法/政治

百条委員会は小池知事を延命する「パンと見世物」


東京都の百条委員会が始まったが、何も出てこない。あすの石原元知事の喚問が山場だが、豊洲移転を左右するような話は出てくるはずがない。この委員会は移転の是非を議論するはずだったが、始まる前に小池知事が豊洲の「安全宣言」を出し、何のためにやるのかわからなくなった。「豊洲は安心ではない」というなら、彼女が「安心です」といえばすむ。

続きはアゴラで。

「八百長の平和」が終わる

朝鮮半島の緊張が高まる中で、国会はワイドショー化している。これは当然で、日本の国会にはもともと国家戦略を決定する機能がない。自民党は1955年に結党したときから、保守勢力が「反共」で野合した理念なき日本型ポピュリズムの党だった。党是としては憲法改正を掲げたが、その実態はアメリカの核の傘にただ乗りして地元利益で集票するマシンだった。

アメリカは軍事負担の肩代わりを求めたが、自民党は「国内的な配慮」を理由にして拒否してきた。1972年の沖縄返還のとき、佐藤内閣は「沖縄の核は黙認するが自衛隊は海外派兵しない」という取引をして「集団的自衛権」の行使を違憲とする法制局見解を出した。集団的自衛権は、東アジアの紛争から逃げるための「貞操帯」のようなものだった。

安保法制をめぐる「与野党対決」も、アメリカの圧力をかわすための八百長だった。そのあと争点を失った野党は、大阪の幼稚園をめぐる騒動に国会審議を費やしているが、こんな茶番はいつまでも続けられない。東アジアの地政学的なバランスは大きく変わったからだ。

続きは3月20日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

森友事件の「忖度」が示す日本の変わらぬ「國體」

森友学園の事件は国会で審議するような問題ではないが、稲田防衛相にも延焼して社会部ネタとしてはおもしろくなってきた。本丸の安倍首相は「もし関わっていたら私は政治家として責任を取る」と明言しているので、常識的には(少なくとも意図的には)彼は関与していなかったと思われる。

だが9億5000万円で取得した土地の「ゴミ処理代」が8億2000万円というのは、いかにも不自然だ。国有地を売却したのは財務省の理財局だが、これについて橋下徹氏が「財務省の忖度ではないか」という古風な表現をしていたのがおもしろい。『大辞林』によれば、忖度(そんたく)とは「他人の気持ちをおしはかること」で、その「他人」はかなり目上の人だ。この場合はもちろん首相である。

続きはアゴラで。

「亜インテリ」が歴史を動かす

豊洲をめぐる騒動の原因は、小池知事が大衆をバカにしているからだというのが私の仮説だが、彼女がワイドショーの話を信じているという説も捨てきれない。本人が間違いだと知っていたら、そう長く嘘をつき続けることはできない。トランプのように支離滅裂な話を信じているのがポピュリストの特徴である。

丸山眞男は、ファシズムの担い手は本物のインテリではなく「小中学校の教員や村役場の下級官吏のような亜インテリだった」(「日本ファシズムの思想と運動」)と書いて批判を浴びた。これは政治的には正しくないが、当たっている。科挙でインテリが国家権力をもった中国と違って、日本ではインテリが歴史を動かしたことはない。

しかし結果的には「全面講和」を唱えた丸山や南原繁などのインテリより、自民党を支持した大衆のほうが賢明だった。もし1950年にインテリが勝利していたら、日本は講和条約を結べず、安保条約は60年で破棄されただろう。国民が自民党を支持したのは、彼らが条約の中身を知らなかったからだ。歴史を動かすのは、それを書くインテリではなく、圧倒的多数の大衆であり、それを煽動する亜インテリである。

大衆は平時には政治に無関心なので自民党を支持するが、危機のときはワイドショーを見て小池氏のようなポピュリストを支持する。アメリカでトランプが支持され、イギリスでBrexitが支持されたのも同じ現象である。それは国民が愚かになったからではなく、その知識水準が上がって、彼ら自身が亜インテリになったからだ。

続きは3月20日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

日本国憲法は「三権分立」ではない


橋下氏が噛みついているのは、朝日新聞の「最高裁人事、崩れた慣例」という記事だろう。「慣例は、政治権力による露骨な人事介入に対する防波堤の役割を果たしてきた面がある」と批判するガラパゴス憲法学者のコメントを載せているが、日弁連の推薦なんて何の法的根拠もない。これは首相を「みこし」にしようという下剋上の思想だ。

続きはアゴラで。

小池知事のレーニン的愚民主義

豊洲の騒動はくだらないので興味がなかったが、きのうの議会答弁のあとのぶら下がりは傑作である。都の「築地にも米軍の工場があって有害物質が大量に使われ、土壌が汚染されている可能性がある」という報告を受けて、記者団が「築地は大丈夫なのか?」と質問したのに対する答だ。



続きはアゴラで。

大統領と議会と裁判所のエッシャー的循環



きのうのVlogでは「大統領令の差し止め訴訟は、連邦最高裁で連邦政府が負けるだろう」と予想したが、予想より早く連邦政府が上訴をあきらめ、政府の敗北が確定した。この大統領令は一種の「お試し」で、トランプは別の大統領令を考えているようだ。

ただ大統領令が司法で差し止められたという事実は重い。合衆国憲法では大統領の権限は弱く、法案提出権は連邦議会にしかないが、大統領はその例外として大統領令を出すことができる。これに議会が同意しない場合は訴訟で決着をつけるが、その最終決着をつける連邦最高裁の判事は大統領が指名する。つまり

 大統領<連邦議会<連邦最高裁<大統領…

というエッシャー的な無限ループになっている。本場の「立憲主義」は、ガラパゴス憲法学者や朝日新聞の考えているほど単純ではないのだ。本当の最高権力はどこにあるのだろうか?

続きは2月13日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

ゲーデルの証明した合衆国憲法の矛盾

「立憲主義」は、朝日新聞やガラパゴス憲法学者が空騒ぎしたので、頭の悪いリベラルのお題目ぐらいに思われているだろうが、いまトランプ大統領のやっている大統領令の乱発は、本物の立憲主義の危機である。

歴史上もっとも民主的だったワイマール憲法がヒトラーの出現をまねいた原因は、第48条の非常事態条項だった。それは「公共の安全・秩序の確保に失敗した場合には、ドイツ国大統領は、基本的人権の一部または全部を一時的に停止することができる」と定められていた。

この非常事態条項にもとづいてヒトラーは共産党の議員を逮捕し、議会の2/3以上の多数で全権委任法を可決して憲法を停止した。これは手続き的には違法ではなかった。アーレントがいうように、ナチスは「合法的な革命」であり、それを阻止するには「主権」を廃止して法の支配(立憲主義)を徹底することが必要だと彼女はのべた。

では合衆国憲法は、トランプがヒトラーになることを阻止できるだろうか? 1948年、ナチスから逃れたクルト・ゲーデルは、アメリカ市民権を取得するときの審査で「合衆国憲法には矛盾があり、独裁国家に合法的に移行できる」と主張し、入国審査官を驚かせた。

続きは2月13日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

韓国の救いなき「反日ポピュリズム」


朴大統領の辞任表明を受けた韓国の大統領選挙は元国連事務総長の潘基文氏が撤退し、「反日・親北朝鮮」を売り物にする左翼系の文在寅氏が勝つ見通しが強まった。こういう精神的途上国を相手にしてもしょうがないが、なぜこういうデマゴーグが毎度出てくるのかを理解しておく必要はある。

続きはアゴラで。

トランプ大統領の「憎悪のデモクラシー」



トランプ大統領の入国禁止令は世界に大混乱を巻き起こしているが、教科書的なポピュリズムである。これはラクラウのいうように記号としての「敵」を外部に作り出して民衆を団結させる、ラディカル・デモクラシーだ。その元祖はマルクスの「プロレタリア独裁」だが、それはヒトラーのホロコーストとも同じだ。

トランプの知性はマルクスとは比較にならないが、ブルジョア階級の代わりにイスラム教徒のテロを恐れる白人の感情をあおる戦術は巧妙だ。世界から非難を浴びても、国内の支持率は50%を超える。革命が成功する上で重要なのは、マルクスのような高度な理論ではなく、トランプのように大衆の憎悪をあおることなのだ。

続きは2月6日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。






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