法/政治

西村大臣を更迭してコロナ対策を一新せよ


最初は西村康稔経済再生相(コロナ担当)の失言と思われていた飲食店に圧力をかける行政指導は、内閣官房コロナ対策室長から金融庁・財務省・経産省に出された「事務連絡」によるものであることが明らかになった。

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飲食店への酒の納入禁止は違法な行政指導だ



12日から4回目の緊急事態宣言が始まるが、西村康稔経済再生担当相(コロナ担当)は、酒の提供禁止の要請を守らない飲食店には「金融機関からも働きかけを行っていただきたい」と銀行の融資制限を求めた。これは批判を浴びて撤回したが、飲食店に酒の納入を禁止する「事務連絡」は予定通り出された。

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赤木俊夫氏を自殺に追い込んだのは誰か

森友事件で自殺した元近畿財務局職員、赤木俊夫氏の遺した「赤木ファイル」が開示され、これについて安倍前首相がFacebookでコメントしている。



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オリンピックを決行するなら緊急事態宣言をやめよう

文春オンラインに掲載されたIOC(国際オリンピック委員会)のディック・パウンド委員のインタビューが大反響を呼んでいる。文春によると、彼はこう発言した。

――日本の世論調査では今夏の開催に8割が否定的だ。

「昨年3月、延期は一度と日本が述べたのだから、延期の選択肢はテーブル上に存在しない。日本国民の多くが開催に否定的な意見であるのは、残念なこと。ゲームを開催しても追加のリスクはないという科学的な証拠があるのに、なぜ彼らはそれを無視して、科学的なことはどうでもいいと言うのか。ただ『嫌だ』と言っているだけではないのか。開催したらきっと成功を喜ぶことだろう」

日本人だったら、開催を強行できる立場だったとしても「ご理解をお願いしたい」とへりくだるところだが、世界中の政府から陳情を受けるIOCの辞書には「謙虚」という言葉がないようだ。しかしIOCには、一方的に開催を強行する権限があるのだろうか。

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官が弱く民が強い「大家族モニタリング」

コロナの第4波は、これまでとは違う様相をみせている。大阪府の死者は毎週30人(100万人あたり)と、インドの21人より多く、ピークアウトする様子がない。その原因は不明だが、死者が異常に多いのは、医療崩壊に近い状況になっていると思われる。

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新型コロナ死者(7日間・100万人あたり)札幌医科大学

人口あたり病床数が世界一の日本で、医療が逼迫する原因は明白である。病院の8割が民間病院で、医療法では行政が病院に患者受け入れを指示できないからだ。おかげでコロナ患者の8割以上を公立・公的病院が受け入れ、民間病院は18%しか受け入れていない。今年の感染症法改正で、自治体が民間病院にも患者受け入れを「勧告」できるようになったが、罰則はない。

これには医師会の強力な政治力という特殊要因もあるが、日本の行政指導はもともと「お願い」ベースで、法的な強制力がないのが特徴である。それは官が強いからではなく、民の自主性を尊重しているからでもない。役所は特殊法人や業界団体を通じて大企業を監視し、親会社が子会社を監視する大家族モニタリングで行政コストを節約しているからだ。

これは平時には効率的である。日本の公務員が人口比で先進国最少なのは、こういうイエ社会の大家族システムを利用しているからだ。しかしこれは平時に最適化したコンセンサスベースのシステムなので、非常事態に資源を総動員できない。大家族の「家長」である業界団体が抵抗すると、役所は何もできないのだ。

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安倍首相が自民党を「合理化」した



福島第一原発をめぐる「処理水」の問題で重要なのは、その海洋放出が決まったことではない。それしかないことは、2013年に言論アリーナで田原さんと私が東電の姉川常務から話を聞いたとき、わかっていたことだ。

驚くべきなのは、その自明の意思決定がそれから8年もできなかったことである。これについて原子力規制委員会の田中俊一元委員長が、細野豪志氏との対談で貴重な証言をしている。
田中:当時私が海洋放出を申し上げた時、ある程度はやむを得ないだろうという結論に達していたんですよ。後はもう、問題が起きたら政治が責任を取ります、と言ってもらえばいいんだ、と。官邸まで私、行ったんですよ。

細野:お辞めになる随分前ですよね。

田中:原子力規制委員長に就任して2年目、2014年ごろですね。それで当時の経産大臣が、「じゃあ私がやる」と約束したから、これで片付くと思ったら、やらなかった。そしてその後、「汚染水処理対策委員会」ができて…

田中氏が福島第一原発を視察したのは2014年の12月12日なので、この「経産大臣」は宮沢洋一氏だと思われるが、原子力規制委員会がOKを出し、経産省も海洋放出するつもりだったのに、その上のレベルで立ち消えになった。規制委員会と経産省の決めた答をくつがえせる人は、一人しかいない。続きを読む

アメリカの「外圧」は現代の天皇である

日米首脳会談を前に、いろいろな宿題がバタバタと動き始め、福島第一原発の「処理水」は8年ぶりに海洋放出が決まった。このように外圧がないと決まらない日本の政治の特徴を「対米従属」と批判する人が多いが、アメリカがそれほど決定権をもっているわけではない。その役割は戦前の天皇に似ている。

日本社会の「古層」には、イエ型の分権的な意思決定が根強く残っている。その基盤となった長子相続は制度としてなくなったが、「家長」が一族郎党を指導し、他のイエと利害調整するスタイルは、大企業にも役所にも残っている。これはメンバーの行動についての知識を共有する点でゲーム理論のナッシュ均衡に近い。

ナッシュ均衡が成立するには、相手がどういう場合にどう行動するかを予想して行動し、相手もそれを知っている…という共有知識が必要だ。これは教科書に出てくる2×2ぐらいのゲームならいいが、10×10になると1010=10億通りの戦略空間を全員が完璧に知っている必要がある。

もちろん現実にはそんな共有知識は不可能なので、ナッシュ均衡は数百人以上の集団では維持できない。生物学的にも、人間が顔を覚えられるのは150人ぐらいのダンバー数が限度とされる。これが古代の親族集団(ウジ)に近い。

集団の規模がダンバー数を超えたとき、ウジを超える機能集団(社団)ができてウジを結びつけるが、その形態は地域によって異なる。多くの場合は地縁集団(村落)だが、その紛争が頻発すると、社会全体を統合する君主が必要になる。これはナッシュ均衡とは異なる相関均衡に近い。

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独裁とデモクラシーの制度間競争



昨今のコロナ騒動で、デモクラシーの意味があらためて問われている。医学やテクノロジーの専門家を民主的な政府がコントロールするというのが近代国家の原則だが、今や大衆がネットで知識を得るので、専門知識はブラックボックスではない。

そうすると従来のように政府が専門知識を独占して決定するという前提が崩れ、だれもが意思決定に参加しようとして政府を批判し、収拾がつかなくなる。それに対して中国のような独裁国家は、情報を共産党が独占してロックダウンもできるので、感染症をコントロールする上では効率的である。

このような競争は、100年前にも起こった。第一次大戦は帝政と民主政の制度間競争だったが、後者の圧倒的な勝利に終わり、ドイツ、ロシア、オスマン、オーストリア=ハンガリー帝国が消滅した。総力戦では武器だけではなく、経済力や国民の支持が必要なので、国王のための戦争ではなく、主権者たる国民が祖国のために戦う西欧型デモクラシーは、戦争に勝ち抜く上で最強の政治システムだった。

今は逆の制度間競争が起こっている。中国の独裁制は意思決定の効率が高く、コロナを征圧する上でも有効だった。中国のGDPは2028年に世界一になり、日本は中国の衛星国家になるかもしれない。
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テスラ社外取締役が日米首脳会談に関与する利益相反

4月9日に日米首脳会談が行われる予定だが、その事務局になるのが国連特使の水野弘道氏である。彼はテスラの社外取締役でありながら経産省参与となり、昨年10月に菅首相が打ち出した「2050年カーボンニュートラル」に影響を与えたといわれる。これは利益相反ではないかと週刊新潮に指摘されて経産省参与を辞任し、国連特使に転出した。


彼が菅首相に見せたといわれる「水野メモ」が関係者に出回っているが、そこには「テスラの時価総額は日本の自動車メーカー9社の時価総額の合計を上回っている」とか「日本がカーボンニュートラルを打ち出さないとESG投資に取り残される」などと書かれ、特に電気自動車へのシフトを強調している。

これを受けて経産省は、2030年代なかばまでに乗用車新車販売の「電動車」の比率を100%とする方針を打ち出した。この電動車はハイブリッド車を含むが、ガソリン車は全面禁止になって日本メーカーは苦境に陥り、テスラは日本で売りやすくなる。これはテスラへの利益誘導ではないか。

彼が日米首脳会談の事務局をつとめるのは、さらに大きな問題がある。これは4月22日からアメリカで開かれる「気候変動サミット」の一環なので、日米共同声明でカーボンニュートラルや石炭火力の新設禁止などの方針を打ち出すことが予想される。そういう政府の環境政策にテスラ取締役が関与するのは国益に反する。

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「日本版FCC」は機能するか

アゴラにも書いたように、通信・放送行政を独立行政委員会に分離すべきだという議論は昔からある。民主党政権でもマニフェストで「日本版FCC」がうたわれ、オークションを可能にする電波法改正も行われたが、安倍政権で総務省が元に戻してしまった。

このように総務省が裁量行政にこだわるのは、それによってマスコミを支配できるからだ。今どき放送法4条で「政治的中立」を求めているのも、先進国では日本ぐらいだ。欧米では200~300局も衛星やケーブルでテレビが見られるので、すべてに政治的中立を求めることはできないし、その必要もない。多くのチャンネルの中から、視聴者が選べばいいのだ。

ところが日本では、読売新聞から朝日新聞まで放送法4条の撤廃反対で歩調を合わせる。規制改革推進会議もそんなことをいってないのに、御用文化人まで「第4条で言論の自由を守れ」というのには驚いた。第4条は放送局の言論を規制する(憲法違反の疑いの強い)規定なのに、彼らの話は支離滅裂だ。

政府がテレビ局と(その系列の)新聞社を支配下に置くためには、法的に介入する必要はない。今の裁量行政を守れば、政治部の記者を通じてマスコミを支配できるので、呼びつけなくてもいうことを聞くのだ。この構造には外部からチェックがきかないので、今回の接待事件ぐらいしか突破口がない。

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