法/政治

慰安婦は自発的な「契約」だったのか

ハーバード大学のマーク・ラムザイヤーの論文、"Contracting for sex in the Pacific War"が、世界中で物議をかもしている。例によって「慰安婦を売春婦というのはけしからん」という批判が多いが、慰安婦が売春婦だったことは歴史的事実である。それは金銭を支払う商行為であり、日本軍が戦場に連れて行ったという「強制連行」説を裏づける文書はない。

問題は、それがどういう商行為だったかということだ。ラムザイヤーはそれが自発的な契約だったと考え、その合理性をゲーム理論で説明しているが、その根拠があやしい。

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緊急事態宣言はいつまで続けるの?

東京都など10都府県に出ている緊急事態宣言は3月7日まで延長されましたが、2月15日の東京の感染者数は266人とピークの1割に減りました。西村コロナ担当相は「緊張感がとぎれる」と解除しない方針です。感染はとっくに峠を越えたのに、いつまで続けるんでしょうか。



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森喜朗という「家長」の追放



私は森喜朗氏を政治家としてまったく評価しないが、今回の追放劇はあまりにも理不尽だった。元の発言は「女性枠」に対する皮肉で、女性蔑視でも差別でもなく、彼の進退にかかわるような話ではなかった。

森氏についての論評で印象的なのは、彼の身近にいた人ほど評価が高いことだ。首相としての実績はゼロだったが、自民党内のまとめ役としては、派閥を超えて人望があったらしい。親分肌で義理人情に厚く、オリンピック組織委員会の会長も無報酬で引き受け、癌の手術後、透析を受けながらやっていた。よくも悪くも、昔ながらの自民党の政治家なのだと思う。

自民党は近代的な政党とは違い、個人後援会の集合体だ。後援会は江戸時代から続く「家」システムの延長上にある利益集団である。政治家の地元で同行取材すると驚くのは、冠婚葬祭の類が多いことだ。かなり大物の政治家でも、数十人規模の葬儀や結婚式にまめに顔を出す。忘年会や新年会などは、1日に20を超すこともある。

派閥が家だとすると、派閥はその集まった村である。自民党の議員は、昔は派閥のことをムラといっていた。自民党は村の連合体で、森氏はそれをまとめる「家長」だった。それを海外メディアは「古い日本」の代表として嘲笑したが、こういう構造は日本だけのものではない。腐敗したIOCなどは、村の最たるものだ。

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「ゼロコロナ」は可能なのか



立憲民主党が「ゼロコロナ」で張り切っている。ワイドショーでも、ゼロコロナは人気がある。立民が総選挙でゼロコロナを掲げて戦えば、自民党はそれを正面から批判できない。これは「原発ゼロ」に似ているが、それは実現できるのだろうか?

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緊急事態宣言の延長は5日まで待つべきだ

政府は今夕、緊急事態宣言を延長する見通しだ。日本経済新聞の世論調査では「すべて延長すべき」と「拡大地域では延長すべき」を合計すると90%が延長に賛成し、「解除すべきだ」は6%しかない。この強硬な世論のもとでは、政権基盤の弱ってきた菅政権が延長に踏み切るのも政治的にはやむをえないが、これには科学的根拠がない。


世論調査(日本経済新聞)

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コロナ被害を誇大に発表する厚労省の「逆大本営発表」

菅内閣の支持率が急落している。その最大の原因は、感染症対策が迷走していることだろう。これを「コロナ対策」と考えて、PCR検査陽性者数に一喜一憂するのが間違いのもとだ。感染症対策の目標は(すべての原因の)超過死亡ゼロであり、その基準でみると日本は目標を超過達成したのだ。

感染症統計は各国バラバラなので、その数字を単純に比較しても実態はわからない。感染症被害の規模を国際比較する指標として開発されたのが超過死亡数(死亡数-平年推定値)である。たとえばインフルエンザの死者は(すべての死因の)超過死亡から統計的に推定する。2018/9年のシーズンでは3276人だった。

これに対して「コロナはこれほど対策をしても死者5000人以上だからインフルより大変だ」という話は錯覚である。昨年の超過死亡はマイナスで、日本の感染症被害は世界最少だった。自粛の影響ですべての感染症が減った効果は、コロナの被害より大きいのだ。

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政府が非常事態で命令できない国

医師会などの騒いでいる「医療崩壊」は、アゴラでも書いたように医療資源の絶対的な不足ではなく、医療資源の配分のゆがみである。これは経済問題としては単純で、安倍政権の専門家会議の方針のように、感染症対策の目的はウイルスの撲滅ではなく流行のピークを下げることである。

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上の図の横軸を場所と考えると、ある地域の感染が「医療対応の限界」を超える場合には、その患者を他の地域に移すか、他の地域からの応援で片寄りをフラットにしてピークを下げればいい。ところが日本の医療法では、行政が民間病院の医療資源を配分できない。

この問題を解決する便法として厚労省が使っているのが指定感染症だが、これも指定医療機関にコロナ患者の受け入れを強制できない。感染症法19条は「都道府県知事は感染症指定医療機関に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる」と定めているだけで、指定医療機関がその勧告に従う義務も罰則もない。

いまだに「ロックダウンしろ」という人がいるが、日本ではヨーロッパのようなロックダウン(罰則つきの外出禁止令)はできない。特措法45条は都道府県知事が住民に「みだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる」と定めているだけだ。

ロックダウンは「移動の自由」という基本的人権の侵害なので、非常事態条項がない憲法では不可能だ。立法論としてはありうるが、やるなら憲法を改正するしかない。その歯止めなしで政府が恣意的にロックダウンすることは危険である。

要するに日本では、非常事態に政府が民間に命令できる根拠法が何もないのだ。これは憲法で戦時体制を想定していないことが原因だが、本物の危機になったとき、これで大丈夫なのだろうか?続きを読む

バイデン大統領で「もっと大きな政府」がやってくる



アメリカ大統領選挙はバイデン元副大統領の勝利が確実になったが、熱狂はみられない。「バイデンの最大の長所はトランプではないことだ」という評価が妥当な所だろう。

事前にはバイデンが楽勝とみられていたが、トランプは意外に健闘した。その最大の原因は、彼が選挙制度の欠陥を最大限に利用したことだろう。選挙人制度のもとでは、共和党の候補がニューヨークやカリフォルニアで選挙運動しても意味がない。彼がねらったのは中西部のスウィングステートに住むプア・ホワイトである。

アメリカはまだ人口の60%以上が白人であり、彼らは「おれたちの国だ」と思っているが、口には出せない。そのルサンチマンを刺激してマイノリティや移民に対する差別意識をあおるのが、トランプの一貫した選挙戦術だった。

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パッチワークの合衆国憲法が世界を混乱させる

アメリカ大統領選挙は、初日が終わってもまだ情勢が混沌としている。ペンシルベニアとウィスコンシンの開票率が低く、郵便投票でひっくり返る可能性があるからだ。特にペンシルベニアは6日までかかりそうで、トランプ大統領は「4日以降に届いた票は無効だ」という訴訟を起こすと表明しているので、連邦最高裁が大統領を決めるブッシュ対ゴアのときのような展開になるかもしれない。

こういうややこしいことになる原因は、大統領選挙人という特殊な制度にある。ほとんどの州は各州ごとに勝者総取りになっているので、ニューヨークやカリフォルニアのような大きな州(民主党が必ず勝つ)はどうでもよく、両党の勢力が伯仲している中西部のスウィングステートを取ったほうが勝つ。

ここに住んでいるのは、貧しい白人の労働者が多い。彼らはマイノリティや移民に仕事を奪われるという被害者意識が強いので、白人中心主義をとなえて移民を差別し、保護貿易を主張すれば、彼らの支持を得ることができる。トランプの選挙戦術は、それに特化した点で徹底していた。

この奇妙な制度ができた原因は、合衆国憲法ができたときは、各州が独立国だったからである。当時は大統領の選出は連邦議会が行なうべきだという意見が強かったが、それでは各国の独立性が失われるという反対論があったため、各国が独自に選挙人を選出し、その投票で決める折衷案になったのだ。

こういう「三権分立」がデモクラシーの理想だと思っている日本人が多いが、それはGHQの洗脳である。このパッチワークの統治機構のおかげで、大統領選挙のたびに混乱が繰り返され、スウィングステートに迎合するトランプのような大統領が生まれ、中西部の田舎者が世界情勢を決めてしまう。

続きは11月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)。

自衛官の入学拒否についての毎日新聞の「ファクトチェック」は誤報である

毎日新聞が「ファクトチェック」と称して、櫻井よしこ氏の発言を誤りと断定している。これがファクトかどうかチェックしてみよう。

続きはアゴラで。








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