選択的夫婦別姓に反対する保守派の思想は「家」制度の男尊女卑

今度の国会に選択的夫婦別姓を認める民法・戸籍法の改正案が提出される見通しなので、チャットGPTにその意味をきいてみました。


Q. 選択的夫婦別姓を認める民法改正案の内容はどうなるんですか?

GPT:現時点では、具体的な法案の内容は正式に公表されていませんが、1996年に閣議決定され、国会に提出された法制審議会の答申から、改正案に盛り込まれる可能性のある主要なポイントを以下にまとめます。
  1. 夫婦の氏の選択: 選択的夫婦別姓制度の導入により、夫婦が希望する場合には、結婚後もそれぞれの結婚前の氏を保持することが可能となります。

  2. 子どもの氏の決定:夫婦が別姓を選択した場合、婚姻時に子どもの氏を夫または妻のいずれかの氏に決定する必要があります。子どもが複数いる場合、全員が同じ氏を名乗ります
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ブランシャールの「積極財政論」は時代遅れ

最近、ブランシャールの「日本はもっと財政出動すべきだ」という理論が、偏差値の高い政治家に人気だ。



IMF元理事で財政タカ派として知られたブランシャールが2019年のAEA会長講演で「ゼロ金利が続くなら財政出動が必要だ」という理論を打ち出したインパクトは大きかった。その後のコロナの大規模な財政出動も、彼の理論を裏づけるようにみえた。

ブランシャールは、先進国ではデフレとゼロ金利が今後50年続くというサマーズの理論にもとづいて「この需要不足は長期停滞による構造的なものだから金融政策は無効で財政政策が有効だ」と考えた。そのショーケースが日本だった。

しかし2023年に日本で『21世紀の財政政策』が出たころは、状況が大きく変わっていた。コロナ後も続けられたバイデン政権の「積極財政」で激しいインフレが起こり、ウクライナ戦争で世界的な資源インフレになった。日本でも2%を超えるインフレが3年近く続き、日銀は今週、政策金利を0.5%に上げる見通しだ。

政治家のみなさんは今ごろ周回遅れでブランシャールの訳本を読み、都合のいい部分をつまみ食いしているが、今ブランシャール自身はAEA講演の見解を修正している。少なくともアメリカのゼロ金利は構造的なものではなかった。日本もそうではないことがわかってきた。

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たかまつななさんの知らない高齢者への「125兆円の上納金」

たかまつななさんのX投稿が1200万インプレッションを集めて炎上している。3000件以上のコメントがついたが、その99%が否定的だった。

批判は前半の「高所得者の厚生年金保険料上げ」に集中しているが、これは誤解である。厚生年金の標準報酬月額は報酬比例が原則だが、上限が63.5万円で、それ以上はいくら所得が多くても保険料が同じになっているため逆進的になっている。


標準報酬月額(厚労省の資料)

これについては「保険料が7倍になっても年金受給額は1.5倍ぐらいで不公平だ」という不満が強く、65万円以上は同じ標準報酬月額になっていた。今回はこれを是正し、健康保険料と同じにするものだ。これ自体は年金保険料が事実上の所得税であることを考えると、やむをえない。問題はそこではないのだ。

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消費税は社会保険料より公平なのになぜきらわれるのか?

Q. 昨年度の消費税の負担は23兆円。社会保険料の80兆円よりはるかに低いのに、消費税がきらわれるのはなぜですか?

GPT:消費税が社会保険料よりも負担額が少ないにもかかわらず、特に嫌われやすい理由には、心理的、政治的、経済的な要因が複雑に絡み合っています。
  1. 消費税の「痛税感」
    • 消費税は商品やサービスを購入するたびに価格とともに明示され、消費行動のたびに負担を感じる痛税感が大きい。

    • 消費税率の引き上げは、商品価格全体を引き上げるため、家計への影響が直接的かつ即時に現れます。特に食料品や日用品などの生活必需品に対する課税は、所得にかかわらず広く影響を及ぼします。

  2. 消費税の逆進性
    • 消費税は所得に関係なく一律で課税されるため、所得が低いほど負担感が大きくなる逆進性があります。

    • 消費税はすべての消費にかかるため、生活必需品の購入に大きな影響を与えます。これは特に低所得世帯にとって、家計を圧迫する要因となります。

  3. 社会保険料の天引き
    • 社会保険料は給与から源泉徴収で天引きされるため、直接的にお金を「取られる」という感覚が薄れます。これに対して消費税は支払うたびに明確に認識されるため、負担感が大きく感じられます。

    • 社会保険料は年金、医療、介護など、特定のサービスを受けるための「保険」という建て前なので、納得感が得られやすい。
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仏教は量子力学のパラドックスを解けるか

新版 仏教と事的世界観
廣松渉は仏教について聞かれると「印哲はサボっていたので苦手だ」といっていたが、この対談を読むと、大乗仏典を読んでくわしく仏教を勉強していたことがわかる。彼の事的世界観はウィトゲンシュタインの「世界は事の総体であって物の総体ではない」という言葉から来たものだが、物の実在を否定する仏教の<空>の哲学に近い。

西洋哲学が「有の哲学」だとすれば、仏教は「無の哲学」だが、<空>という概念は有と無の区別も認めない。実体概念を否定する廣松の関係主義は、仏教の<縁起>である。その応用問題として本書で論じているのは、観測問題などの量子力学のパラドックスである。

これは昔から指摘されていたが、ベルの不等式は成立しないことが実験で証明され、パラドックスではなくなった。宇宙には局所的な因果関係を超えて伝わる遠隔作用があり、今ではそれを実装した量子コンピュータができている。

このような遠隔作用は、宇宙が多くの物の総体ではなく、非局所的な事の総体であることを示しているが、これを説明する哲学は存在しない。物理学者も「世界は関係からできている」というが、それだけでは遠隔作用は説明できない。

ドイツ観念論以降の西洋哲学はすべて本質的には唯名論なので、現象を超える実在(物自体)を説明できない。そこでは物自体は認識とは無関係だと想定しているが、量子力学は認識と実在が不可分であることを示し、このアポリアをさらに深刻にした。しかし仏教にその答はあるのだろうか。

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厚生年金の保険料や積立金を国民年金に流用する「年金改悪法」

Q. 次の記事を要約してください。


要約
  1. 改革案の具体策:厚生年金の受給額を2026年度から2045年度まで一時的に減額。減額分の財源と積立金を基礎年金に回し、将来の基礎年金の底上げを図る。2046年度以降は、基礎年金の増額分が厚生年金の減額分を上回り、制度全体としてプラスになると予測されている。

  2. 会社員への影響:平均的な賃金で40年間働いた単身会社員の場合、受給額が最大で月約7000円減る。2046年度以降は増額に転じ、2060年度頃には現行制度より月約8000円多くなる見込み。減額期間中に亡くなる高齢者にとっては不公平感が残る。

  3. 経済界と労働界の反発:厚生年金の財源を基礎年金に流用することに不信感が広がっている。経済界や労働者側(連合)からは慎重な姿勢が示され、賛同が得られていない。

  4. 財源確保の課題:改革には追加で年間最大2.6兆円の国庫負担が必要。政府は具体的な財源案を示しておらず、消費税増税の可能性があるが、参院選を控えて議論は避けられている。
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子供はどうやって大人より速く正確に言葉を覚えるのか

言語はこうして生まれる―「即興する脳」とジェスチャーゲーム―
幼児が言葉を覚える速さは驚異的である。家族の貧弱な言葉を聞くだけで、3歳児までにある程度しゃべれるようになる。大人になってから学校で外国語を習っても、子供の話す母国語にはとてもかなわない。

子供がどうやって限られたサンプルから豊かな言葉を創造するのか――この謎をチョムスキーは「プラトンの問題」と呼び、それに対する彼の答が普遍文法だった。世界中の子供は生まれながらに同じ普遍文法を脳にもっているというのだが、それは具体的にどんな文法なのか。チョムスキーの理論は二転三転し、50年以上たっても普遍文法は見つかっていない。

それに対してチャットGPTは、プラトンの問題を見事に解決した。そこには文法も辞書もなく、経験主義で文脈からパターンを推測して言葉を創造する。これはウィトゲンシュタインの言語ゲームの理論の実装である。Open AIのエンジニアはウィトゲンシュタインを知らなかったらしいから、彼の理論を独立に証明したことになる。

本書(原題は"The Language Game")は子供の言語習得の実験や観察で言語ゲームの理論を実証し、チョムスキーの理論を否定してチャットGPTに可能性を見出している。

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地球温暖化を止めるには脱炭素化よりジオエンジニアリングが有効だ

Q. 次の記事を要約してください:


GPT:2024年の世界平均気温は1.6℃上昇し、パリ協定の目標である1.5℃を初めて超えました。この主な原因は、中国やインドでの大気汚染対策によりエアロゾルが減少し、低層雲が減少したため、地表に届く太陽光が増加したことです。

これにより、地球の反射率(アルベド)が低下し、温暖化が加速しました。ピナツボ火山の噴火時にも、エアロゾルの増加で気温が低下したことが確認されています。したがって、エアロゾルを大気中に散布するジオエンジニアリング(気候工学)は、低コストで温暖化対策として有効である可能性があります。


ジオエンジニアリング(日本経済新聞)

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大乗仏教の<空>の思想は人工知能の遠い先祖

言葉と無意識 (講談社現代新書 871)
ヘレン・ケラーが言葉を覚えたエピソードは有名である。サリバン先生がケラーの手のひらに水を注いで"water"という文字を指で綴ったとき、ケラーは初めてそれが水という液体を意味すると知った。ここではwaterという言葉が水という意味に1対1に対応しているようにみえる。

しかし手のひらの液体は飲料水かもしれないし、雨水かもしれない。確かなことはそれにwaterという名前がついていることだけだ。つまり本質が言葉を生むのではなく、言葉(シニフィアン)が意味(シニフィエ)を生み出すのだ。その関係は恣意的であり、発音と意味には因果関係はないというのが、ソシュールの構造言語学の重要な発見である。

それとほぼ同じことを、その2000年近く前にナーガールジュナ(龍樹)が書いている。彼は『中論』で「すべてのものの原因となる自性は認められない」という。自性は自己完結的な本質という意味で、これは「世界に因果関係や本質はない」という<空>の思想である。これは世界が存在しないと言っているのではなく、その意味が一義的に決まらないというソシュールの恣意性と同じだ。

ではその意味は何で決まるのか。それは縁起で決まるというのが中観派の思想だが、これは因果関係ではなく相互依存関係である。意味はその本質ではなく、外界や身体との相互作用や他の言葉との関係で決まる。たとえばwaterの意味はoilとの差異で決まるのだ。

本書は1987年の本なのでそれ以上は書いてないが、このような大乗仏教の関係主義は、ヴァレラも指摘するようにニューラルネットの思想と似ている。それは1990年代以降の人工知能の重要な発見だった。

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社会保険料と消費税を「社会保障税」に

最近は石破首相も全世代型社会保障とか歳出改革とかいい始めたが、具体策は何もない。問題があまりにも大きく複雑な利害対立がからむので、どこから手をつけたらいいかわからないからだ。

そこで改革の第一歩として、社会保険料を社会保障税と改称してはどうだろうか。労働者が給与から払う保険料は、英米では給与税(payroll tax)と呼ぶ。年金は「長生き保険」などといわれるが、長生きはリスクではない。医療保険の40%以上が老人医療に使われているが、老化もリスクではない。



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