エネルギー

原発のテロ対策工事で運転を停止する必要はない

原子力規制委員会は24日、原発の「特定重大事故等対処施設」(特重)について、工事計画の認可から5年以内に設置を義務づける経過措置を延長しないことを決めた。これは航空機によるテロ対策などのため予備の制御室などを設置する工事だが、予定より大幅に遅れ、5年の期限内に工事が終わらない見通しだ。



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鳩山由紀夫氏の体内にもある「トリチウム水」

鳩山元首相が、また放射能デマを流している。こういうトリチウムについての初歩的な誤解が事故処理の障害になっているので、今さらいうまでもないが訂正しておく。

続きはアゴラで。

エネルギー問題を「経済問題」として考えよう

今年も3・11がやってきた。アゴラでは8年前から原発をめぐる動きを追跡してきたが、予想できたことと意外だったことがある。予想できたのは、福島第一原発事故の被害が実際よりはるかに大きく報道され、人々がパニックに陥ることだ。これは1979年のスリーマイル島事故のときも、1986年のチェルノブイリ事故のときもそうだった。

意外だったのは、その心理的な影響が8年たっても衰えないことだ。これはアメリカよりヨーロッパに近い。スリーマイル島の被害は何もなく、チェルノブイリ事故による晩発性障害(放射性物質による発癌率の増加)の死者は50人しか確認されていないが、事故の当時は全ヨーロッパで「死の灰が降り注いだ」というパニックが起こり、その影響で今も反原発運動が続いている。

続きはアゴラで。

炭素税で「炭素の配当」を実現する提言

アメリカでは「グリーン・ニューディール」をきっかけに、地球温暖化が次の大統領選挙の争点に浮上してきた。この問題には民主党が積極的で共和党が消極的だが、1月17日のWSJに掲載された炭素の配当についての経済学者の声明は、党派を超えた経済学者のコンセンサスといえよう。

この提言は4人のFRB議長経験者と27人のノーベル賞受賞者を含む3508人によるもので、経済学者の政策提言としては史上最大である。これは炭素税を課税してその税収を国民に還元することを提言し、そのメリット(炭素の配当)はコストより大きいとしている。

続きはアゴラで。

「グリーン・ニューディール」で喜ぶのは誰か

アメリカ議会では、民主党のオカシオ=コルテス下院議員などが発表した「グリーン・ニューディール」(GND)決議案が大きな論議を呼んでいる。2020年の大統領選挙の候補者に名乗りを上げた複数の議員が署名している。これはまだドラフトの段階だが、公式サイトによると次のような目標を「10年以内に実現する」ことを連邦政府に求めるものだ(今は一時的に削除されている):
  • 電力を100%再生可能エネルギーで供給する
  • すべての住宅や建物のエネルギー効率を改善する
  • 製造業や農業の温室効果ガス排出をなくす
  • 自動車や航空機など交通機関の温室効果ガス排出をなくす
続きはアゴラで。

「ゼロリスク」を求める合理的な感情

原子力をめぐる誤解の最大の原因は、リスクが確率的な期待値だということを理解できない人が多いことだ。リスク(期待値)=ハザード(被害)×確率である。原発事故のハザードは大きいが、あなたがそれに遭遇する確率は低いので、原発事故で死ぬリスクは、戦後60万人以上が死んだ交通事故よりはるかに小さい。これは自明だが、小林よしのり氏から河野太郎氏まで、リスクの意味を理解できない人が多い。

なぜこんなにリスクを理解できない人が多いのか、という問題は自明ではない。その原因は、人間が恐怖という感情でリスク管理をしているからだろう。あなたが道を歩いていて、工事中のビルから大きな棒が落ちてきたら、それが何か確認しないで、とっさによけることが正しい。それが鉄筋だったら、死ぬこともあるからだ。他方、逃げて損するコストは小さい。落ちてきたのがボール紙だったとわかっても、笑い話ですむ。

だから恐怖は反射的に起こる感情で、理性的な計算を介さない。そういう恐怖をもたない人間は、進化の中でとっくに淘汰されたはずだ。つまり「ゼロリスク」を求める恐怖は合理的な感情であり、それはすべての人にそなわっている。他方で確率を計算できる人は1%もいないので、すべての人のもつ恐怖にアピールするマスコミは正しいのだ。

続きは12月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

「鉄腕アトム」の夢はなぜ消えたのか

原子力の歴史を振り返ると、初期には無限の夢が語られていた。1954年に原子力委員会(AEC)のストラウス委員長は原子力によって「電気代は測るには安すぎる(too cheap to meter)ようになるだろう」と述べ、1968年にシーボーグAEC委員長は「2000年までに世界のほとんどの国の電力は原子力で発電されるようになるだろう」と語った。

Di3lNo2U0AARY8J原子炉は内燃機関よりはるかに効率が高く、高速増殖炉でエネルギー源は無限に供給できる。人類は「原子力駆動」の宇宙船で火星旅行し、原子力で冷暖房完備の地下都市で暮らすようになるだろう、とシーボーグ(ノーベル物理学賞受賞者)は予言した。原子力エンジンが小型化されれば、船や自動車やロボットにも搭載されるだろう。

1952年に生まれた鉄腕アトムの動力は核融合で、10万馬力。トランジスタが集積回路になって劇的にコストが下がったように、原子力のコストも低下すると予想され、原子力船や原子力自動車が開発された。原子力のポテンシャルは化石燃料の100万倍以上であり、安全装置に多少カネがかかっても、その優位性がゆらぐことはない、と物理学者は考えた。それが挫折したのはなぜだろうか。

続きは12月10日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

原子力に「次世代」はあるのか



次世代の原子炉をめぐって、政府の方針がゆれている。日経新聞によるとフランス政府は日本と共同開発する予定だった高速炉ASTRIDの計画を凍結する方針を決めたが、きのう経産省は高速炉を「21世紀半ばに実用化する」という方針を明らかにした。他方で経産省は小型モジュラー炉(SMR)の開発も検討しており、戦略の方向が定まらない。

先月の言論アリーナでも議論したように、原子力産業が生き残るためには「次世代」の技術が必要だが、現状ではその展望はない。澤田哲生さんは高速炉に未来があると考えているようだが、私は高速炉をあきらめるべきだと思う。それは技術的には理想かもしれないが、ビジネスとして成り立たないからだ。

続きはアゴラで。

地球温暖化を止める確実だが危険な技術

IPCCは10月に出した1.5℃特別報告書で、2030年から2052年までに地球の平均気温は工業化前から1.5℃上がると警告した。これは従来の報告の延長線上だが、「パリ協定でこれを防ぐことはできない」と断定したことが注目される。

温暖化を防ぐ手法として、IPCCは大気の組成を変える「気候工学」の技術をいろいろ検討しているが、その中でもっとも安価で効果的なのはSAI(成層圏エアロゾル注入)である。IPCCも、SAIで確実に1.5℃上昇に抑制できると認めている。



続きはアゴラで。

世界の環境は改善されている

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、2030年までに世界の平均気温が産業革命前より1.5℃(現在より0.5℃)上昇すると予測する特別報告書を発表した。こういうデータを見て「世界の環境は悪化する一方だ」という悲観的な話があるが、これは誤りである。世界の環境は大幅に改善されているのだ。

続きはアゴラで。






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