テクニカル

STAP細胞は過失か捏造か

理研の中間報告をめぐって混乱した議論が散見されるので、細かいことだが補足しておく。Nature論文が撤回されることは確実だが、事件の本質はそこにはない。重要なのは、次の問題だ。
  1. STAP細胞が本当にできたのか
  2. 過失によって他の細胞と混同したのか
  3. それとも意図的にデータを捏造したのか
続きを読む

神話の構造とマスキン単調性

先日の記事の続き。シュミットの「独裁かアナーキーか」という二律背反は普遍的で、近代社会では克服が困難だが、ゲーム理論で考えると解決策がある(きわめてテクニカル)。
続きを読む

独裁の合理性

きのうの読書塾でかなり説明したが、やはりむずかしいようなので補足(ほとんどの人は読む必要がない)。
続きを読む

都市が資本主義を生んだ

ギンタスの訳者の川越敏司氏からのコメントに答えて、メモしておく。さっきの記事でも書いたように、所有権=既得権を守ることは進化的安定戦略だが、複数均衡のもとでは「最適」とは限らないので均衡選択のアルゴリズムが必要だ。これはギンタスも認識しているが、そこから話が「ベイズ的合理性」に逆戻りし、袋小路に入ってしまう。
続きを読む

人はなぜサンクコストを錯覚するのか

前にも書いたように、細川護煕氏や小泉純一郎氏が「原子力に過去に投じられたコストが天文学的」だから原発は高価だというのは、サンクコストの錯覚である。これは大島堅一氏のような研究者まで勘違いしているぐらいよく起こる。
続きを読む

開かれた社会におけるナッシュ均衡の不可能性

社会心理学講義:〈閉ざされた社会〉と〈開かれた社会〉 (筑摩選書)
本書のテーマは副題にある<閉ざされた社会>と<開かれた社会>だが、その問題設定は丸山眞男に依存しており、答も彼の「古層」と表層の二層構造だ。そこまでは周知の話で、それをどう理論的に説明するかが問題だが、最後は免疫とかアメーバとかいう比喩に逃げてしまう。そもそも両者の定義もはっきりしない。

ただ著者のいいたいことはわかる。日本社会の直面している問題は政権交代とか規制改革とかいうレベルではなく、閉ざされた社会から開かれた社会へのルールの変更である。両者の中間はないので、現状維持することはある意味で合理的な行動なのだ。
続きを読む

法とは政治である

きのうの記事の続き。これはいま書いている本の結論部分なのだが、自分でも結論が出ないので、ここにメモして考えてみる(ほとんどの人は読む意味がない)。
続きを読む

「法実証主義」という誤訳

アゴラの書評の補足。『鑑の近代』には法実証主義という言葉がたくさん出てくる。これはlegal positivismの訳語だが、意味不明な誤訳である。もちろん定訳なので著者の責任ではないが、彼も説明しているように、これはpositive law(実定法)の派生語であり、科学の実証主義とは関係ない。本来は(positive law)ismという意味だから、実定法主義と訳すべきだ。
続きを読む

ヨーロッパ政治思想の誕生

ヨーロッパ政治思想の誕生
法の支配の起源が12世紀以降の教会法にあることは、バーマンなどの指摘するところだが、それはどのようにして世俗的な法秩序になったのだろうか。本書はきわめて専門的な文献考証で一般向きではないが、国家と宗教の関係を考える参考になる。

教会法の原型になったのは、12世紀に再発見されたローマ法(ユスティニアヌス法典)である。それまでのヨーロッパの法律は、ローカルな民間法しかなかったが、カトリック教会が全ヨーロッパに浸透すると、その官僚組織を統制する法律が必要になった。それが教会法である。
続きを読む

法の支配のゲーム理論的な意味

キリスト教による「神の支配」は近代国家の「法の支配」の原型であり、これがアジアと西洋をわける決定的な分水嶺である。この意味をゲーム理論で考えてみよう。
続きを読む



記事検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
Creative Commons
  • ライブドアブログ