エネルギー

河野太郎氏が核燃料サイクルを止めれば原子力はよみがえる



河野太郎氏の出馬会見はまるで中身がなかったが、きょうのテレビ番組で彼は「巨額の費用がかかる核燃料サイクル政策はきちんと止めるべきだ」と指摘し、「そろそろ核のゴミをどうするか、テーブルに載せて議論しなければいけない」と強調した。

青森県六ヶ所村の再処理工場は来年稼働することになっているが、河野首相になるとプラントそのものを解体することになるかもしれない。これは日本のエネルギー政策を根底からくつがえす大転換である。

続きはアゴラ

河野太郎氏の再エネ政策が森林を破壊する



河野太郎氏が自民党総裁選に出馬する意向を固めた。彼が本命だと思うが、そのエネルギー政策には問題が多い。彼の暴走の背景には、再エネ開発の挫折がある。すでに日本の平地面積あたり再エネ発電量は世界一。土地集約的な再エネが平地の少ない日本で行き詰まるのは、農業と同じだ。

これを打開するために河野氏は、内閣府の再エネタスクフォースを使って「規制改革」を要求しているが、これは逆である。再エネで後発の日本が世界最大の「再エネ大国」になったのは、民主党政権が2011年に火事場泥棒的に再エネに巨額の利益を保証する固定価格買取制度(FIT)を導入し、再エネを規制免除したからだ。

おかげで各地で乱開発が起こり、環境破壊や災害を心配する地元住民の反対運動が起こって開発が止まっている。奈良県平群町のメガソーラーでは森林破壊に地元住民が反対し、奈良県知事が工事停止を命令した。

スクリーンショット 2021-09-03 235719
平群町で止まったメガソーラーの工事(Yahoo!Japanより)

こういう問題が起こるのは、民主党政権がメガソーラーを建築基準法の適用除外にし、環境アセスメントも免除したからだ。特に建築確認が必要ないため、平群町のように48ヘクタールも山林を切り開いて約6万個の太陽光パネルを設置する工事にも、奈良県の許可が必要ないのだ。いま必要なのは、こんな無法状態の再エネの規制強化である。

続きは9月6日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

「再エネ最優先」がもたらす大停電の危機

第6次エネルギー基本計画は9月末にも閣議決定される予定だ。それに対して多くの批判が出ているが、総合エネルギー調査会の基本政策分科会に提出された内閣府の再生可能エネルギー規制総点検タスクフォースの提言は「間違いだらけだ」と委員から集中砲火を浴びた。

これについて再エネTFの原英史氏が反論しているが、批判に「レッテル貼り」というレッテルを貼っているだけで反論になっていない。

続きはアゴラ

エネルギー基本計画の致命的な欠陥

第6次エネルギー基本計画の素案が、資源エネルギー庁の有識者会議に提示されたが、各方面から批判が噴出し、このまま決まりそうにない。

電源構成については、図1のように電力消費を今より20%も減らして9300~9400億kWhにし、その中で再エネを36~38%と今の2倍にすることになっている。これは土地集約的なメガソーラーや風力の適地がなくなり、反対運動で行き詰まっている状況では不可能である。

図1(エネルギー基本計画素案より)

続きはアゴラ

地球温暖化は命を救う

ロンボルグもLancetの論文を紹介している。


凍死など寒さによる死亡率は、世界のどこでも熱中症などの暑さによる死亡率よりはるかに高い。世界でもっとも寒さによる死亡率が高いのはサブサハラのアフリカであり、インドでさえ寒さによる死者は暑さによる死者の7倍である。地球温暖化は、多くの命を救うのだ。

E44yVkEXoAABvp8続きを読む

地球の平均気温が上がると世界の死者は減る

権威ある医学誌The Lancet Planetary Healthに、気候変動による死亡率の調査結果が出た。大規模な国際研究チームが世界各地で2000~2019年の地球の平均気温と超過死亡の関連を調査した結果は、次の通りである。
  1. 「最適でない気温」によって、全世界で毎年508万人の超過死亡が出た。
  2. このうち寒さによる死者は459万人で、全死者の9.43%にあたる。
  3. 暑さによる死者は49万人で、0.91%である。
  4. 20年間に寒さによる超過死亡率は0.51%減り、暑さによる超過死亡率は0.21%増えた。
  5. 合計すると、気候変動で世界の超過死亡率は0.3%減った。
続きはアゴラ

太陽光バブルはウイグル制裁で終わる

バイデン政権が中国製太陽光パネルの輸入禁止を決めたのを受け、パネルの価格が急騰している。日本経済新聞によると、太陽光パネルとその部材ポリシリコンの価格は、昨年に比べて5倍になった。

https___imgix-proxy.n8s.jp_DSXZQO0775749001072021000000-1
日本経済新聞より

今回の制裁のきっかけは、ウイグルにある強制収容所で、ポリシリコンが製造されているというCSISの報告が、今年4月に出たことだった。2010年から10年間で中国製の太陽光パネルの世界シェアは26%から82%に激増した。

210419_Reinsch_Figure_1
世界の太陽光パネル生産量(CSIS)

世界の大手ポリシリコンメーカー5社のうち4社がウイグルにあり、今では世界のポリシリコンの45%がウイグルで生産されている。「太陽光発電が石炭火力より安くなった」といわれた原因は、ウイグルの強制労働だったのだ。その価格が5倍になると、補助金でつくられた「太陽光バブル」は終わるだろう。

続きは7月12日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

ESG投資って何?

このごろ世の中は「脱炭素」や「カーボンニュートラル」でにぎわい、再生可能エネルギーとか水素とかアンモニアとか、いろんな話が毎日のようにマスコミに出ています。それを後押ししているのがESG投資ですが、その意味がわからない人も多いと思います。

続きはアゴラ

なぜ2050年カーボンニュートラルなの?

政府は「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、「2030年CO2排出46%削減」という目標を決めましたが、それにはたくさんお金がかかります。なぜこんな目標を決めたんでしょうか。

Q1. カーボンニュートラルって何ですか?

図1のように今のまま何もしないと、地球の平均気温は2030年~50年ごろ1.5℃上がると予想されています。ここで温暖化を止めるには、2050年までに温室効果ガス(その8割がCO2)の排出を実質ゼロにする必要がある、とIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書は書いています。

図1 IPCC特別報告書より

この実質ゼロというのは森林などで吸収する分を引いて計算するので、「炭素中立」、つまりカーボンニュートラルというむずかしい言葉を使うのです。2050年にゼロにするには、2030年に半分ぐらい減らす必要がありますから、政府の46%目標は、1.5℃目標に対応しています。

続きはアゴラ

再エネは「主力電源」にはなれない

「脱炭素」は嘘だらけ
原子力は、かつて夢のエネルギーだった。ウラン1kgが核分裂反応で発生する熱は、石炭1kgの300万倍。自動車が馬車を駆逐したように原発が火力を駆逐するのは時間の問題だと思われたが、現実にはそうはならなかった。予想以上に安全設計のコストが上がったからだ。

技術には学習効果(ラーニングカーブ)があるが、一定の段階に達すると、本質的ではないコストが上がるネガティブ・ラーニングが起こるといわれる。火力では公害防止コスト、水力では立地コストが上がり、限界に達した。

同じようなネガティブ・ラーニングが今、再生可能エネルギーにも起こっている。太陽光や風力は、それが補完的な電源だったときは、送電網は電力会社にただ乗りしてFITで100%買い取ってもらえる楽なビジネスだったが、主力電源になるとそうは行かない。

太陽光や風力のシェアが増えると、蓄電・送電システムを維持する統合費用が大きくなる。次の図は経産省の有識者会議に提出されたRITEの資料だが、総発電量に占める太陽光の比率が50%を超えると統合費用が急激に上がり、700ドル/MWh(80円/kWh)に達する。これは現在の電力小売り価格の4倍である。

スクリーンショット 2021-06-20 180746
再エネの統合費用(RITE)

メガソーラーも風力も、森林破壊に対する反対運動や規制が制約になっている。こうして再エネのコストが上がると、FITなどの補助金でゲタをはかせても、他の電源と競争できなくなる。経験的には電源比率の20%ぐらいで限界が来るので、電源の17%になった再エネは、そろそろ限界だろう。

再エネ100%なんて不可能だし、その必要もない。アップルなどが「再エネ100%でない調達業者は排除する」というのも偽善である。雨の日も工場は稼働するのだから、これは「グリーン電力証書」のようなものを新電力から買うだけで、CO2削減にはまったく貢献しない。続きを読む



記事検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
Creative Commons
  • ライブドアブログ