スーパーマリオの青春時代

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このツイートが600万インプレッションを超えた。今年はちょうどスーパーマリオブラザーズの40周年なので、ファミコン初期の思い出を動画で話した。



ファミコンがなぜあれほど大ヒットしたのかについては諸説あるが、最大のポイントは価格だろう。当時はパソコンが出始めた時期で、20万円から30万円した時代に、ファミコンは1万5000円という破格の価格設定をした。CPUはアップル2と同じ6502という本格的な8ビット機である。

採算分岐点は350万台という任天堂始まって以来の大プロジェクトで、メインバンクの京都銀行は強く反対したが、山内社長は「わしの会社やから失敗したらわしが責任をとる」といって強行した。

この無謀ともみえる価格設定には、実はしたたかな計算があった。本体は1万5000円だが、ゲームソフトの入っているROMは5000円と高かったのだ。ゲームを書き込む白ROMは任天堂がゲームメーカーに2000円ぐらいで卸したので、本体の何倍も売れるROMが収益源だった。

このROMは任天堂が独占的に供給し、コピーできないので、子供がゲームをするには高いROMを買うしかなかった。これはプリンタ本体を安く売ってインクカートリッジを高く売るプリンタと同じ商法だが、任天堂がパイオニアだった。

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高市早苗氏の「ドーマー条件」についての誤解

高市早苗氏が一知半解で振り回す「金利と成長率」という話は、ドーマー条件を勘違いしているものと思われる。



まず長期金利と名目成長率の関係は、1944年のドーマーの論文には書かれていない(この名前をつけたのは日本人)。ドーマーが証明したのは

名目GDPの値Yが増加し、プライマリー赤字Bが一定であれば、政府債務のGDP比

 b=B/Y・・・(1)

は時間とともに一定の値に収束し、無限大に発散しない。

という自明の命題である。赤字の絶対額Bが一定なのだから、分母Yが増えるとbは減るので、成長率が正である限りこの条件は成り立つ。これを金利と関連づけ、長期金利rが名目成長率gより低い限りbは収束するので財政赤字を出しても大丈夫というが、これは誤りである。続きを読む

任天堂の奇蹟はなぜ生まれたのか(アーカイブ記事)


私は1980年代にゲームソフトの番組をつくったことがある。「スーパーマリオ」の宮本茂さんと「ゼビウス」の遠藤雅伸さんが登場し、「ポートピア殺人事件」の堀井雄二さん(のちの「ドラゴンクエスト」の作者)のインタビューを没にした、いま思えば贅沢な番組だった。

ゲームの開発者は、みんな変わり者だった。私の印象では、日本社会の本流からはずれた人だった。有名大学出身の人はまずいない。大学を中退したり電機メーカーをやめたりして、どこか傷ついた人が多かった。

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遠藤さんは自分で「落ちこぼれ」だといっていた。堀井さんは「ボクは大きくなったら何になるんでしょうね・・・」とつぶやいていた。彼らの話はとりとめなくて編集がむずかしかったが、三度の飯よりゲームが好きだということだけは強烈に感じられた。いま思えば、それがゲーム産業の成功の秘訣だったのだ。

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賃金の上がらない原因は「正社員の過剰保護」

自民党総裁選では、候補者がそろって賃上げを約束しているが、どうやって政府が民間企業の賃金を上げるのか。何も具体的な説明がない。小泉進次郎候補は「平均賃金を100万円増やす」という公約を掲げたが、名目賃金はインフレにすればいくらでも上がる。何の意味もない。



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自民党新総裁はひろゆきのように1300兆円の借金を踏み倒すのか

自民党の総裁候補者の討論会の司会をひろゆきがやるのは悪い冗談だ。世界に「日本政府は借金を踏み倒す」というメッセージを送ることになるが、それは不可能ではない。



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老荘思想は「ロゴス中心主義」を否定する

老子・荘子 (講談社学術文庫 1157)
ニーチェは19世紀末に「来るべき2世紀はニヒリズムの世紀になる」と予言したが、それは東洋では新しい思想ではない。老荘思想は、ニヒリズムが中国の伝統だったことを示している。老子と荘子は実在の人物かどうかは疑わしく、どちらも中国の民衆に伝わった思想を後代に記録したものだろうが、そこには中国人の集団的無意識が表現されている。

老荘の<無>の思想は、仏教の<空>と似ているが、一つ大きな違いがある。仏教が仏典によって言語哲学を語るのに対して、老荘思想は言葉を信用しない。世界の自然な姿は未分化な混沌であり、「名」(言葉による命名)はそれを善と悪、美と醜などに分類して世界を分断してしまうという。

では言葉にならない真理とは何か。それは「無為自然」である。老子は春秋戦国時代に儒教に対する批判として出てきた思想で、『論語』の権威主義をきらい、国家を否定する。荘子はさらに個人主義で「万物斉同」を説く。これは有名な「胡蝶の夢」のように、人間が蝶になった夢を見ているのか、その逆かはわからないという相対主義である。
言語がもちいられないかぎりは、全ての事物は本来の斉一性そのままである。斉一性は平穏に言語とは共存できない。言語は全ての事物が「一」であるところでは、存在することができない。したがって私は言う、「言葉なし」と。(『荘子』雑篇、寓言篇)
このような言語に対する不信感が老子にも荘子にも共通する思想である。それはインド=ヨーロッパ語族のインド人(アーリア人)がロゴスに依拠したのに対して「ロゴス中心主義」を否定する思想ともいえるが、言葉がないと何によって真理をさとり、何によってそれを伝えるのだろうか。

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プラザ合意が不動産バブルを生んだ

きょうは1985年のプラザ合意から40年目だが、私にとっては記憶に残る日である。当時、日米貿易摩擦が起こっていたが、これはレーガン政権が国内の不況を日本のせいにした身勝手な話だった。



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小泉進次郎は小泉純一郎になれるか

自民党総裁選で本命とみられる小泉進次郎氏の記者会見は中身がなく、評判は「ずっと原稿を読んでいる」とか「カンペのページが見当たらなくて返事に詰まる」とか散々だが、彼が決選投票に残ることは確実だ。

もう一人は高市早苗氏か林芳正氏だろうが、林氏は「石破政権の継承」を前面に出して何も新しい政策を打ち出さないので、党員票は取れないだろう。決選投票では小泉氏が有利なので、彼が総裁になる公算が大きい。



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西田昌司氏は国債がネズミ講だという事実を知らない

国債も賦課方式の年金も、今の負担を将来に先送りするネズミ講(Ponzi scheme)です。浜田宏一さんは「政府債務は実現可能なネズミ講システムだ。普通のネズミ講はどこかで終わって破綻するが、どこの政府でも次の納税者は必ずあらわれる」と言っていますが、西田昌司さんはそれも知らない。



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高度成長の夢は二度と来ない

GROWTH――「脱」でも「親」でもない新成長論
自民党総裁選に立候補した小林鷹之氏が、出馬会見で「子供のころ世界ナンバーワンの日本が誇らしかった。あのころの日本を取り戻したい」と言っていた。気持ちはわかるが、それは不可能である。財政バラマキやターゲティング政策で、高度成長期の日本は戻らないのだ。

人類の歴史を振り返ると、その大部分で平均年収は100ドル前後だった。それが1800年ごろから激増し、今は2万ドルを超えた。この指数関数的な増加がいつまでも続くはずがない。いま日本が「変曲点」に直面しているのは自然な現象である(図1)。

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図1 世界の一人あたりGDP(Maddison)

日本の高度成長はGDPが英米にキャッチアップして新古典派成長理論でいう定常状態(成長率=人口増加率+生産性上昇率)に到達する過程だったと考えるのが一番シンプルな説明だ。高度成長は戦争で破壊された生産設備の復旧(半減したGDPが6年で戦前の水準に戻った)と、人口の急増(戦後25年で1.5倍)と都市への集中、そしてアメリカからの技術移転で説明できる(図2)。

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図2 日米英の一人あたりGDP (Weil)

今後を悲観する必要もない。所得が必ずしも幸福度の指標にならないことはよく知られている。日本では年収700万円ぐらいまでは幸福感は所得の増加関数だが、それ以上では頭打ちになる。高度成長の夢を追い求めてターゲティング政策に税金を投入しても、日本人は幸福にはならないのだ。

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