太陽光のコストは蓄電を含めると原子力の15倍

原子力に世界の投資家の注目が集まっている。COP28では、日本を含む22ヶ国が原子力を3倍にするという宣言文書に署名し、ウランの価格は1年で55%上がり、福島第一原発事故以来、最高になった。この背景には、ウクライナ戦争以来の化石燃料価格の上昇がある。

もう一つは再エネを補完するコストが大きくなったことだ。再エネがマイナーなエネルギーだったときは稼働率は問題にならなかったが、もし再エネ100%になると、夜間などにはその電力を蓄電して発電しなければならない。蓄電池のコストは約10万円/kWhで、火力の1万倍。連系線の強化にも莫大なコストがかかるが、これは再エネ業者の負担すべきものだ。続きを読む

日本は30年前に光を見た

最近の政局の混乱をみると、30年前に永田町を取材していたころを思い出す。政治資金スキャンダルが表面化し、その捜査の結果、大物政治家が逮捕をまぬがれたことに国民が怒り、それをごますために自民党が「派閥解消」を言い出すのも同じだ。



1993年6月に宮沢内閣の不信任案が可決されたとき、Economist誌は「日本は光を見た」という記事を書いた:

自身の党を分裂させて政府を崩壊させることを目的とした反乱を主導した羽田孜氏は6月18日、宮沢喜一首相に向かい、皮肉ではなく頭を下げた。驚異的な経済的成功や不可解な政治と同様に、その絶妙な礼儀正しさにおいて、日本は長い間他の国とは異なっているように見えてきた。

いま羽田氏・小沢氏と彼の反逆者たちは、日本の独自性の主な特徴の一つ、つまり自民党を38年間連綿と政権の座に保ち続けてきた政治システムに風穴をあけた。日本人の中には、自民党の崩壊をベルリンの壁の崩壊にたとえる人もいる。日本では確かに革命が起きているのかもしれない。

やがて一枚岩の自民党の解体と政治の開放が、その背後にある変化を加速させるだろう。日本の有権者が自分たちの要求をよりオープンに表現するようになれば、日本の政治家も彼らの利益をより明確に反映するようになるだろう。それは古いシステムを操作していた少数の人々から、新しいシステムにもっとアクセスできる多くの人々へと影響力を広げることにつながる可能性が高い。

あのとき私を含めて多くの日本人が、永遠に続くかと思われた自民党政権が崩壊したことにあっけにとられ、日本が変わると思った。私がサラリーマンをやめようと思ったのは、あの日、国会で不信任案の可決を中継したときだった。

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政策活動費って何?

自民党の裏金問題をめぐって、政治資金規正法にいろんな抜け穴があることが話題になっています。そのうち最大の穴が政策活動費だといわれています。チャットGPTに聞いてみました。

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岸田首相の「安倍派追放」で30年前に似てきた政局

自民党の裏金問題をめぐって、岸田首相が岸田派を解散し、安倍派に離党を求めるなど強硬な方針をとり、政局がにわかに風雲急を告げてきた。これは私がNHKで政治番組の現場にいた30年前の政局と、そっくりの展開である。
  1. 自民党の幹部が検察の捜査を受ける:1988年に竹下内閣でリクルート事件が起こり、検察は大規模な捜査をしたが、起訴した国会議員は藤波元官房長官と公明党の池田議員だけで、他の議員は会計責任者の略式起訴だけだった。

  2. 国民の怒りが高まり、政局が流動化する:竹下内閣が倒れ、宇野内閣も倒れて、海部内閣になり、1991年に懸案の政治改革三法案を閣議決定して国会に提出したが自民党内の反対が強く廃案となり、海部内閣も倒れた。

  3. 竹下派が分裂:1992年に宮沢内閣になったが、8月に金丸信副総裁が東京佐川急便から5億円の政治献金を受け取っていたことが判明。これも政治資金規正法違反で罰金20万円に終わったため、検察庁の入口の石碑に何者かが黄色いペンキをかけた。金丸は失脚し、竹下の後継者をめぐって内紛が始まった。

  4. 小沢グループの離党:当初は竹下の後継者とみられていた小沢一郎が、金丸をめぐる検察との取引の失敗の責任を問われ、竹下派の内紛が拡大。後継者に小渕恵三が選ばれたことに反発した小沢グループが派閥を離脱した。

  5. 内閣不信任案の可決:1993年6月18日、小沢グループを含む39人が野党の提出した宮沢内閣不信任案に賛成して可決。宮沢首相は衆議院を解散。

  6. 細川内閣の成立:総選挙では自民党はほぼ改選前の議席を維持したが、過半数には届かず、新生党を核とする非自民・非共産の8会派が細川護煕を首相に立て、自民党政権が38年ぶりに終わった。
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あなたが認識する前から世界は存在するのか

世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論
量子力学の観測問題は100年近く前から続く大論争だが、多くの物理学者は関心をもっていない。どう解釈しようと量子力学は100%正確に実験結果を予測できるからだ。しかし茶飲み話としては最適だ。何しろアインシュタインもシュレーディンガーも答を出せなかった問題が未解決のまま残っているのだから、素人が何を言ってもかまわない。

本書もそういう茶飲み話だが、おもしろいのはこれも100年前のレーニンとボグダーノフの論争が出てくることだ。これは論争というよりレーニンが『唯物論と経験批判論』で一方的にボグダーノフを罵倒したものだ。レーニンの議論は唯物論というより素朴実在論で、今では読むに耐えない。

ボグダーノフの議論は、20世紀の科学を変えたマッハの認識論だった。マッハは感覚に先立つ「絶対空間」などの本質を否定し、時間や空間を相対化するアインシュタインの理論のヒントになった。しかしレーニンはこれを「主観的観念論」とののしり、「ボグダーノフが認識する前から世界は存在する」と主張した。

これはばかばかしいようで、反論するのはむずかしい。それはほとんどの人の常識であり、むしろカント以来の「認識が存在に先立つ」という観念論こそ、ほとんどの人に理解できないだろう。

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サラリーマンを搾取する「国民皆保険」というフィクション

「言論アリーナ」で、国民民主党の玉木さんと維新の音喜多さんと一緒に、いま話題の社会保険料について議論した。



日本社会の直面している最大の脅威は高齢化ではなく、そういう人口動態の大きな変化に制度が適応できず、いまだに高度成長期の若かった国のしくみを続けていることだ。その最たるものが、社会保障の国民皆保険である。日本のように全国民が強制加入の社会保険は世界に類を見ない。

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バイオマスって再エネなんですか?

最近、バイオマス発電所の事故が相次いでいます。バイオマスといっても化石燃料の代わりに木質ペレットを燃やしているだけですが、バイオマスは再生可能エネルギーということになっていて、FIT(固定価格買取)で32~40円/kWhで買い取ってもらえるので、各地に発電所が増えています。

ところがEU(欧州連合)は2023年12月に可決した再生可能エネルギー指令(RED Ⅲ)で、木質ペレットを再エネ補助金から除外することを決めました。どうしてでしょうか。チャットGPTにきいてみました。


木質ペレット

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高齢化がなければ日本の成長率は世界最高?

日本経済が停滞している一つの原因が高齢化であることに疑問の余地はない。1990年を100とした実質GDP(購買力平価)でみると、図1のようにG7の中で日本の成長率はイタリアと並んで最下位である。

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図1 G7諸国の実質GDP

その大きな原因は人口が減っているためだが、一人あたりGDPでみても図2のように下から2番目だ。したがって日本の「失われた30年」の原因は高齢化だけではなく、労働生産性の低下や投資の減少などの構造的要因だと考えられている。

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図2 一人あたりGDP

しかしFernandez-Villaverde, Ventura & Yaoは、図3のようにGDPを生産年齢人口(15~64歳)で割ると、日本はG7の平均以上であることを発見して話題になった。日本の労働生産性は高いが、労働人口が減っているため、全人口で割るとGDPが低くなるというのだ。

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図3 生産年齢人口あたりGDP

日本の生産年齢人口あたり成長率はアメリカより高く、2010年代ではG7で最高だった。つまり日本は特殊ではなく、先進国の成長にとって最大の脅威は高齢化であり、それが最初に日本で起こっただけだというのだ。これは本当だろうか?続きを読む

共産党が選ぶことのできた「もう一つの道」


共産党の志位委員長の後継者に指名された田村智子副委員長が、党の民主化を求める神奈川県議団長の発言を強く非難した演説が「スターリンの粛清みたいだ」と話題を呼んでいる。これは志位氏が宮本顕治から受け継いだスターリン路線を継承することを明確に示したものだ。

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それは今では当たり前にみえるだろうが、私の世代には少しは共産党に対する期待があった。それはリベラルな上田兄弟(上田耕一郎・不破哲三)が党の中枢にいて、宮本と闘っていたからだ。

しかし本書も指摘するように、1983年7月の『前衛』で、上田兄弟が「自己批判」を発表した。それは1950年代に彼らの書いた『戦後革命論争史』が「党内問題を党外に持ち出した」という反省だったが、当時、不破は委員長、上田は副委員長だったので、この自己批判に党員は驚愕した。

そこには深刻な党内闘争があり、上田兄弟はレーニンの「民主集中制」をゆるやかに解釈し、党外での議論も許す立場だったが、宮本議長は分派を厳格に排除する立場だった。この自己批判は、上田兄弟が宮本路線に屈服したことを示す転換点だった。

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選択的夫婦別姓の何が問題なんですか?

経団連が政府に選択的夫婦別姓の導入を初めて公式に提言しました。


これについてまたネトウヨのみなさんが反対していますが、意味不明なので、何が問題なのか、チャットGPTにきいてみました。

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