先日の北欧モデルについて、もう少し調べてみた。北欧をひとくくりにするSachsの話は少し荒っぽく、最近はスウェーデンとデンマークは区別して論じるようだ。週刊東洋経済が昨年、特集していたが、EUでも"flexicurity"というスローガンを掲げ、雇用の柔軟性(flexibility)と保障(security)を両立させることを目標にしている。そのモデルがデンマークとオランダである。これは解雇規制を弱めて基本的に解雇自由にする一方、失業者に手厚い失業給付を行ない、給付の条件として職業訓練を義務づけるもので、デンマークでは図のように「黄金の三角形」と呼ばれているそうだ。日本では、雇用の流動化は「北風政策」だとか「デフレを促進する」とかいう愚劣な議論が多いが、デンマークの例が示しているように、労働市場を柔軟にすることは失業率を下げ、成長率を高めるのだ。
このシステムは、組織率の高い労組や高い税率による社会保障などのセーフティネットと一体なので、日本に輸入できるかどうかはよくわからないが、厚労省の進めている派遣規制の強化などの「官製失業」を生み出す政策よりいいことは間違いない。特に産業構造の調整が容易になることは日本経済にとって重要なので、多少コストがかかっても積極的労働政策を導入する意味はあろう。「フレクシキュリティ」は、民主党にとって魅力的な選挙向けスローガンになるのではないか。





