エネルギー

河野太郎氏の否定する「小型原子炉」は成長産業


ここで河野氏のいう「今年3月のIAEAのファクトチェック」というのはネット上には見当たらない。IAEAは2020年から3年計画でSMRの経済性評価をしている途中なので、今年そういう「ファクトチェック」を出すことは考えられない。

これはおそらく今年3月にJAEA(日本原子力研究開発機構)の出した世界のSMR開発状況というレポートのことだと思われるが、そのどこにも「割高でコスト的に見合わない」とは書いてない。

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河野太郎氏のエネルギー問題についての知識は周回遅れ



きのうの日本記者クラブの討論会は、意外に話が噛み合っていた。議論の焦点は本命とされる河野太郎氏の政策だった。

第一は彼の提案した最低保障年金が民主党政権の時代に葬られたものだという点だが、これについての岸田氏の突っ込みは的確で、消費税の増税は避けられない。河野氏の答は曖昧で「高所得者には支給しない」という程度では財源問題は解決しない。消費税を上げ、社会保険料を下げるという政策を明示すべきだ。

最大の争点は原子力だが、これについても河野氏の答は曖昧だった。特に「再エネのほうが原子力より安いということが明確になった」という認識(49:30前後)は、最近の再エネタスクフォースと同じナンセンスな話である。

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核廃棄物の問題を解決する超簡単な方法

核廃棄物は全国の原発に1万8000トンあり、使用ずみ核燃料プールの75%が埋まっている。これを再処理しないとプールがあふれて原発が止まる――という話がよくあるが、これは錯覚である。

使用ずみ燃料を中間貯蔵する場所はいくらでもある。各発電所のサイト内にキャスクを置いて乾式貯蔵すればいいのだ。四国電力の伊方原発と九州電力の玄海原発では工事が始まっている。



今は最終処分までの一時的な保管方法ということになっているが、このまま100年置いても200年置いてもかまわない。乾式貯蔵は1980年代にできた枯れた技術で、安全性は問題ない。空気が循環するだけで冷却できるので、何もしないで放置しておけばいい。

サイト内だから立地問題はなく、警備もできる。何か起こっても地上に置いてあるので、すぐ対応できる。再処理をやめたアメリカでは、原発の廃棄物はすべてこの方式で処理しているが、何の問題も起こっていない。

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アメリカの発電所内のキャスク(connyankee.com)

つまり地下数百メートルに埋める「最終処分」は必要ないのだ。今まで最終処分は地層処分でやるという固定観念があり、「核のゴミ捨て場」になるのはいやだとか「10万年後の安全」がどうしたとかいう議論があるが、こんな話は無意味である。

最終処分地が見つからなくても、中間貯蔵地はむつ市や福島県など全国にあるので、そこにずっと置けばいい。六ヶ所村には300年分ぐらいの貯蔵スペースがあるので、地元との協定を改正して無期限に置けば、核廃棄物の問題は解決するのだ。それがヒッペルなどの提案である。

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河野太郎氏と石破茂氏は原子力をめぐって合意できるのか

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自民党総裁選挙で、石破茂氏が河野太郎氏を支援する方向になった。これで第1回投票で河野氏が過半数をとる見通しが強まったが、2人の間には原子力と核兵器をめぐる政策で大きな違いがある。この問題はややこしいので、超簡単に解説しておこう。

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河野太郎氏が核燃料サイクルを止めれば原子力はよみがえる



河野太郎氏の出馬会見はまるで中身がなかったが、きょうのテレビ番組で彼は「巨額の費用がかかる核燃料サイクル政策はきちんと止めるべきだ」と指摘し、「そろそろ核のゴミをどうするか、テーブルに載せて議論しなければいけない」と強調した。

青森県六ヶ所村の再処理工場は来年稼働することになっているが、河野首相になるとプラントそのものを解体することになるかもしれない。これは日本のエネルギー政策を根底からくつがえす大転換である。

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河野太郎氏の再エネ政策が森林を破壊する



河野太郎氏が自民党総裁選に出馬する意向を固めた。彼が本命だと思うが、そのエネルギー政策には問題が多い。彼の暴走の背景には、再エネ開発の挫折がある。すでに日本の平地面積あたり再エネ発電量は世界一。土地集約的な再エネが平地の少ない日本で行き詰まるのは、農業と同じだ。

これを打開するために河野氏は、内閣府の再エネタスクフォースを使って「規制改革」を要求しているが、これは逆である。再エネで後発の日本が世界最大の「再エネ大国」になったのは、民主党政権が2011年に火事場泥棒的に再エネに巨額の利益を保証する固定価格買取制度(FIT)を導入し、再エネを規制免除したからだ。

おかげで各地で乱開発が起こり、環境破壊や災害を心配する地元住民の反対運動が起こって開発が止まっている。奈良県平群町のメガソーラーでは森林破壊に地元住民が反対し、奈良県知事が工事停止を命令した。

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平群町で止まったメガソーラーの工事(Yahoo!Japanより)

こういう問題が起こるのは、民主党政権がメガソーラーを建築基準法の適用除外にし、環境アセスメントも免除したからだ。特に建築確認が必要ないため、平群町のように48ヘクタールも山林を切り開いて約6万個の太陽光パネルを設置する工事にも、奈良県の許可が必要ないのだ。いま必要なのは、こんな無法状態の再エネの規制強化である。

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「再エネ最優先」がもたらす大停電の危機

第6次エネルギー基本計画は9月末にも閣議決定される予定だ。それに対して多くの批判が出ているが、総合エネルギー調査会の基本政策分科会に提出された内閣府の再生可能エネルギー規制総点検タスクフォースの提言は「間違いだらけだ」と委員から集中砲火を浴びた。

これについて再エネTFの原英史氏が反論しているが、批判に「レッテル貼り」というレッテルを貼っているだけで反論になっていない。

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エネルギー基本計画の致命的な欠陥

第6次エネルギー基本計画の素案が、資源エネルギー庁の有識者会議に提示されたが、各方面から批判が噴出し、このまま決まりそうにない。

電源構成については、図1のように電力消費を今より20%も減らして9300~9400億kWhにし、その中で再エネを36~38%と今の2倍にすることになっている。これは土地集約的なメガソーラーや風力の適地がなくなり、反対運動で行き詰まっている状況では不可能である。

図1(エネルギー基本計画素案より)

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地球温暖化は命を救う

ロンボルグもLancetの論文を紹介している。


凍死など寒さによる死亡率は、世界のどこでも熱中症などの暑さによる死亡率よりはるかに高い。世界でもっとも寒さによる死亡率が高いのはサブサハラのアフリカであり、インドでさえ寒さによる死者は暑さによる死者の7倍である。地球温暖化は、多くの命を救うのだ。

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地球の平均気温が上がると世界の死者は減る

権威ある医学誌The Lancet Planetary Healthに、気候変動による死亡率の調査結果が出た。大規模な国際研究チームが世界各地で2000~2019年の地球の平均気温と超過死亡の関連を調査した結果は、次の通りである。
  1. 「最適でない気温」によって、全世界で毎年508万人の超過死亡が出た。
  2. このうち寒さによる死者は459万人で、全死者の9.43%にあたる。
  3. 暑さによる死者は49万人で、0.91%である。
  4. 20年間に寒さによる超過死亡率は0.51%減り、暑さによる超過死亡率は0.21%増えた。
  5. 合計すると、気候変動で世界の超過死亡率は0.3%減った。
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