著者の書いた1991年の論文は、日本のメインバンク・システムの役割を実証した先駆的な業績として有名だ。銀行と融資先の長期的関係によって情報が共有され、収益性を高めているという結論は、「日本的経営」の優位性を示すものとして注目された。しかしその後、日本経済が沈没すると、「行政や銀行が高度成長に寄与したという証拠はない。彼らは生産性の高い製造業にただ乗りしただけではないか」という批判が出てきた。本書は、こうした批判に反論し、通説的な見解を擁護するものである。
戦前の日本の金融システムは、株式や社債を中心とする市場型だったが、戦時体制における指定金融機関制度によって銀行中心へのシステム転換が行われた。このような規制に支えられた銀行中心のシステムは戦後も続き、高度成長の原動力となった。証券市場を抑止する規制のおかげで銀行が資金チャネルを独占し、長期的関係によって情報の非対称性の問題(逆淘汰・モラルハザード)を防いだのである。
著者は高度成長期の銀行の役割を肯定的に見る立場だが、それでも70年代には銀行の役割は終わっていたと見る。ファイナンスのグローバル化によって、大企業は市場から資金調達するようになり、銀行の融資によるガバナンスもきかなくなった。欧米では80年代に規制改革が終わったのに、日本の銀行・証券業界は改革に抵抗したため、システム転換が10年以上遅れた。これが金融技術革新への立ち遅れをもたらし、バブルを引き起こし、そして不良債権によって日本経済をめちゃめちゃにしたのだ。
しかしファイナンス業界は、業界が壊滅するという劇的な形でシステム転換を遂げた。関係依存型から市場型への転換は、もう本質的には終わっているのだ。この経済システムのコアにおける変化は、ガバナンスの変化を通じて日本の企業システム全体に及ぶだろう。
戦前の日本の金融システムは、株式や社債を中心とする市場型だったが、戦時体制における指定金融機関制度によって銀行中心へのシステム転換が行われた。このような規制に支えられた銀行中心のシステムは戦後も続き、高度成長の原動力となった。証券市場を抑止する規制のおかげで銀行が資金チャネルを独占し、長期的関係によって情報の非対称性の問題(逆淘汰・モラルハザード)を防いだのである。
著者は高度成長期の銀行の役割を肯定的に見る立場だが、それでも70年代には銀行の役割は終わっていたと見る。ファイナンスのグローバル化によって、大企業は市場から資金調達するようになり、銀行の融資によるガバナンスもきかなくなった。欧米では80年代に規制改革が終わったのに、日本の銀行・証券業界は改革に抵抗したため、システム転換が10年以上遅れた。これが金融技術革新への立ち遅れをもたらし、バブルを引き起こし、そして不良債権によって日本経済をめちゃめちゃにしたのだ。
しかしファイナンス業界は、業界が壊滅するという劇的な形でシステム転換を遂げた。関係依存型から市場型への転換は、もう本質的には終わっているのだ。この経済システムのコアにおける変化は、ガバナンスの変化を通じて日本の企業システム全体に及ぶだろう。




