産業革命は、一般には多くの発明によって経済が爆発的に成長した時期だと思われているが、最近の研究では18世紀のイギリスで初めて生まれた技術というのは少なく、成長率もそれほど高くなかった。
当時のイギリスに特徴的なのは、このようなイノベーションが長期にわたって続き、ビジネスに応用されたこと、そしてそれが奨励されたことである。これは当たり前のようだが、キリスト教では人間はアダムとイブの時代から堕落を続けており、社会が進歩するという思想は異端だった。
Innovationというのは非難の言葉であり、スコットランド啓蒙思想の中心人物ヒュームは、無神論者とみなされて一生アカデミックな地位を得られなかった。啓蒙は、神に代わって人間が自然をコントロールする思想だったからだ。
本書が強調するのは、イノベーションにとって重要なのは技術ではないということだ。技術だけなら同時代の中国(清)のほうがはるかに進んでいた。火薬も活版印刷も羅針盤も、中国で発明されたものだが、それは産業革命を起こさなかった。それはなぜだろうか。
続きは池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
当時のイギリスに特徴的なのは、このようなイノベーションが長期にわたって続き、ビジネスに応用されたこと、そしてそれが奨励されたことである。これは当たり前のようだが、キリスト教では人間はアダムとイブの時代から堕落を続けており、社会が進歩するという思想は異端だった。
Innovationというのは非難の言葉であり、スコットランド啓蒙思想の中心人物ヒュームは、無神論者とみなされて一生アカデミックな地位を得られなかった。啓蒙は、神に代わって人間が自然をコントロールする思想だったからだ。
本書が強調するのは、イノベーションにとって重要なのは技術ではないということだ。技術だけなら同時代の中国(清)のほうがはるかに進んでいた。火薬も活版印刷も羅針盤も、中国で発明されたものだが、それは産業革命を起こさなかった。それはなぜだろうか。
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