「中道改革連合」は希望の党のように分裂してグチャグチャになる

立民党と公明党が合併してできる「中道改革連合」は、2017年の「希望の党」の騒ぎとよく似ている。また立民左派が分裂して、バラバラになるんじゃないか。



インフレで金利が急上昇しているときに「消費減税」を掲げて選挙を戦う政治家の知能はどうなってるんだ。

政府の「下請け」になった日銀はいらない

ECB(欧州中央銀行)などの中央銀行総裁とBIS(国際決済銀行)が、トランプ大統領のパウエルFRB議長に対する刑事捜査に抗議する共同声明を出したが、16人の署名の中に日銀の植田総裁は含まれていない。

当然、日銀にも事前に連絡があったと思われるが、日銀広報は「他国の中央銀行などの対応についてコメントすることは差し控える」と述べただけだ。これは共同声明を出すまでの時間が短く、政府との調整が間に合わなかったためといわれる。

しかし日銀は日銀法で独立性が保障されているのだから、政府が「署名するな」と言ったとしても、植田総裁の判断で署名できるはずだ。これは植田氏が高市首相に(あるいはトランプ大統領に)忖度して署名しなかったと考えるしかない。

これまでも日銀の金融政策については"behind the curve"だという批判が多かったが、それは政府の許可を得ないと利上げできないからだ。これは日銀関係者はだれでも知っている公然の秘密である。今でも日銀に独立性はないのだ。

「国債バブル」が崩壊すると550兆円が吹っ飛ぶ

今週からnoteで週刊池田信夫という連載をスタートした(メルマガも同じ内容)。その一つの動機は、今の状況が1990年代の初めと似ているからだ。



共通点は、バブルが崩壊し始めてからも人々はしばらくそれに気づかないということだ。バブルの象徴といわれるジュリアナ東京が開業したのは1991年5月。株価はピークから3割ぐらい下がっていたが、公示地価はまだピークのままだった(図1)。


図1


それが循環的な景気後退ではなく、バブル崩壊だと認識されたのは、1992年に公示地価が下がり始めてからだ。この年の11月に、私は「追跡・不良債権12兆円」というNHKスペシャルをつくったが、当時は不良債権という言葉さえ知られていなかった。

続きはアゴラ

私のバブル戦後史(1)

今週からブログとnoteのメンバーシップに共通の記事を毎週月曜に連載する。時事的な話題は今まで通りアゴラに書くが、こっちでは私の個人史をシリーズで書いてみたい。

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この歳になると人生を振り返ってみたい気分になるが、「私の履歴書」なんて誰も興味ないと思うので、私の人生の折り返し点だった1990年以降の歴史を一人称で書いてみる。あれが戦後日本の分岐点でもあったからだ。

バブルは戦争体験のようなものである。後から「あれは愚かだった」というのは誰でもいえるが、その最中に「これはバブルだ」といった人はいなかった。いま高市政権で「国債バブル」が崩壊し始めているが、それを同時代に経験した感覚を思い出し、2度と同じ過ちをおかさないようにする必要がある。

西新宿を「焼け跡」にした地上げ屋

不動産バブルの始まりは、いま思えば1985年9月のプラザ合意だったが、当時は誰も気づかなかった。私はNHKの「ニュースセンター9時」の経済班にいたが、最初にそういう番組をつくったのは「神田から古本屋がなくなる」という企画ニュースだった。

神田神保町の古本屋街には老舗が多かったが、1985年ごろから廃業する店が急に増えたのだ。事情を聞いてみると地上げ屋というこわい業者が出没しているという。

地価上昇はその前から始まっていたが、1985年に金融緩和が始まったころから、東京の都心に地上げ屋が急に増えた。当時は「底地買い」と「地上げ」は別で、底地は大地主が一括して所有しているケースが多く、大手ゼネコンなどがビル建設のために一括して買収交渉したが、厄介なのはその土地に住んでいる借家人だった。

借地借家法では借家人の権利が強いので、底地を買収しても借家人を立ち退かせることができず、多額の補償金を要求される。最悪の場合は、用地買収額の7割を借家人が取る場合もあった。これが出て行かないと、底地だけ買ってもビルが建設できない。

そこで借家人を追い出すのが地上げ屋である。これは不動産の仲介業者ではなく、その委託を受けて借家人を追い出す業者で、元請けの名前は明かさなかった。大手不動産業者だとわかると、足元を見られて高値を吹っかけられるからだ。

地上げ屋には、今でいう反社が多かったが、暴力で追い出すと警察が来るので、暴力以外のあらゆる手段を使って借家人を追い出す。よくあるのは家の前に生ゴミや排泄物などを毎日置くいやがらせだった。家の前で右翼の街宣車が1日中がなり立てることもあった。借家人が根負けして出て行くまでいやがらせをした。

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再開発前の西新宿6丁目

地上げ屋が猛威をふるったのは、西新宿6丁目だった。都庁が西新宿に移転したあと再開発が進んだが、ビルの谷間に平屋の木造家屋が密集し、権利関係が複雑で用地買収が進んでいなかった。そこに目をつけた地上げ屋が、最上恒産の早坂太吉である。

早坂は同和問題をネタにして不動産でもうける「エセ同和」の大物、尾崎清光の子分だったが、分け前をめぐって喧嘩別れした後、尾崎は入院中の病院で殺害された。早坂は警察の取り調べを受けたが不起訴となり、事件は迷宮入りになった。

この事件を早坂は「おれは殺しの容疑で逮捕された男だ」と借家人を脅す殺し文句に使った。最初は早坂が借家人を脅して追い出し、細切れの土地を集めて地主に渡す。その資金源は第一相互銀行で、資金源はフジタ工業だった。売却額は470億円で、最上恒産は186億円の利益を得て、1986年の申告所得は前年度の380倍になって業界を驚かせた。

しかし早坂は所得税法違反で逮捕され、1993年に最上恒産は倒産。早坂が地上げした土地は空き地のままになり、焼け跡のような状態になった。その後も再開発は続けられ、バブルの遺産が消えたのは2010年代に入ってからである。

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アベノミクスの不発弾「国債バブル」をいかに処理するか

きょうからアゴラセミナー「日本病のカルテ」が始まる(申し込みはまだ受け付け中)。これは1990年代以降の日本経済の失敗を踏まえて経済政策や資産運用を考えようというものだが、最近の状況を見ると90年代初期の思い出がよみがえる。



特に不気味なのは金利上昇である。国際価格はこの5年で15%下がり、特に40年債は半値以下になった。国債バブルの崩壊が始まったと言ってもよい(図1)。これは必ずしも悪いことではないが、問題はそれがゆるやかに正常化するかどうかである。



図1 40年物国債の金利と価格(服部孝洋氏)

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なぜ金利上昇で円安になるのか(アーカイブ記事)

長期金利が急上昇し、株式の配当利回りと逆転した。これ自体は当たり前で、株式の主たる利益はキャピタルゲインなので、配当(インカムゲイン)だけを比べると債券のほうが高くなる。

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ただ異様なのは、ここ3年の長期金利の急速な上昇である。その一つの原因は、日銀総裁の交代である。黒田総裁は2022年末にYCCで激しく国債を買い支えたが、植田総裁はそういう金利操作をやめたからだ。

また長期金利は財政状況を反映する。通貨としては通常、日銀券だけが想定されるが、その残高は約120兆円。それに対して国債は約1100兆円と、ほぼ10倍である。両者の違いは金利がつくかつかないかだけだから、政府債務としては国債のほうがはるかに重要である。続きを読む

税率を上げずに税収を増やす簡単な方法

高市首相が財界の新年祝賀会で「税率上げずに税収増えていく日本の姿をつくる」とあいさつしたことが話題になっている。税率を上げないで税収を上げる一番簡単な方法は、インフレを起すことである。



物価が上がると、税率が同じでも名目成長率gの分だけ税収が増える。他方、政府債務も金利rの分だけ増えるので、政府債務比率が発散しないための条件(ドーマー条件)は

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だから、インフレでgを上げれば税収は上がり、財政は維持可能になる。しかしrを10年物国債の金利と考えると、図のように今年になって2%を超えている。名目成長率は約3%なので、このペースだと今年中にr>gとなる可能性がある。

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しかも20年物や30年物との差が大きい。それは日銀が10年物を買い入れて金融抑圧しているものと思われ、これがずっと金利上昇の続く原因になっている。

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高市政権の「無責任な積極財政」から資産をいかに守るか

「財政出動したらマンデル=フレミング・モデルで円高になる」と予言して失笑を買った(高市政権の御用エコノミスト)会田卓司氏が、正月からインフレ税を宣言している。

政府投資は短期的に需要を増大させるため、経済は景気過熱気味の高圧になる。日本経済の需要と供給の差を示す需給ギャップは2%程度まで需要超過にするのがいいだろう。一時的にインフレ圧力はかかるかもしれないが、いずれ供給力に転換してインフレは安定化する。

インフレが安定化する保証はない。このような「高圧経済」はバイデン政権がやって10%近い大インフレを招き、アメリカ経済が大混乱に陥ってトランプ政権の再登場を招いたものだ。

日本はいま需給ギャップがプラマイゼロで3%のインフレだが、これを2%の需要超過にすると、会田氏も認めるようにインフレ圧力がかかり、4%ぐらいになるだろう。

これによって税収が増えて名目GDPは増える一方、政府支出はそれほど増えないので、政府債務GDP比率は下がり、プライマリーバランスも黒字になる。インフレ税で財政は健全化するのだ。



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今年は「インフレ税」で社会保障改革が始まる

明けましておめでとうございます。

今年は1月9日から「日本病のカルテ:長期低迷をいかに脱却するか」というテーマでアゴラセミナーをやりますが、その一つのテーマが貯蓄過剰です。これはみなさんの資産を守る上でも大事な問題です。



日本経済が30年以上にわたって低迷している大きな理由は、預貯金が多すぎることです。特に資金を借りて投資するはずの企業が、1998年の金融危機から貯蓄過剰になりました。これは最初は銀行が融資を回収したためですが、その後も企業が自衛のために自己資金を増やし、図のように貯蓄過剰が続いています。

日本のISバランス(OECD)

家計の金融資産の中でも半分は現預金。今年は49.1%と少し下がりましたが、先進国では群を抜いて保守的なポートフォリオです。今はインフレなので、普通預金の実質金利はマイナス3%。つまり預金者は毎年3%も銀行に寄付しているのです。

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政府の実質債務を踏み倒す「インフレ税」(アーカイブ記事)

インフレ税がいろいろ話題になっているので、理論的な背景を整理しておこう。これは新しい理論ではなく、1990年代からFTPL(物価水準の財政理論)として知られている。これはMMTのようなトンデモ理論ではなく、その発案者クリストファー・シムズはノーベル経済学賞の受賞者である。

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「人為的な財政インフレ」は可能か

彼は2017年に来日して、安倍首相に「消費税の増税を延期すればインフレになる」と提言した。話が奇想天外なので、さすがの安倍氏も乗らなかったが、シムズはハイパーリカーディアンというおもしろい言葉で、日本の現状を表現している。
この種の議論をする際によく持ち出されるリカーディアン均衡(リカードの等価定理)的な考え方では、追加的な政府支出の効果は将来の増税予測によって相殺されるというが、現在は[日本では]相殺どころか、それ以上の増税を予測する「ハイパーリカーディアン」とでも呼ぶべき「期待」がむしろ広がってしまっている。
FTPLはインフレを貨幣的現象ではなく財政的現象と考える理論である。ここでは物価水準を無限の将来にわたる税収(プライマリー黒字)の割引現在価値で決まるものと考え、その均衡条件は、

 物価水準=名目政府債務/プライマリー黒字の現在価値 (1)

ここで名目政府債務は1300兆円だから、物価が1前後で安定しているということは、投資家が日本政府は将来1300兆円のプライマリー黒字を出すと予想していることを示す。

これは明らかに不可能だから、政府(財務省)は過剰に信頼されている。いずれ投資家は間違いに気づくだろうと思って、多くの専門家が金利上昇とインフレを予想したが、ことごとく外れた。なぜだろうか?続きを読む
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