新品はタダでもらえるが、それを中古品市場で数百億円で売れるものをご存じだろうか。電波の免許である。周波数は、最初に割り当てるときは美人投票とよばれる書類審査によって、政府が事実上タダで割り当てるが、その割当を受けた会社は、企業買収という形で免許を高く売れるのだ。きょう報道されたNextWave(*)によるアイピーモバイルの買収は、そういう話だ。
実は、こういう闇市場(上品に表現すればsecondary market)は、電波の世界には昔から存在する。かつて全国にたくさんあったポケットベルの会社がどうなったか、ご存じだろうか。ほとんどは携帯電話会社に買収され、その周波数はドコモやKDDIに使われているのだ。ソフトバンクのボーダフォン買収も、形式的には企業買収だが、実質的には免許の買収だ。
闇市場は、相撲の親方株や個人タクシーの免許など、他の業界にも昔からあるが、こんな方法が通るのなら、美人投票は意味がない。アイピーモバイルが免許を取ったときは、他の事業者との比較審査で選ばれたわけだが、新たに経営者になるといわれるNextWaveは審査を受けていないからだ。これは森理世さんが受けたミス・ユニバースの称号を他の人が買収するようなものだ。
こういう奇妙な現象が起こるのは、日本の電波政策がいまだに行政の裁量で電波利権を配給する電波社会主義を続けているからだ。官僚がいくら入念に審査しても、情報の非対称性があるかぎり、アイピーモバイルのようなモラル・ハザードは防げない。(公式の)第一市場がないのに第二市場があるというのは、ロシアやイタリアなどのマフィア経済の特徴だ。これ以上、電波資源の配分をゆがめないためにも、周波数オークションを含めた電波政策の抜本改正が必要である。
(*)このNextWaveも、周波数オークションで免許は取ったものの資金繰りが行き詰まって、いったん破産した企業だ。くわしい解説は、そのうち海部美知さんから出るだろう。
実は、こういう闇市場(上品に表現すればsecondary market)は、電波の世界には昔から存在する。かつて全国にたくさんあったポケットベルの会社がどうなったか、ご存じだろうか。ほとんどは携帯電話会社に買収され、その周波数はドコモやKDDIに使われているのだ。ソフトバンクのボーダフォン買収も、形式的には企業買収だが、実質的には免許の買収だ。
闇市場は、相撲の親方株や個人タクシーの免許など、他の業界にも昔からあるが、こんな方法が通るのなら、美人投票は意味がない。アイピーモバイルが免許を取ったときは、他の事業者との比較審査で選ばれたわけだが、新たに経営者になるといわれるNextWaveは審査を受けていないからだ。これは森理世さんが受けたミス・ユニバースの称号を他の人が買収するようなものだ。
こういう奇妙な現象が起こるのは、日本の電波政策がいまだに行政の裁量で電波利権を配給する電波社会主義を続けているからだ。官僚がいくら入念に審査しても、情報の非対称性があるかぎり、アイピーモバイルのようなモラル・ハザードは防げない。(公式の)第一市場がないのに第二市場があるというのは、ロシアやイタリアなどのマフィア経済の特徴だ。これ以上、電波資源の配分をゆがめないためにも、周波数オークションを含めた電波政策の抜本改正が必要である。
(*)このNextWaveも、周波数オークションで免許は取ったものの資金繰りが行き詰まって、いったん破産した企業だ。くわしい解説は、そのうち海部美知さんから出るだろう。


