法/政治

記者クラブは「国民の代表」ではない



朝日新聞の大野博人編集委員が「選挙に通れば「国民の代表」か」という奇妙なコラムを書いている。東京新聞の望月衣塑子記者の騒動をめぐる菅官房長官の「国民の代表は国会議員であって新聞記者ではない」という見解がお気に召さないらしい。

続きはアゴラで。

官房長官の定例記者会見を廃止せよ


菅官房長官が東京新聞の望月衣塑子記者の質問に「答える必要はない」と返事したことが話題になっているが、これは彼女の執拗な質問を聞くと当然だ。その内容も自分のことについて繰り返しきく異常なもので、「国民の知る権利」とは何の関係もない。

続きはアゴラで。

日本政府は慰安婦問題で韓国に「謝罪」していない

天皇に謝罪を求めた韓国の文喜相国会議長の発言が話題を呼んでいるが、基本的な事実認識にずれがある。彼は2015年の慰安婦合意について「それは法的な謝罪だ。国家間での謝罪はあるが、問題は被害者がいることだ」というが、日本政府は「法的な謝罪」も「国家間での謝罪」もしていない。このときの記者発表で日本側(岸田外相)は次のように述べた。

慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。

続きはアゴラで。

小沢一郎という悪夢

ozawa自由党の小沢一郎代表は、安倍首相の「悪夢のような民主党政権」という発言に対して、記者会見で「もう一度、悪夢を見てもらわなければならない」と語った。民主党政権が悪夢だったことは認めたわけだが、私にいわせると「小沢一郎」が平成の最大の悪夢だった。私も一度はその夢を見た者として、反省することが多い。

「小沢氏には最初から政治理念はなかった」という人が多いが、私はそうは思わない。彼の『日本改造計画』は自民党の最高幹部だったとき書いたもので、彼は憲法を改正して軍事的に自立した普通の国になることを主張し、英米で始まった保守革命を継承して小さな政府を実現しようとした。それは冷戦後の日本のエリートの合意だった。

本来は彼が首相になって自民党ハト派を追い出し、「保守二党」で政権交代を実現するはずだったが、竹下派の跡目争いで小沢氏が敗れて離党したため、彼の構想は大きく狂った。1993年に細川政権は実現したが、連立政権の足を引っ張る社会党を追い出そうとして失敗し、政権が崩壊した。最後のチャンスだった新進党も内部抗争で解党し、彼の政治理念は終わった。

最初の自由党のころまでは過剰に理念的だった小沢氏は、民主党と合流したころから左傾化し、かつて自分で提唱した消費増税に反対して離党し、反原発で新党を結成するなど支離滅裂になった。今の彼は政治的にはゾンビのようなものだが、彼が1990年代に主張した政治理念にはまだ価値がある。それが悪夢に終わったのはなぜだろうか。

続きは2月18日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

厚労省の官僚は無能か嘘つきか

国会では統計不正問題をめぐって見当はずれの質疑が行われているが、「アベノミクス偽装」という類の陰謀論はすべて誤りだ。2018年1月からの毎月勤労統計のシステム更新は、統計的精度も安定性も上がる改善だった。このとき結果として賃金が「上振れ」したが、問題はそれより2017年まで賃金が「下振れ」していたことだ。

立憲民主党にアドバイスしている明石順平という弁護士は、上振れが「ベンチマーク更新」の影響だというが、システムを更新したら影響が出るのは当たり前だ。2018年の場合は経済センサスに合わせて大企業を増やし、サンプルを毎年1/3入れ替える「ローテーション・サンプリング」にしたが、それで数字が上振れしても法的な問題は発生しない。

続きはアゴラで。

「韓国化」する沖縄

米軍基地の辺野古移設のための埋め立て工事の賛否を問う県民投票が、2月24日に実施される。最初は一部の市が参加しないなどもめて、「どちらでもない」を含む三択にして全市町村が参加することになったが、この県民投票には三重に法的根拠がない。
  1. 辺野古移設は日米の政府間協議で決定され、沖縄県も2013年に承認した
  2. その承認を取り消した沖縄県の決定は2016年に最高裁で違法とされた
  3. したがって承認を撤回する沖縄県の決定にも法的効力がない
続きはアゴラで。

厚労省はなぜ勤労統計のサンプルが増えたことを隠したのか



このVlogだけでは意味がわからないと思うので、補足しておく。2004年に厚労省が毎月勤労統計調査のサンプルを減らしたことが国会でも問題になっているが、これは間違いである。このときサンプル数は増えたのだ

続きはアゴラで。

百田尚樹氏の「負のナショナリズム」は韓国と似ている

私の『日本国紀』の書評に、著者がお怒りのようだ。誤解のないように付け加えるが、私は百田氏が右派だから批判しているわけではない。「日本は戦後ずっとアメリカに支配されている」というルサンチマンは、孫崎享氏のような左派とも共通の対米従属史観である。それがまるでナンセンスというわけでもない。

占領期にアメリカの都合のいいように歴史が書き換えられ、日本政府がGHQに逆らえなかったことは事実だが、それは占領統治なのだから当たり前だ。問題は日本が独立したあとも70年近く、GHQの洗脳が続いてきたという陰謀史観である。憲法が改正できないのも日本人が誇りをもてないのも、GHQの刷り込んだ「自虐史観」のせいだというわけだ。

これは韓国の建国神話と似ている。1910年に日本が韓国を侵略して以来「日帝36年」の植民地支配に対する抗日戦争が続き、1945年にそれに勝利して独立した、というのが韓国の国定教科書に書かれている物語だ。彼らは今も、韓国の経済発展が立ち後れたのは日帝支配のせいだと考えている。そこでは日帝という共通の敵が設定され、その被害者として国民のアイデンティティが定義されている。

このような負のナショナリズムは、普遍的な物語である。ヒトラーがユダヤ人という敵を設定し、トランプ大統領がヒスパニックという敵を設定するように、「私たちは何者か」という問いに「私たちの外部」を設定してお手軽な答を出すのがポピュリズムである。こういう陰謀論は複雑な現実を単純化し、政治的には強烈な求心力をもつ。人々の心の中には、つねに外部を作り出してアイデンティティを保つ感情がそなわっているからだ。

続きは1月21日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

日本と韓国は「物語」を共有できない



このところ「徴用工」問題でまた韓国との対立が起こっているが、彼らを論理で説得することは困難だ。論理が通じるのは、その前提を共有している相手に限られる。「1+1=3」だと思っている人を数学で説得することはできない。文在寅大統領は「韓国の最高裁判決が日韓請求権協定に優先する」と考えているようなので、日本がその逆を主張しても話は噛み合わない。

国内法と国際法のどっちが優先するかについて普遍的ルールはない。国内法を根拠にして国際法を否定すると、条約や協定が無効になって混乱するが、韓国のように条約を無視すればいい。国際法には法の支配はなく、法を強制する機関もないので、その有効性を保証しているのは当事国の合意だけなのだ。

したがって「日帝36年」の独立戦争に勝利して建国したという歴史(history)=物語(story)を憲法に掲げている韓国政府と、日韓併合を国際法上の合法的な条約だと考えている日本が合意することは不可能に近い。日韓併合条約には両国の政府が調印したが、それは「対等な条約ではなかった」という韓国の主張が100%間違いというわけでもない。

続きは1月14日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

ライブドア事件に似てきたゴーン事件

日産のゴーン元会長・ケリー元取締役と、法人としての日産が起訴された。同時に2人は再逮捕されたが、容疑は金融証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)だけだ。虚偽記載の総額は(公訴時効になった2011年を除く)2012年から2018年までの7年間で約91億円になったが、容疑は今までマスコミで出た話と変わらない。

まだゴーン側の主張が出ていないので真相は不明だが、今までの経緯をみると、この程度の話で世界的大企業の会長を逮捕した捜査手法が妥当だったのかという疑問は残る。マスコミが検察情報で「推定有罪」の報道をするのはいつものことだが、今回の事件は公判の維持がむずかしいのではないか。

続きはアゴラで。






Twitter
記事検索
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
Creative Commons