マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実JR東日本が、松崎明をリーダーとする革マル(JR東労組)に乗っ取られている実態を明らかにした『週刊現代』の連載をまとめた本。関係者には周知の事実だが、それがようやく講談社という大手出版社から出たことが画期的だ。

私の学生時代にも、私が部長だったサークル(社会科学研究会)で、革マルのメンバーが内ゲバで4人も殺された。念のためいっておくと、社研は(東大教授の)吉川洋氏も部長をつとめたアカデミックなサークルで、私自身も党派と無関係だったが、当時は革マルが駒場を拠点にしていたため、中核と革労協にねらわれたのだ。

この事実からもわかるように、革マルは内ゲバの被害者になることが多く、武闘集団としては大して強くない。その組織実態も数百人であり、資金的にも朝鮮総連といい勝負だろう。それなのにJR東日本のような大企業が彼らのリンチを放置し、松崎が会社や組合の金を横領してハワイに別荘を建てるのを黙認し、それを批判する週刊誌を駅の売店から引き上げるといった常軌を逸した対応を行なうのは、革マルが命をねらうテロリストだからだろう。

警察も、こうしたテロを本気で捜査してこなかった。極左集団どうしが殺しあうのは(堅気の人が誤爆されないかぎり)手間が省けていいし、彼らを社会から孤立させるからだ。これは一時期までの暴力団への対応と同じだが、こうした日本的な「テロとの共存」は、もう許されなくなった。世界的なテロとの闘いの一翼をになう安倍政権の意を受けて、警察も強制捜査を始めたが、本丸の松崎にはまだ捜査の手は及んでいない。

救いがたいのは、命がけでこういう報道を行なうのが週刊誌だけという現状だ。かつて暴力団の撲滅キャンペーンを張った新聞は、何をしているのか。