ネットがテレビを飲み込む日池田信夫、西和彦、林紘一郎、原淳二郎、山田肇Chapter 00このアイテムの詳細を見る |
情報通信政策フォーラムのメンバーの共著。「通信と放送の融合」の現状と課題を、通信、放送、著作権、メディア、技術といった色々な側面から論じる。特に一般の読者向けに、なるべくやさしく書いたのが特徴。
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Living with WarNeil YoungRepriseこのアイテムの詳細を見る |
黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて田草川弘このアイテムの詳細を見る |
公共的性格を備える放送を産業振興策や政争の具に使ってはならない。近年の放送と通信の接近を、公共性を旨とする放送の本質や使命の変化と見誤ってはならない。誰もが安価に参加しうる番組の制作と送出は、情報と文化の質的低下を招きかねず、視聴者ニーズを個別に把握する双方向技術は、商業主義の過剰な浸透につながりかねない。NHKは、技術的物珍しさや短期的収益性に惑わされることなく、民主主義社会のインフラとしての役割を果たすとともに、より確かな放送技術や番組・放送サービスの開発と普及を使命とすべきである。通信と放送の融合は「産業振興策」(?)であり、インターネットは「技術的に物珍しい」だけで「商業主義の過剰な浸透」をまねくという。このように市場経済を蔑視し、「公共放送」がいつまでもメディアの中心だというのが「デジタル時代」への認識なのだから、恐れ入る。ところが最後の提言には、こう書かれている:
NHKが保有する番組アーカイブスの公開等、インターネットの積極的活用を進めるため、経費負担や著作権処理のあり方やNHKの業務範囲についての再検討が求められる。視聴者の声を汲み上げるためのブログ等の活用やそれとの交流も押し進めるべきである。インターネットは「短期的収益性」を求めるもので、ブログのような誰もが安価に参加しうるメディアは「情報と文化の質的低下」をまねくんじゃなかったっけ? ここには、インターネットに対応して業務を再編することは拒むが、もうけになる部分だけはつまみ食いしたいという卑しいダブル・スタンダードがある。1年も懇談会をやって、出てくる提言が「視聴者第一主義」とか「組織統治の明確化」といったお題目ばかりで、業務も組織も変えないという以外の具体策は何も書かれていない。
The Theory of Corporate FinanceJean Tiroleこのアイテムの詳細を見る |