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クリス・アンダーソンの新著"Free"のプレビューがWiredの最新号に出ている。基本的な考え方は、前に紹介した「過剰の経済学」をくわしく展開したものだ。彼によれば、"free"には6つの類型がある:

  1. Freemium:基本サービスは無料としてプレミアムで課金する
  2. 広告:ウェブ上の評判(ページランク)を売る
  3. 内部補填:携帯端末を「0円」で売って通話料で回収する
  4. 共有:P2Pのように原価が無料のものをシェアする
  5. 協働:DiggやYahoo Answersのように互いに労働を提供する
  6. 贈与:オープンソースのように無料で与えて名声を得る
すべての基礎にあるのが、「価格は限界費用と均等化する」という経済学の原理である。ムーアの法則によって計算資源の価格が極小化したサイバースペースでは、情報の限界費用(複製費用)はゼロだから、その価格も遅かれ早かれゼロになる。競争が働く限り、それを避けることはできない。商品と価格が1対1に対応するという伝統的な市場のルールを、新しい経済原則が破壊してゆくのだ。