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スカイプが、無線IP電話の端末と無線LANルータのセットを発売した(欧米のみの発売だが、端末だけなら日本でも発売されている)。目をひくのは、スカイプが基地局としてFONの無線ルータをバンドルしたことだ。これは無線ルータで公衆無線網を実現しようというスペインのベンチャー企業で、グーグルのサンフランシスコの実験をサポートし、スカイプとグーグルがFONに出資して注目された。

FONのシステムは、もともとソフトウェアで、これをダウンロードすればユーザーの無線ルータをFONの基地局にすることができる。これを無料で公開する代わりに他人のルータも無料で使えるLinusコースと、ルータを有料で使わせて収入をFONとシェアするBillコース、そしてルータを持たず他人のルータを有料で使うAlienコースがある。このルータも30ドルで売っており、今回のスカイプのセットは、端末とルータをあわせて160ドル。これをペアで持ち運んでインターネットにつなげば、どこでも無料で携帯電話がかけられる。

スカイプはすでにIP電話の世界標準になりつつあるので、インフラとしてFONのシステムが標準になれば、コア・ネットワークとしては有線のインターネットに「ただ乗り」でき、携帯電話は本当に「0円」になる。エリアを広げるには、グーグルがその無料パックにFONのソフトウェアを加えるだけでも十分インパクトがあるだろう(スカイプはすでに入っている)。

FONが成功するかどうかはわからないが、今のバカ高い携帯料金も固定電話のような「価格破壊」の洗礼を受けることは避けられない。今後の電話サービスは、どこでもつながるが高価格の携帯電話とエリアは限定されるが0円の無線IP電話の競争になるだろう。デュアル端末も出てくるだろうが、長期的には後者のエリアが広がれば、IPの勝利に終わる可能性が高い。最後の垂直統合モデルである携帯電話が解体されれば、音声・映像を含めてすべてのサービスはアプリケーション層で実現され、キャリアは電力会社のようなユーティリティになるだろう。

追記:アップルのiPodに無線IP電話を組み込んだiPhoneが、来年1月のMacworldで発表されるという噂もある。ただし、これは普通の携帯電話になる可能性もあるようだ。

追記2:FONの創業者Martin Varsavskyが12月4日に来日する。