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アゴラ・シンポジウム第1回「創造的破壊の時代」

大不況の中で、日本経済の将来についても悲観的な見方が広がっています。しかしピンチはチャンスでもあります。特に在来型のメディアが没落し、インフラのコストが「クラウド」化によって下がっている今は、新しいサービスを立ち上げる可能性も広がっています。ただ、それをはばむ雇用慣行やファイナンスなどの壁も多く、こうした制度改革に政府は熱心ではありません。

このシンポジウムでは、言論プラットフォーム「アゴラ」のメンバーを中心に、日本経済の閉塞状況で何を破壊し、何を創造するか、そして新しいビジネスチャンスはどこにあるかを考えるとともに、ビジネスマンや起業家のみなさんの交流をはかりたいと思います。申し込みフォームはこちら

5月30日(土)13:00開場
会場:情報オアシス神田(地図
入場料:1万円(懇親会費込み)学生は半額(学生証が必要)
定員:100名(締め切りました
主催:アゴラ

第1セッション 大不況をいかにして突破するか 13:30~15:30
城 繁幸(人事コンサルタント):キーノート・スピーカー
池尾 和人(慶応大学教授)
西 和彦(尚美学園大学教授)
池田 信夫(アゴラ管理人):コーディネーター

第2セッション 次世代ベンチャーの挑戦 15:45~17:45
村上 憲郎(グーグル・ジャパン名誉会長):キーノート・スピーカー
小川 浩(株式会社モディファイ CEO)
森 航介(株式会社フィルモア・アドバイザリーCEO)
渡部 薫(起業家)
池田 信夫:コーディネーター

第3部 懇親会 18:00~19:30

Inflation or Deflation?

Mankiw's blogより:



Inflation or deflation?
Tell me if you can
We'll become Zimbabwe
Or we'll become Japan.

小倉秀夫弁護士による事実無根の中傷について

東京弁護士会所属の小倉秀夫弁護士は、4月16日のブログ記事において、私の記事を「素人談義」と呼んで次のように書いた:
池田さんの場合,修士,博士等の学位を取られたメディア学ではなく,経済学の分野で生きていこうとしているような気がして,少々心配になります。[・・・]経済学に関して学士しか取得していない段階では,経済学の研究者としては「学位が十分ではない」といわれても,きっと怒らないことでしょう。
この記述は事実誤認である。第一に、私の学位は「メディア学」ではない。慶應義塾大学大学院の政策・メディア研究科から授与された学位は、学術博士(政策・メディア)である。この研究科には「総合政策」と「メディア」の二つの専攻があり、私の所属していたのは総合政策学(経済学・政治学など)である。

第二に、私が「経済学に関して学士しか取得していない」というのも事実誤認である。私の博士論文は、総合政策学部の岡部光明教授(経済学)を主査とし、スタンフォード大学経済学部の青木昌彦名誉教授らを副査として審査され、その内容も経済学に関する研究である。一部は学会誌に掲載され、論文全体は『情報技術と組織のアーキテクチャ』としてNTT出版から公刊された。

研究者にとって学位はもっとも重要な資格であり、それを取得するために5年近い歳月をかけるものである。それを「素人」呼ばわりすることは、私だけでなく博士論文を審査した経済学者および慶應義塾大学の名誉を毀損し、私の業務を妨害する行為である。

小倉弁護士は、こうした中傷の常習犯である。これまでにも、「人命のために企業活動が制約されるということが池田先生には許せない」とか、私が「企業活動の自由に人命等の価値よりも優越的な価値を見出す」といった嘘を繰り返し、矢部善朗弁護士についても「[創価学会が]運営する大学院って,これといった著書・論文等がなくとも,信者に教授の肩書きを与えることができる」と書いて抗議され、撤回している。

以上の点について私は小倉氏に電子メールで記事を撤回するよう求めたが、彼が拒否したため、この記事を公開せざるをえない。このように虚偽によって他人を攻撃する性癖のある弁護士が法廷で弁論を行なうことは、公正な裁判の障害になるおそれが強い。今後もこのような中傷が繰り返されるなら、東京弁護士会に懲戒請求を行なう。

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし

私は大学で教えているので、学生に「先生」と呼ばれるのはかまわないが、それ以外の人に先生と呼ばれるのは違和感がある。これは誰でも同じらしく、RIETIでは「先生は禁止」というルールをつくった。東大には「自分が教わった教師以外は先生と呼んではならない」という「根岸ルール」があるそうだ。

特に不愉快なのは、官僚が日常会話にもすべて「先生」をつけることだ。これは政治家と同じで、言外に「お前は祭り上げておくが、決めるのはこっちだ」という軽蔑のニュアンスを感じる。このごろは外人も「先生」をつけるようになった。日本の事情にくわしくなると、政治家とか教師とか弁護士とか医者とか、社会から馬鹿にされつつ形式的に尊敬されている職業につける敬称であることを理解するらしい。

企業の中では「課長」「部長」というように肩書きで呼ぶのが日本のマナーだが、これも外人がみると奇異に映るようだ。外資系企業では、同僚は(日本語でいうと)呼び捨てで、ほとんどはファーストネームで呼ぶ。日本人には「さん」をつけるが、外人どうしてMr.をつけることは上司でもまずない。ただ中国では「先生」という敬称が「さん」に近い感じで使われているので、日本語は中国圏なのかもしれない。

こういうマナーは意外に重要で、日本でもマスコミは「さん」が多い。朝日新聞は民主主義だから社長も「さん」で呼ぶ――と入社試験のとき教えられた。NHKもそれに近く、ほとんど「さん」だ。出演者にも「先生」はつけないのが原則だ。

こういう問題は、sociolinguisticsという分野で実証的に研究されている。言語が主語と述語でできているなどというのはインド=ヨーロッパ語族の自民族中心主義で、大部分の言語には主語も述語もない代わり敬称や敬語が発達している。その典型が日本語だ。『源氏物語』には主語はないが、敬語によって人間関係は正確にわかる。日本語にyouに相当する代名詞がないのも、同じ共同体に所属している人々の会話なので主語は自明だったからである。相手をいちいち「**さん」と呼ぶのはわずらわしいが、時枝誠記も指摘したように、もともと日本語に主語はないのだ。

警察発表について

高橋洋一氏が、窃盗の容疑で書類送検されたようだ。私のところにまで取材が来たが、私は何の一次情報も持っていない。メディアに出ているのは警察発表だけで、読売の第一報には不自然な点が多い。「庭の湯」に電話した人の話によると、
  • ロッカールームには監視カメラはない
  • ロビーの貴重品ロッカーにはカメラがある
とのことなので、「防犯カメラに似た男が写っていた」という話と「ロッカーは無施錠だった」という話は矛盾する。わざわざ貴重品ロッカーに入れて施錠しないということは、(犯罪を誘う目的でもなければ)普通は考えられない。警察が来るまで風呂に入っていたのも変だし、「どんな人が持っているのか興味があった」という動機も意味不明だ。警察がかなり作文している疑いがある。

報道から推測すると、事件がまったくのでっち上げということは考えにくいが、報道の仕方が奇妙だ。24日に発生した事件が、30日の読売夕刊に出たのはなぜだろうか。普通は、この程度の置き引きで逮捕もしなかった事件を警察がいちいち発表することはない。窃盗の場合は余罪を疑って身柄を拘束することが多いが、今回は警察も本人の社会的地位に配慮したと思われる。

それが今ごろ読売に出たのは、夜回りで警察関係者が「こんなおもしろい事件があったよ」と明かしたのかもしれない。有名人の場合は、被害者がメディアに売り込むこともある。さらに勘ぐれば、事件のファイルにアクセスできる人物が垂れ込んだ可能性もある。財務省は高橋氏の身元を洗っているらしく、彼も「金とか女とかあらゆるガセネタを流された」といっていた。

このように警察発表は人生を変えてしまう大きなインパクトがあるが、裁量の余地が非常に大きい。記者クラブに所属している記者の交通事故は、死亡事故でもないかぎり、まず発表されない。NHKでも、理事が暴力金融から不正融資を受けたことが発覚して退職した事件もあったが、メディアにはまったく出なかった。こうした事件を「押さえる」のが社会部長の重要な仕事で、人事異動のときには自民党のどの派閥が社会部長をとるかが大きな争点になる。

いずれにせよ本人がコメントしていないので、今のところ真相は不明というしかない。こういう事件は高橋氏の言論の内容とは無関係なので、「アゴラ」では引き続き、彼に発言の場を提供する。明日から正式サービスを開始する予定である。

池尾・池田本のビデオ


13日に丸善でやった『なぜ世界は不況に陥ったのか』のトーク・セッションのもようが、YouTubeにアップロードされた。レジュメはこちら。

パート1
パート2
パート3
パート4
パート5
パート6

なお、池尾さんが明日(金曜)の夜8時から、CS朝日ニュースターの「ニュースの深層」に出演するそうだ。

Hey Paul Krugman



ポール・クルーグマン、どうして君は政権に入らないんだ。ティモシー・ガイトナーは**だよ。おれたちには君が必要なんだ。NYタイムズなんかで文句いってないで、財務長官になってくれよ。


ダーウィン(?)の言葉

これはダーウィンの言葉として有名だが、『種の起源』には見当たらない。しかし資本主義の本質をもっとも的確に表現した言葉だろう。

イノベーションの経済学 講義録

Next Global Jungleで、YouTubeにアップロードされた私のSBI大学院大学の講義を、ほぼ逐語的に書き起こしてくれた(YouTubeの画像つき)。全部で7時間だから、原稿用紙で約400枚。本1冊分だ。これを私の学生でも何でもない人が、ボランティアで(1ヶ月以上かけて)やってくれるのだから、ウェブってすごい。ありがとう。

第1章 イノベーションとは何か
第2章 イノベーションの思想史
第3章 経済成長と生産性
第4章 起業家精神
第5章 技術革新
第6章 ファイナンス
第7章 知識のマネジメント

いま本の執筆を2冊かかえているが、それが終わったら、この講義録をもとにして(もっと学問的に厳密に)『イノベーションの経済学』という本を書くつもりだ。まだ版元は決めていないので、出していただける出版社があれば連絡をください。

小倉秀夫弁護士の詐欺的な論理

私のほうは相手にする気はないのだが、小倉氏がいつまでも粘着してくるので、簡単にお答えしておく(ほとんどの人には興味がないと思うので、無視してください)。彼の議論は、その内容以前に論理が破綻していることが多い。小倉ヲチでくわしくフォローしているように、
これを初めて使ったのはゾンバルトである(Wikipediaにも書いてある)。
と書いたら、小倉氏
ゾンバルト(Werner Sombart)なんてどこにも出てきません。
と書いたので、私は同じコメント欄でWikipediaの次の文章を引用した。
However, the first use of capitalism to describe the production system was the German economist Werner Sombart, in his 1902 book The Jews and Modern Capitalism (Die Juden und das Wirtschaftsleben).
そうするとは、
マルクスより先に「Capitalism」ないし「Capitalist」という言葉を使った人として英語版wikiで紹介された人の中には「ゾンバルト(Werner Sombart)」なんてどこにも出ないのですが。
と後から条件文を挿入するのだ。これは法廷で「証拠の文書には被告の名前はどこにも出てきません」と主張した弁護士が、検察側に「出ているじゃないか」と指摘されると「被告は犯人としてはどこにも出ないのですが」と言い逃れをするようなものだ。裁判官は「被告の名前は文書に出ている。代理人の最初の弁論は撤回してください」というだろう。

彼は他人に「新自由主義」などというレッテルを勝手に貼って、ピノチェトと同じだとか「人命に特段の価値を見出さない」だとか名誉毀損に等しい攻撃を繰り返す。きょうの記事ではこうだ:
「構造改革」が労働者への労働の成果の配分の現象を生じさせるものであれば,それは家計収入自体の減少をもたらしますから,国内需要が減少するのは当然のことです(原文ママ)
この文章は(誤字を訂正すれば)つねに正しい。トートロジーだからである。したがって、ここから何も意味のある命題を導くことはできない。私が「構造改革で需要は増える」と書いているのに、それとは逆の仮定を置いて何事かを証明したつもりになっている彼が、素人なら何もいう気はない。彼はこれでも弁護士免許をもち、法廷で弁論を行なう弁護士なのだ。自動車の免許だけではなく、司法試験も定期的に再試験をしたほうがいいのではないか。








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