法/政治

公明党はなぜ後期高齢者の9割引医療を守るのか

維新の後期高齢者医療費3割負担の提案に対して、他の党は与野党ともに沈黙を守っているが、公明党が初めてコメントした。

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後期高齢者医療制度は廃止して医療制度を「2階建て」に

日本維新の会の医療制度改革案「医療維新」が発表された。アゴラでもずっと提言してきた「高齢者医療制度の原則3割負担化」が国政政党の公約に入ったのは初めてだ。



ただし財源については疑問がある。この提言では後期高齢者医療制度を税財源化することになっているが、これでは社会保険料の負担を税に置き換えるだけで、国民負担の削減にはならない。

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みんなの党と「小さな政府」の終焉(アーカイブ記事)



ネットでちょっと「みんなの党」が話題になっている。私はみんなの党の結党のころは応援していたし、勉強会に呼ばれたこともある。そのとき渡辺代表に言ったのは、次の3点だった。
  • 党のコンセプトがはっきりしない。日本には小さな政府をめざす党がないので、それを掲げてはどうか。
  • (渡辺氏が自民を離党するきっかけになった)公務員改革はいいが、それだけが看板ではもたない。具体的な経済政策を出したほうがいい。
  • しかしリフレはやめたほうがいい。経済学を理解してない人がいい加減な政策を掲げると破綻する。特に高橋洋一には気をつけろ。
このあと、みんなの党が「小さな政府」を掲げたのはいいが、それを具体化する方針がないまま、日銀法改正などの過激なリフレ政策を打ち出した。量的緩和は、アメリカでは民主党が推進して共和党の反対する「大きな政府」の政策である。このへんから方針が混乱し、桜内文城氏などがそれを批判して離党した。

原発事故後は反原発を打ち出し、消費増税のときは増税反対を打ち出して、ほとんど社民党と変わらないポピュリストの党になってしまった。また渡辺氏の党運営が独善的(結党以来4年間、一度も党首選をしていない)で、それを批判する党員を彼が次々に除名しているうちに、とうとう4割が離党してしまった。

続きは2月19日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

日本は30年前に光を見た

最近の政局の混乱をみると、30年前に永田町を取材していたころを思い出す。政治資金スキャンダルが表面化し、その捜査の結果、大物政治家が逮捕をまぬがれたことに国民が怒り、それをごますために自民党が「派閥解消」を言い出すのも同じだ。



1993年6月に宮沢内閣の不信任案が可決されたとき、Economist誌は「日本は光を見た」という記事を書いた:

自身の党を分裂させて政府を崩壊させることを目的とした反乱を主導した羽田孜氏は6月18日、宮沢喜一首相に向かい、皮肉ではなく頭を下げた。驚異的な経済的成功や不可解な政治と同様に、その絶妙な礼儀正しさにおいて、日本は長い間他の国とは異なっているように見えてきた。

いま羽田氏・小沢氏と彼の反逆者たちは、日本の独自性の主な特徴の一つ、つまり自民党を38年間連綿と政権の座に保ち続けてきた政治システムに風穴をあけた。日本人の中には、自民党の崩壊をベルリンの壁の崩壊にたとえる人もいる。日本では確かに革命が起きているのかもしれない。

やがて一枚岩の自民党の解体と政治の開放が、その背後にある変化を加速させるだろう。日本の有権者が自分たちの要求をよりオープンに表現するようになれば、日本の政治家も彼らの利益をより明確に反映するようになるだろう。それは古いシステムを操作していた少数の人々から、新しいシステムにもっとアクセスできる多くの人々へと影響力を広げることにつながる可能性が高い。

あのとき私を含めて多くの日本人が、永遠に続くかと思われた自民党政権が崩壊したことにあっけにとられ、日本が変わると思った。私がサラリーマンをやめようと思ったのは、あの日、国会で不信任案の可決を中継したときだった。

続きは1月29日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)

政策活動費って何?

自民党の裏金問題をめぐって、政治資金規正法にいろんな抜け穴があることが話題になっています。そのうち最大の穴が政策活動費だといわれています。チャットGPTに聞いてみました。

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岸田首相の「安倍派追放」で30年前に似てきた政局

自民党の裏金問題をめぐって、岸田首相が岸田派を解散し、安倍派に離党を求めるなど強硬な方針をとり、政局がにわかに風雲急を告げてきた。これは私がNHKで政治番組の現場にいた30年前の政局と、そっくりの展開である。
  1. 自民党の幹部が検察の捜査を受ける:1988年に竹下内閣でリクルート事件が起こり、検察は大規模な捜査をしたが、起訴した国会議員は藤波元官房長官と公明党の池田議員だけで、他の議員は会計責任者の略式起訴だけだった。

  2. 国民の怒りが高まり、政局が流動化する:竹下内閣が倒れ、宇野内閣も倒れて、海部内閣になり、1991年に懸案の政治改革三法案を閣議決定して国会に提出したが自民党内の反対が強く廃案となり、海部内閣も倒れた。

  3. 竹下派が分裂:1992年に宮沢内閣になったが、8月に金丸信副総裁が東京佐川急便から5億円の政治献金を受け取っていたことが判明。これも政治資金規正法違反で罰金20万円に終わったため、検察庁の入口の石碑に何者かが黄色いペンキをかけた。金丸は失脚し、竹下の後継者をめぐって内紛が始まった。

  4. 小沢グループの離党:当初は竹下の後継者とみられていた小沢一郎が、金丸をめぐる検察との取引の失敗の責任を問われ、竹下派の内紛が拡大。後継者に小渕恵三が選ばれたことに反発した小沢グループが派閥を離脱した。

  5. 内閣不信任案の可決:1993年6月18日、小沢グループを含む39人が野党の提出した宮沢内閣不信任案に賛成して可決。宮沢首相は衆議院を解散。

  6. 細川内閣の成立:総選挙では自民党はほぼ改選前の議席を維持したが、過半数には届かず、新生党を核とする非自民・非共産の8会派が細川護煕を首相に立て、自民党政権が38年ぶりに終わった。
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選択的夫婦別姓の何が問題なんですか?

経団連が政府に選択的夫婦別姓の導入を初めて公式に提言しました。


これについてまたネトウヨのみなさんが反対していますが、意味不明なので、何が問題なのか、チャットGPTにきいてみました。

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山本太郎は情弱を食い物にして選挙制度のバグを利用する

この投稿が300万インプレッションを超えたので、ちょっと補足しておこう。国会で「能登半島地震の現地視察は交通事情が悪いので自粛する」という6党合意ができたあと、地震の現場に車で乗り込み、被災者用のカレーを食った山本太郎について、私はこう書いた。

れいわ信者から「差別だ」というクソリプが山のように来たが、境界知能は知的障害ではなく、差別用語でもない。それはこの図がNHKのウェブサイトに出ていることでも明らかだ。

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「最低でも県外」が挫折した原因は外務省の「偽りの文書」?

鳩山元首相のツイートが400万回も表示され、話題を呼んでいる。彼が「最低でも県外」といいながら、結局は辺野古に戻した理由は、外務省の「偽りの文書」だという。


「偽りの文書」というのは、のちに鳩山氏がインタビューで語った普天間移設問題に関する米側からの説明という外務省の機密文書のことだろう。これは本物だと思われる。

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ここでは「回転翼航空部隊の拠点と同部隊が(陸上部隊と)恒常的に訓練を行うための拠点との間の距離に関する基準」として65海里(120km)以内と決まっており、米軍のマニュアルに明記されているというのが外務省の説明だった。

鳩山氏はそれを信じて徳之島(192km離れている)への移転をあきらめたが、後になって米軍に確認すると「そのようなマニュアルは確認できない」という。外務省は「調査中」としか答えない。彼は「外務省が嘘をついた」と主張するが、もし外務省が機密文書を捏造したとすれば、重大な問題である。

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田中角栄の始めたバラマキ福祉

スクリーンショット 2023-12-13 161932このごろ田中角栄が再評価されているようだ。今週は立民党の議員が「田中角栄研究会」を立ち上げた。メンバーは原口一博とか阿部知子とか気分の悪くなりそうな面々だが、「温かい政治を取り戻す」などというのは、田中のバラマキ福祉を意識しているのだろう。

田中はバラマキ公共事業で知られているが、バラマキ福祉の元祖でもあった。彼の信念は「弱者救済」と「格差是正」だった。田中は1973年を福祉元年と名づけ、老人医療費を無料化し、年金を賦課方式にし、物価スライドにして支給額を大幅に上げた。

社会保障は、高度成長期に政府が余剰資金を持て余していた日本では、国会を通さないで迅速にバラマキができる点ですぐれていた。こうした業務を行なう特殊法人が天下り先となり、グリーンピアなどの保養施設の原資にもなったため、官僚も田中の政策を支持し、立法に協力した。

これは東京都の美濃部知事をはじめ、全国の主要都市で「福祉と環境」を掲げて誕生した革新自治体への対抗策でもあった。社会党が労働者を搾取している資本家を倒すことで実現しようとした「革命」を、田中はありあまる財源を分配することで実現してしまったのだ。

続きは12月18日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)
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