公正取引委員会が、新聞の値引きなどを禁じる「特殊指定」の廃止を検討しているのに対して、新聞協会が特殊指定の堅持を求める特別決議を出した。それによれば、
価格競争によって販売区域が変化し、販売店の淘汰が進むことは間違いないが、それが「戸別配達網を崩壊に向かわせる」とは限らない。同じ地域を多くの新聞販売店が重複して回るのは無駄だから、たとえば各社がまとめてヤマト運輸に配達を委託すれば、戸別配達網のコストはむしろ下がるだろう。
実際には、この決議が「全会一致」で採択されたほどには、業界は一枚岩ではない。価格競争が始まると、生き残るのは販売力の強い読売と、逆に直営店をもたない日経だろう、というのが業界の見方だ。他方、いまや聖教新聞の印刷・販売業となった毎日新聞と、フジテレビに赤字を補填してもらって生き延びている産経新聞は、販売網の維持が経営の重荷になり、むしろ整理・統合したいのが本音だという。
しかし、ここで再販をやめると、毎日や産経の経営が破綻し、それを買収して外部の資本が入ってくるかもしれない。海外でも、マードックやタイム=ワーナーなど、新聞はメディア・コングロマリットの一部に組み込まれるのが普通だ。日本の新聞社は資本力が弱いので、「勝ち組」の読売といえども安泰ではない。だから負け組の新聞社を「生かさぬよう殺さぬよう」残しているのが再販制度なのである。
追記:特殊指定について、民主党も「議員懇談会」を発足させ、安倍官房長官まで「維持が望ましい」とコメントした(24日)。公取委が出した方針を官房長官が否定するというのは異例だ。電波利権と並ぶ最後のタブー、新聞の再販もまだ健在らしい。
新聞販売店による定価割引の禁止を定めた特殊指定は再販制度と一体であり、その見直しは再販制度を骨抜きにする。販売店の価格競争は配達区域を混乱させ、戸別配達網を崩壊に向かわせるのだそうである。「価格競争」が業界秩序を「崩壊に向かわせる」というのは、改革に反対する業界の決まり文句だが、それを批判する新聞が、自分のことになると典型的な「抵抗勢力」になるわけだ。これは、私が5年前に指摘したときとまったく変わっていない。
価格競争によって販売区域が変化し、販売店の淘汰が進むことは間違いないが、それが「戸別配達網を崩壊に向かわせる」とは限らない。同じ地域を多くの新聞販売店が重複して回るのは無駄だから、たとえば各社がまとめてヤマト運輸に配達を委託すれば、戸別配達網のコストはむしろ下がるだろう。
実際には、この決議が「全会一致」で採択されたほどには、業界は一枚岩ではない。価格競争が始まると、生き残るのは販売力の強い読売と、逆に直営店をもたない日経だろう、というのが業界の見方だ。他方、いまや聖教新聞の印刷・販売業となった毎日新聞と、フジテレビに赤字を補填してもらって生き延びている産経新聞は、販売網の維持が経営の重荷になり、むしろ整理・統合したいのが本音だという。
しかし、ここで再販をやめると、毎日や産経の経営が破綻し、それを買収して外部の資本が入ってくるかもしれない。海外でも、マードックやタイム=ワーナーなど、新聞はメディア・コングロマリットの一部に組み込まれるのが普通だ。日本の新聞社は資本力が弱いので、「勝ち組」の読売といえども安泰ではない。だから負け組の新聞社を「生かさぬよう殺さぬよう」残しているのが再販制度なのである。
追記:特殊指定について、民主党も「議員懇談会」を発足させ、安倍官房長官まで「維持が望ましい」とコメントした(24日)。公取委が出した方針を官房長官が否定するというのは異例だ。電波利権と並ぶ最後のタブー、新聞の再販もまだ健在らしい。
私は他の新聞のほうが無料期間が長いとか景品がよいと言う理由で購読する新聞を何回も変えるうちに販売店同士の競争が激しくなりドンドン無料期間が長くなっていき、ついには購読料を払わずに複数の新聞が配達されるようになりました。
販売店は折り込み広告で儲けているので、購読料なんかそれほどもらわなくても経営が成り立つんじゃないでしょうか?