テクニカル

日本軍はなぜ半分も餓死したのか

きのうアゴラ読書塾で話したことだが、日本軍は戦争に負けたのではなく、補給の失敗で自滅した。その原因はいまだに十分解明されていないが、これは資源配分の問題と考えると理解できる。これには二つの解法がある。一つは市場経済などによってボトムアップで答を見つける方法、もう一つはトップダウンの計算で解く方法である。拙著『ハイエク 知識社会の自由主義』から引用しておく。
続きを読む

天皇制の経済学(続き)

おとといの記事のおまけ。Aghion-Tiroleの理論は単純なので、いろいろ応用がきく。これを国家にあてはめると、こんな感じだ。

aghion
続きを読む

天皇制の経済学

日本の国家から企業に至るまで、優秀な部下と無能な上司が遍在する原因を経済学で考えてみよう。契約理論を知っている人ならすぐ思いつくのは、Aghion-Tiroleの有名な論文だろう。これはGrossman-Hartのモデルに「情報」の次元を加え、次の図のように形式的な権威実質的な権威の2次元で効率的な組織形態を考えるものだ。この形式的な権威は法的な所有権で、実質的な権威は情報で決まる。
aghion
続きを読む

なぜ現場は優秀なのに指揮官は無能なのか

今週の福島第一原発の記事について「日本では、どこへ行っても優秀でまじめな現場と無能で何も決めない指揮官がいる」とコメントしたら、多くのRTがあった。これは日本のサラリーマンの永遠のテーマだが、その答がマルクスにある、といったら我田引水だろうか。彼は1867年の「暫定一般評議会代議員への指示」で、次のように書いている。続きを読む

供給ショックがスタグフレーションをもたらす

潜在成長率とか需給ギャップという概念は、中高年のみなさんの勉強した「どマクロ」経済学には出てこないので、わかりにくいようだ。最近のニューケインジアンの教科書のモデルを使って簡単に整理しておこう。

adas
続きを読む

物価上昇をどうして2%にしなければいけないのか

きのうの記事の補足。まず注意が必要なのは、潜在成長率やGDPギャップというのは、直接みえる数字ではなく、いろいろなデータをもとにして特定のモデルで推定したもので、その手法によって大きな差が出るということだ。日銀の展望レポートでは足元の需給ギャップ(GDPギャップ)を「ほぼゼロ」としているが、内閣府は-1.6%と推定している。ここでは日銀の数字をもとに考えよう。

キャプチャ
続きを読む

マルクスは正しかった

ロバート・ソローが、ピケティの本について長文の書評を書いている。資本主義のご本尊みたいな人がマルクス主義者の本を「ピケティは正しい」と評価するのは驚くが、その内容は原著を理論的に明快に説明しており、示唆に富む。

彼の解釈は、要するに「ピケティの示しているのは新古典派成長理論の定常状態だ」ということである。いま労働人口と技術を一定とし、Kを資本ストックとする。所得Yが資本Kで決まる収穫逓減の生産関数Y=F(K)を考え、貯蓄率をsとする。投資は貯蓄に等しくなるのでsYになり、資本の減耗率をdとすると、新古典派成長理論では資本蓄積がその減耗と等しくなるまで成長し、sY=dKとなる点K*で定常状態になる。

solow
続きを読む

なぜ人手不足になるの?(上級編)

さっきの続き。以前の記事で紹介したUV分析で、人手不足の原因を考えてみよう。下の図は、労働研究・研修機構が1960年代以降の雇用失業率(自営業などを除く失業率)と欠員率(人手不足)の関係をプロットしたものだ。2000年代に入って上方にシフトし、人手不足と失業が増えたが、2010年代に雇用が改善して右下に移ってきた。

キャプチャ
続きを読む

独裁力がなぜ必要か

さっき配信したメルマガの付録。あまりにも複雑になるので省いた話を書いておく(非常にテクニカル)。
続きを読む

理研の「STAP細胞調査報告書」を読む

小保方氏が不服申し立てする予想外の展開になったので、理研の「研究論文の疑義に関する調査報告書」を読んでみたが、疑惑が解明されたとは到底いえない。ここで研究不正があったと結論した2点について、小保方氏の弁護士はこう反論している。
レーン3の挿入について:Figure1iから得られる結果は,元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません。そもそも,改ざんをするメリットは何もなく,改ざんの意図を持って,Figure1iを作成する必要は全くありませんでした。見やすい写真を示したいという考えからFigure1iを掲載したにすぎません。
続きを読む



記事検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
Creative Commons
  • ライブドアブログ