営化の恨みを晴らそうと池尾氏の人事に反対したためだ。

民主党は、恥ずかしくないか。これからも、こんな程度の低いミニ政党に振り回されて、政策より政局を優先し、金融政策を政治のおもちゃにするのか。先日は「民主党の農業政策はバラマキだ」という当然のことを言った前原誠司副代表に、党内の「農水族」が退場勧告を出すなど、派閥抗争だけは自民党も顔負けだ。

もともと小沢一郎氏や旧社民党の大衆迎合路線と、前原氏などの自由主義路線は、思想的には対極に位置するものだ。日本の政治の最大の欠陥は、与野党の対立軸がはっきりせず、政局的な機会主義で政策が決まることだ。この際、前原氏が民主党を離れ、小泉元首相や小池百合子氏などと一緒に新党をつくれば、意外に多くのまともな政治家がついてくるのではないか。