きのうのICPFセミナーの国分さんの話でおもしろかったのは、韓国の話だった。昨年末、「情報通信網の利用促進及び個人情報保護等に関する法律」が改正され、今年7月から1日の利用者が10万人を超えるウェブサイトにコンテンツを掲載するには、本人確認(住民登録番号の入力など)が必要になる。事実上「匿名掲示板」は運営不可能になるわけだ。

これまでも韓国の大手ウェブサイトでは、本人確認しないと書き込めないようになっていたが、それでも個人攻撃のメッセージが多く、人気歌手がネット上の中傷が原因で自殺したとみられる事件も起こった。今度の「匿名規制」でこうした問題が根絶できるかどうかについては、感情の起伏が激しい国民性の問題もあり、悲観的な意見が多いようだ。

これに比べると、日本はまだましという感じだが、池内ひろ美事件では、ネット上で本人や娘の悪口を書くだけでなく、ラジオ出演する放送局にまで妨害メールを出し、果ては講演先を「教室に灯油をぶちまき火をつける」と脅迫した男が逮捕された。日本では、こういう問題は2ちゃんねるに集中しているが、国分さんによると、最近は2ちゃんねるも警察の手入れを恐れてか、違法とみられる書き込みに強硬な「警告」をするようになっているという。

しかし警察が介入できるのは、犯罪に関係する極端なケースだけで、大部分の「いやがらせ」には違法性はないので、規制では解決できない。こういう「匿名の暴力」は、基本的には文化の成熟度の問題だろうが、どうすれば歯止めがかけられるのだろうか。23日のシンポジウムでは、こうした問題も議論したい。