法/政治

日本共産党はなぜ「暴力革命」の方針をとったのか


安倍首相が「共産党の暴力革命の方針に変更はない」と答弁したことに、志位委員長が怒っている。彼が「全面的に反論済み」という共産党国会議員団事務局の見解にはこう書かれている。

1950年から55年にかけて、徳田球一、野坂参三らによって日本共産党中央委員会が解体され党が分裂した時代に、中国に亡命した徳田・野坂派が、旧ソ連や中国の言いなりになって外国仕込みの武装闘争路線を日本に持ち込んだことがあります。

しかし、それは党が分裂した時期の一方の側の行動であって、1958年の第7回党大会で党が統一を回復したさいに明確に批判され、きっぱり否定されました。

彼らも1950年代に暴力革命をめざしたことは認めているが、それは「党が分裂した時期の一方の側の行動」であり、「党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もない」という。これは歴史の偽造である。

続きはアゴラで。

「内閣改造」という悪習が無能な長期政権を生む

北村誠吾地方創生担当相(72)の答弁をめぐって、国会が紛糾している。野党は新型肺炎もそっちのけで彼の失言を引き出すことに熱中し、答弁を補助する官僚の「政府参考人」にも反対している。

こういう騒ぎは珍しいことではない。55年体制では野党が「爆弾質問」を出し、閣僚がそれに答えられないと審議を止めることは日常茶飯事だった。その対策として、局長級の官僚が政府委員として国会に出席する慣例ができた。

これが政治家の官僚依存をまねき、「それは大事な問題ですから政府委員に答弁させます」という閣僚も出てきたため、2001年に政府委員は廃止された。これは政治主導という理念からは当然だが、北村大臣のように当事者能力のない閣僚が多いため、官僚が答弁を準備して「大臣レク」する負担が増えた。

続きはアゴラで。

「人質司法」はなぜ起こるのか



ゴーンの「日本の有罪率は99%だ」というコメントを私が誤解だと批判し、それに対して郷原信郎さんが「特捜事件では99%だ」と反論したが、これは論理的には矛盾しない。

ゴーンのいう有罪/起訴の比率は99%以上だが、起訴率が51.5%なので、有罪/検挙の比率は約50%で、世界的にみても低い。それに対して特捜事件では逮捕と起訴が一体化しているので逮捕=起訴だから、有罪率が99%になってしまうのだ。

続きはアゴラで。

ゴーンの不法出国は「主権侵害」か

カルロス・ゴーンの出国について、かなりくわしいことがわかってきた。12月29日に住居を出たまま帰宅せず、そのまま出国したようだ。このとき日産のつけていた監視に対して弁護団が「告訴する」と警告して尾行をやめさせ、その日の夜にチャーター機で関西国際空港を離陸した。

まず不思議なのは、この手際のよさである。このチャーター機はトルコの航空会社のもので、ドバイから関空に到着し、尾行が解けるまで空港で待たせていたものと思われる。弁護団が尾行を解除させたことが、結果的に不法出国を幇助したことになる。

最大の謎は、どうやって出国審査を通ったかである。出国記録にはゴーンの名前はないので、別人のパスポートで出国したか、それとも貨物として出国したかである。WSJによると、ゴーンは「音響機器の運搬に使う大型の箱」の中に隠れて搭乗したという。

続きはアゴラで。

「有罪率99%」という誤解

カルロス・ゴーンが日本の司法制度を「推定有罪だ」批判しているが、保釈条件を破って国外逃亡した犯罪者が司法を批判するのはお門違いである。こういうときよく引き合いに出されるのが「日本は有罪率99%」という数字だが、これには誤解がある。

たしかに2018年に日本の地方裁判所で無罪になったのは105件。刑事訴訟の総数(併合を除く)49811件の中では、有罪率は99.8%である(司法統計年報)。だがこれは「逮捕されたらすべて有罪になる」という意味ではない。

続きはアゴラで。

日本共産党は今や「普通の政党」である

日本共産党が普通の政党であるかどうかについて、アゴラで議論が盛り上がっているが、その答は「普通の政党」をどう定義するかに依存する。それを「合法的な政党」と定義するなら、政党として国会議員を出している共産党は普通の政党である。

1950年代には暴力革命をめざした時期もあり、破防法では今も調査対象団体に指定されているが、これは公安の雇用維持のためだろう。今の共産党綱領には、こう明記されているからだ。
社会主義的変革は、短期間に一挙におこなわれるものではなく、国民の合意のもと、一歩一歩の段階的な前進を必要とする長期の過程である。その出発点となるのは、社会主義・共産主義への前進を支持する国民多数の合意の形成であり、国会の安定した過半数を基礎として、社会主義をめざす権力がつくられることである。

続きはアゴラで。

韓国は「政権を超える約束のできない国」

韓国の憲法裁判所は27日、2015年の日韓慰安婦合意が憲法違反だと確認するよう求めた訴訟で訴えを却下した。これについて混乱した論評が散見されるが、この決定は慰安婦合意を憲法裁が合憲と認めたものではない。

この訴訟は「民主化のための弁護士の会」が、慰安婦合意は元慰安婦の権利を侵害するものだとして起こしたものだが、これに対して韓国外交部は答弁書で「合意は法的拘束力のない政治的合意なので憲法上の権利は侵害しない」と主張した。

今回の決定はそれを認め、憲法裁は「合意は国家間の公式の約束だが法的拘束力をもつ条約ではない」ので、被害者の賠償請求権を侵害する可能性があるとはみなしがたいとした。つまり慰安婦合意は国会同意もへていない口約束にすぎないので、被害者の権利を侵害する効果もないというのだ。

続きはアゴラで。

慰安婦問題は「軍の関与」をめぐる混乱から始まった

キャプチャ共同通信によると、戦時中の慰安婦に関する公文書に「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」などの記述があったという。これを共同は「1993年の河野洋平官房長官談話が認定した軍の関与を補強する資料と位置付けられそうだ」と書いているが、これは誤りである。

慰安所の設置や衛生管理などに政府の関与があったことは、河野談話より前に1992年7月の加藤談話で日本政府が認めた。河野談話は、強制連行をめぐるものだ。これを混同して、事実関係がはっきりしない段階で宮沢首相が韓国に謝罪したことが、取り返しのつかない失敗だった。

1991年まで政府は、国会答弁で「慰安所に軍の関与を示す資料は見つかっていない」と全面的に否定していたが、朝日新聞が1992年1月11日の朝刊1面トップで「慰安所 軍関与示す資料」というスクープを出した。この記事そのものは正しく、軍の関与なしで慰安所が運営できないことは明らかだった。

これに驚いた宮沢内閣は対応を協議し、加藤紘一官房長官は「旧日本軍が何らかの形で関与していたことは否定できない」とコメントした。これを受けて宮沢首相は1月16日からの訪韓で盧泰愚大統領に13回も謝罪したが、何に謝罪したのかははっきりしなかった。

続きは12月9日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。





桜を見る会「前夜祭」の不自然な会計処理

野党とマスコミは「桜を見る会」の疑惑で盛り上がっているが、決定的な話は出てこない。確かに公費で首相の後援会の関係者を800人以上も招待したのはいかがなものかと思われるが、違法ではない。来年は中止すると決めたのだから、再来年どうするか安倍首相がゆっくり考えればいい。それだけの話である。

問題は、その前日にホテルニューオータニで開かれた「前夜祭」だ。5000円という会費が格安だというのは、宿泊費込みで考えるとホテルの営業上の問題に過ぎないが、その会計処理が異例である(少なくとも一般人には不可能だ)。

続きはアゴラで。

在日米軍を「ビジネス」にするトランプ大統領

アメリカは日本の払う米軍駐留経費の日本負担の大幅な増額を求めている、とForeign Policyが報じている。日本の米軍経費負担(いわゆる思いやり予算)は2019年度予算で1974億円で、駐留経費の75%にのぼる。7月に日本を訪問したボルトン国家安全保障担当大統領補佐官(当時)はそれを4倍以上の80億ドルに増やせと要求したという。

同盟国が米軍のコストをもっと負担しろという要求は、トランプ大統領の持論である。今年3月にも「トランプは全同盟国の駐留経費負担を1.5倍に増額するよう求めている」という報道があった。これは国防総省が否定したが、NATO諸国は米軍の撤退を織り込んで防衛費を大幅に増額する。アメリカは韓国には駐留経費負担を5倍に引き上げるよう求めているという。

だが80億ドルというのは実際にかかる経費の3倍以上であり、今までとは意味が違う。これは共同防衛のコストを各国が負担するのではなく、米軍を他国の防衛で利益を上げる「ビジネス」にしようという発想だ。価格が安ければ、米軍が撤退することもありうる。

河野防衛相は「そういう事実関係はない」と否定したが、これから2021年の日米地位協定改定に向けて、こういう話がアメリカから出てくることは十分ありうる。高く吹っかけて交渉するのもトランプの不動産屋的な手法だが、最終的には満額ぐらいで落ち着くとしても、日米同盟は大きく変質する。日本はアメリカの極東戦略に「ただ乗り」できなくなるからだ。

続きは11月18日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。







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