NHK受信料の支払いを義務化する放送法の改正案が、通常国会に提出されることが決まった。菅総務相は「受信料を2割下げろ」と言い出して、NHKの橋本会長は「それは無理だ」と当惑しているようだが、今の体制のままで2割以上値下げする簡単な方法がある。

NHKでいちばんコストのかかる番組は何かご存じだろうか?それは大河ドラマでもNHKスペシャルでもなく、ローカル番組である。NHKスペシャルの番組単価は、平均して1本5000万円(人件費こみ)ぐらいだが、1時間のローカル番組は最低でも200万円ぐらいかかる。全国に約50ある県域局(及び北海道の管内局)がすべてローカル放送をやったら、1億円以上かかる計算だ。

経費を節約するには、各県の放送局機能を拠点局に集約し、たとえば東北の番組はすべて仙台から放送すればよい。県域局には中継機能と取材拠点だけを残し、素材を仙台に送って東北ローカルの番組として放送すればよいのである。拠点局は8局しかないから、これによってローカル番組予算は今の1/5ぐらいにでき、地方局の要員も半分以下に削減できよう。NHKの職員の半分は地方局にいるから、2割ぐらい値下げするのは容易である。

横浜市民のうち何割が、NHK横浜(UHF)の存在を知っているだろうか?首都圏と近畿圏でも県域放送はやっているのだが、内容は東京や大阪とほとんど同じで、誰も見ていないので集約が進められていた。ところが海老沢元会長は、逆に地上デジタルでは(免許を取るために)首都圏と近畿圏も県域で独自放送を拡大する方針を決めてしまった。この方針を白紙に戻し、首都圏と近畿圏のNHK県域局を廃止して、その電波を携帯電話や無線MANなどに開放すれば、競争促進にもなる。

NHKは「地域放送強化」を掲げ、ローカル放送の時間帯を大幅に増やしているが、生活が広域化し、グローバル化している時代に、これは時代錯誤である。現在の都道府県が行政単位として狭すぎるので、道州制にすべきだという議論も多い。そのパイロットケースとして、NHKを「道州化」してはどうだろうか。