アメリカで来年行なわれる予定の700MHz帯の周波数オークションについて、グーグルがFCCに提案を行なった(パブリックコメント)。2種類の方式を例示しているが、一つはグーグルがその検索スペースをオークションで売っているように、FCCが空いた帯域を小口で売るものだ。たとえば「722-3MHzを6月1日から1ヶ月」というように、帯域をFCCのウェブサイトでオークションにかけ、最高値を出したサービス業者がその帯域を使う。

これは彼らも引用しているように、12年前にEli Noamが提案した"Open Access"とほぼ同じものだ。当時、この提案はほとんど笑い話だった。「帯域を動的に割り当てて電子的に決済する」というのが非現実的だったからだ。しかしグーグルのように強力なオークション・システムができて、現実味を帯びてきたのかもしれない。こうした「帯域の市場」は、有線のインフラでは実現している。

ただ気になるのは、これが「財産権モデル」の変種であることだ。スペクトラム拡散技術を使えば、デバイスで動的に周波数を配分できるので、そもそもオークションの必要はないのだが、FCCがオークションをやると決めた以上はその範囲で考えるということか。グーグルは同時に、免許不要のホワイトスペースについての新提案もしている。