貨幣はバブルである。これは150年前にマルクスが「商品の物神性」として指摘したことだが、今も正しい。1万円札の使用価値は20円しかないので、その価値はバブルだが、人々がそれを1万円の商品と交換する限り続く。中央銀行は「国営バブル」を維持する機関ともいえる(2021年8月1日の記事の再掲)。
ゼロ金利の状況では国債も貨幣と同じであり、余剰資金を社会的に循環させる合理的バブルである。これには次のような特徴がある。

バブルの代替(本書より)
国債がこのような安全資産になったのは、実はそう古い話ではない。日本でr<gになったのは、2013年に黒田日銀の量的緩和が始まってからの10年足らずである。この不等式が逆転してr>gになると、国債バブルは終わるのだ。

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ゼロ金利の状況では国債も貨幣と同じであり、余剰資金を社会的に循環させる合理的バブルである。これには次のような特徴がある。
- 長期金利(r)が名目成長率(g)より低い限りバブルは維持できる
- r<gのときバブルは効率的である(将来世代との利害対立が発生しない)
- 必要な安全資産の総量は一定なのでバブルは代替する

バブルの代替(本書より)
国債がこのような安全資産になったのは、実はそう古い話ではない。日本でr<gになったのは、2013年に黒田日銀の量的緩和が始まってからの10年足らずである。この不等式が逆転してr>gになると、国債バブルは終わるのだ。

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