年賀状は返事以外は出さないことにしているので、このブログでごあいさつに代えます。
ひも理論が正しいとすると、私たちの宇宙は10-500の確率で当たった宝くじみたいなものであり、その中で生命の出現する確率も同じぐらい低い。地球上のすべての生命が基本的に同じDNAを持っているところから、生命が出現したのは50億年間で1回だけだったと考えられています。そこから人類のような高等動物が進化するのもきわめてまれだから、私がいま存在しているのは、宝くじに何兆回も続けて当たるぐらいの幸運です。
そんな偶然があるはずはない、それはだれかがこの宇宙を設計した証拠だ――と考えるインテリジェント・デザインは自然な発想です。ドーキンスの"The God Delusion"がアメリカで大きな話題になっていますが、それも科学への「信仰告白」でしかありません。サスキンドの本の副題も"String Theory and the Illusion of Intelligent Design"ですが、インテリジェント・デザインの批判は半ページぐらいしかない。
こういう発想は、西洋の人間中心主義のような気がします。宇宙が人間に理解可能なものだという前提が、そもそも疑わしい。宇宙が物理学の法則で理解できるためには、それが到るところで一様だという条件が必要ですが、それ自体が(インフレーションの生み出した)偶然の産物かもしれません。人間に理解できるのは、この宇宙だけかもしれないのです。
ひも理論が正しいとすると、私たちの宇宙は10-500の確率で当たった宝くじみたいなものであり、その中で生命の出現する確率も同じぐらい低い。地球上のすべての生命が基本的に同じDNAを持っているところから、生命が出現したのは50億年間で1回だけだったと考えられています。そこから人類のような高等動物が進化するのもきわめてまれだから、私がいま存在しているのは、宝くじに何兆回も続けて当たるぐらいの幸運です。
そんな偶然があるはずはない、それはだれかがこの宇宙を設計した証拠だ――と考えるインテリジェント・デザインは自然な発想です。ドーキンスの"The God Delusion"がアメリカで大きな話題になっていますが、それも科学への「信仰告白」でしかありません。サスキンドの本の副題も"String Theory and the Illusion of Intelligent Design"ですが、インテリジェント・デザインの批判は半ページぐらいしかない。
こういう発想は、西洋の人間中心主義のような気がします。宇宙が人間に理解可能なものだという前提が、そもそも疑わしい。宇宙が物理学の法則で理解できるためには、それが到るところで一様だという条件が必要ですが、それ自体が(インフレーションの生み出した)偶然の産物かもしれません。人間に理解できるのは、この宇宙だけかもしれないのです。
The most incomprehensible thing about the world is that it is at all comprehensible. - Albert Einstein
おくればせながら失礼致します。
お体を大切に、よいお年になりますように。