WSJによれば、アメリカのCAFC(日本の知財高裁にあたる裁判所)は、いわゆるビジネス方法特許について「実用的な応用が可能で、コンピュータなど特定の技術にリンクしていることが必要で、思いつきだけの特許は認めない」という判決を出した。これは1998年にCAFCが初めてビジネス方法特許を認めて以来、その範囲を初めて明確にせばめる画期的な判決である。

4月には連邦最高裁が「先行特許の自明な組み合わせによる特許は無効」という判決を出し、これまでプロ・パテントの方向に強まる一方だった知的財産権の保護を弱める方向に転換するものとして注目された。9月には、世界各国から批判を浴びていた特許の先発明主義を他国と同じ先願主義に転換するとともに、いったん成立した特許を見直す制度を創設する特許法改正案が下院で可決された。

現在のアメリカの特許制度は泥沼化しており、自明で広範囲の特許を取ったまま使わず、他社が似たような技術を開発したら訴訟を起こしてロイヤルティを脅し取る、SCOのようなパテント・トロールが大量に出現し、特許制度への信頼をゆるがせている。来年、政権が民主党に移れば、さらにアンチ・パテントの方向に進むだろう。

すでに欧州では、2005年に欧州議会がソフトウェア特許についてのEU指令を否決するなど、今やイノベーションを阻害する制度に成り下がった特許制度を見直すのは世界的な潮流である。1周遅れで、世界の流れに逆行してプロ・パテントの「知的財産戦略」を国策として進めているどこかの国は、こういう動きをよく見てほしいものだ。