法/政治

霞ヶ関で爆発した終身雇用の「不満のマグマ」

NewsPicksが「官僚たちの逆襲」という特集をやっている。官邸主導から官僚を解放し、雇用が流動化してろくな人材のいなくなった役所にエリートを取り戻せというが、これは問題を真逆に見ている。

アメリカでは、官僚は自由に動く。トランプ大統領になると1000人以上が民間から政治任用され、オバマ政権の幹部はクビになるが、彼らは「回転ドア」で民主党系のシンクタンクに行ったり、民間企業に行ってロビイストになったりする。

こういう雇用流動性があれば政治任用の弊害は少ないが、日本のように終身雇用だと、安倍政権に逆らって左遷されると不満がたまり、加計学園のようなしょうもないネタをマスコミに売り込んで騒ぎを起こす。内閣人事局のできたときから、こういう人事に対する不満のマグマが官僚に貯まっていたようだ。いま官僚の標的になっているのは菅官房長官で、各省の官僚は「内閣の意向を振り回す」とか「安倍政権にゴマをする幹部が出世する」という。

続きはアゴラで。

ガラパゴス平和主義というモラル・ハザード

アゴラの記事が反響を呼んでいるので、ちょっと補足しておこう。「憲法9条で戦力をもたないで平和を守る」というガラパゴス平和主義は、日本が孤立した国だったらナンセンスだが、日米同盟があればアメリカに戦争のリスクを押しつけることができる。これをタレブの理論でいうと、次のようなペイオフの非対称性がある。

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日本が戦力をもっていないと平時には利益を得るが、戦争になると(点線のように)損害が出る。その利益の期待値をゼロに基準化すると、戦争のとき在日米軍でリスクヘッジできれば、利益の平均(期待値)はFになる。この「平和に賭けるギャンブル」は、賭け金が大きいほどもうかるのだ。

このペイオフ構造は株式市場のコール・オプションと同じだが、株式の場合にはその保証料(オプション価格)を取られる。ところが日米同盟は「思いやり予算」というわずかな保証料で、日本が米軍にただ乗りする不平等条約になってしまった。これは吉田茂のモラル・ハザードだったが、あまりにも快適なので与野党とも抜けられなくなった。

続きは7月24日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

台湾政府は民進党の弱みを握った

JBpressで蓮舫問題の経緯をざっとおさらいしたが、今週の会見で疑惑はむしろ深まった。最大の疑問は、この1984年に失効したパスポートで、台湾政府の国籍喪失証明書が取れるのかということだ。

民進党は記者レクで「台湾政府の特別な配慮で喪失許可がおりた」と説明したが、その意味ははっきりしない。有効な旅券がなかったのに台湾政府が超法規的に許可した、といいたいようだが、それは考えにくい。

続きはアゴラで。

台湾政府は国籍喪失を10月17日まで審査して9月13日に許可した?


きのう蓮舫側が出した書類には疑問が多い。台湾内政部長の国籍喪失許可証は通常の書式と違い、正式の写真ではなく蓮舫氏の斜め向きの写真(民進党のポスターのもの)が使われている。日付を隠すようにハンコが押されているが、拡大すると「中華民国105年(2016)09月13日」と読める。これはおかしい。

続きはアゴラで。

蓮舫代表は国籍離脱について嘘をついている

きょうの蓮舫代表の臨時記者会見は、おおむねアゴラで予想した通りだったが、意外なのは台湾政府の国籍喪失許可書(2016年9月13日付)が出てきたことだ。

蓮舫事務所が国籍喪失の申請をしたのは9月6日なので、わずか1週間で許可が下りることはありえない(通常は2ヶ月以上かかる)。先週は弁護士が「証拠として国籍離脱申請書を出す」といって失笑を買ったが、今週になって許可書が出てきたのもおかしい。

続きはアゴラで。

なぜ戸籍謄本の開示が必要なのか

蓮舫代表は前言をひるがえし、18日に「戸籍そのものではなくて、私自身が台湾の籍をすでに有していないことがわかる部分」を出すという。台湾国籍離脱の申請書は何の証拠にもならないが、かりに国籍離脱の証明書を見せたとしても、違法状態を否定する証拠にはならない。戸籍謄本を見せた小野田紀美議員もいうように、
続きはアゴラで。

みこしは軽くてパーがいい



これは『失敗の法則』第8章のテーマだが、昨年9月の民進党代表選では、蓮舫代表が「軽いみこし」としてかつがれた。彼女とポストを取引して立候補を見送った幹部もいた。それは政局的には正しかったのだろう。当時の票読みでは、彼女が圧倒的に有利だったからだ。

だが、このように「表の代表」と「裏の幹事長」を分離し、実権を後者が握る二重権力こそ、民主党政権が改革しようとした構造だった。それは1990年代から「政治主導」を提唱してきた小沢一郎氏のコンセプトでもあった。鳩山政権は政策調査会を廃止して意思決定を政府に一本化したが、小沢氏が幹事長になると逆に陳情の窓口を幹事長に一本化した。「みこしは軽くてパーがいい」というのは、彼の言葉である。

こういう構造が失敗するのも日本型組織の法則だが、その原因は大きな意思決定ができないからだ。閣僚は内閣改造で交代する「軽いみこし」なので、官僚はその命令を聞かないで、役所のコンセンサスを代表する事務次官の命令を聞く。彼らは業界の既得権で動くので、獣医学部の新設さえできない。それは議院内閣制が想定している統治構造とはまったく違うのだ。

続きは7月17日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

蓮舫代表は台湾国籍を離脱したのか

いったん「戸籍謄本を出す」と表明した蓮舫代表は、きのう午後になって「台湾の籍を有していないことがわかる部分」だけ見せるといい、さらに「パスポートや台湾当局への国籍離脱申請書の写し」を提出すると話が変遷している。申請書を出すというのは、証明書が存在しないということだろう。台湾政府のウェブサイトで「謝蓮舫の国籍喪失」を検索すると、こういう結果が出る。

続きはアゴラで。

東大法学部と「武士道」の凋落

篠田英朗さんの記事で気づいたが、東大法学部出身の首相は宮沢喜一以来、出ていない。官僚出身も彼が最後だ。今の首相官邸でも東大法学部卒(官僚出身)は、今井尚哉秘書官ぐらいだろう。「東大支配」が終わりに近づいているのは、歴史的な出来事だと思う。

続きはアゴラで。

ガラパゴス憲法学者の「原罪」

北朝鮮情勢がまた緊迫してきた。こういう状況に見て見ぬふりして「第9条で戦争を止める」という憲法学者に必要なのは、説得ではなく治療である。篠田英朗氏の新著は、ガラパゴス憲法学者の精神分析ともいえよう。精神分析は医学を装った「告解」で、晩年のフーコーが追究した「真理による統治」の一種である。

それは「不倫」のような罪を教会が作り出し、聖職者が信徒の弱みを握って個人的に支配する装置だった。宮沢俊義にとって不倫のように恥ずかしい「原罪」は、時局に迎合したという過去だったが、当時の東大法学部の多くの教官がこうした罪を大なり小なり背負っていた(経済学部は積極的に戦争に協力した)。

しかし丸山眞男には、時局に抵抗して検挙された証拠があった。彼はその特権的な立場から、聖職者のように同僚を裁き、「戦後日本の国体」をつくることができた。彼の公式に発表した論文は注意深く同僚の批判を避けているが、非公開の座談会では「宮沢先生の授業は戦時中は漫談みたいになった」と軽蔑していた。

続きは7月10日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。






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