いま人工知能と呼ばれているのは知能ではなく機械学習で、そのハードウェアはPCなどとは違うニューラルネットである。これが実装されるようになったのは1990年代だが、甘利俊一氏は70年代にその原理を論文で数学的に定式化した。時代の先を行きすぎてハードウェアに実装できなかったが、これが今の深層学習の原型である。
脳の情報処理は、外界からの刺激によるニューロンの興奮の伝達で行われる。たとえば猫の映像は網膜で多くの画素に分解され、ニューロンはその刺激を隣のニューロンに伝える。こうした多くの刺激を総合して画像認識が行われ、そのとき多くのニューロンの出力の重みWの合計で出力値(猫か否か)が決まる。

日経XTRENDより
これをモデルにしてニューラルネットでは素子の入力層と出力層の間に中間層を設定し、出力値を答と照合して誤差に応じて重みを補正する。これは1990年代に誤差逆伝播法として実用化されたが、この重みづけの変化を微分方程式で表現したのが甘利氏の確率降下学習法だった。
多くのニューロンが猫と知覚したら猫と判断する脳のしくみは、民主主義に似ているという。出力の重みは人間の影響力のようなもので、多くの人が賛成すると重みが大きくなる。他人に影響されやすい人が多いと社会全体が興奮しやすく、付和雷同が起こる。続きを読む
脳の情報処理は、外界からの刺激によるニューロンの興奮の伝達で行われる。たとえば猫の映像は網膜で多くの画素に分解され、ニューロンはその刺激を隣のニューロンに伝える。こうした多くの刺激を総合して画像認識が行われ、そのとき多くのニューロンの出力の重みWの合計で出力値(猫か否か)が決まる。

日経XTRENDより
これをモデルにしてニューラルネットでは素子の入力層と出力層の間に中間層を設定し、出力値を答と照合して誤差に応じて重みを補正する。これは1990年代に誤差逆伝播法として実用化されたが、この重みづけの変化を微分方程式で表現したのが甘利氏の確率降下学習法だった。
多くのニューロンが猫と知覚したら猫と判断する脳のしくみは、民主主義に似ているという。出力の重みは人間の影響力のようなもので、多くの人が賛成すると重みが大きくなる。他人に影響されやすい人が多いと社会全体が興奮しやすく、付和雷同が起こる。続きを読む